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大阪地方裁判所 昭和39年(ワ)1341号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔事実と争点〕被告大山正雄こと朱南弼は昭和三八年一一月九日破産宣告をうけた。原告高山、同和田はその後の昭和三九年三月二七日被告に対し、高山は金三二〇万円、和田は金二二〇万円の手形金請求をして本訴を提起した。被告の答弁も済み弁論が進行した後、原告は「被告を大山正雄こと朱南弼より破産者朱南弼破産管財人長池勇、同清水正夫に訂正する」と申立て、これに対し右破産管財人は「破産者に対する破産債権の行使は破産手続によらねばならず、原告は破産法による債権届出手続をとるべきであるから、破産管財人に対する本訴請求は却下さるべきである」と述べた。本件では破産管財人への当事者の読更を認め、本訴を債権確定の訴として、破産裁判所に移送し得ないかが問題となる。

〔判決理由〕審理の結果によると、被告大山正雄こと朱南弼は神戸地方裁判所尼崎支部において同庁昭和三八年(フ)第四号破産申立事件で、昭和三八年一一月九日午前一一時破産の宣告を受け、破産管財人として弁護士清水正夫、同長池勇が選任されたことが認められる。

しかるに、本訴は右破産宣告後である昭和三九年三月二七日に右被告に対し提起されたものである。

そこで、原告等は、被告を朱南弼より破産者朱南弼破産管財人長池勇、同清水正夫に訂正する、と申立てる。しかして、その理由は、本訴は朱南弼を相手方として提起したところ、同人はそれより前すでに破産宣告を受けていたので、相手方をその破産管財人に改めたいというものである。勿論、訴訟係属後における当事者の破産の場合は民事訴訟法第二一四条破産法第六九条第一項、第二四〇条第二項、第二四六条により訴訟手続の中断承継ができるが、本件のごとく訴の提起前にすでに当事者が破産している場合の当事者の読更については特に明文の規定がない。ところで、本件においては、相手方の表示の単なる誤りとみることはできないから、いわゆる訂正という手続では右財産管産人への訂正は許されない。しかして、破産者に対する破産債権の追求は、すべて破産法にもとづく債権確定手続によるべく、まず同法第二二八条以下の債権届出手続をなし、そこで異議を述べられた債権については同法第二四四条以下により破産裁判所に当該異議者を相手方として債権確定の訴を起してその確定をなすべきものと規定されている。しかるに、本件においては、右債権届出手続を履践したことを認めることもできないし、また、破産管財人において右手続違背を理由に訴却下の申立をなし右当事者読更に対する異議を述べているものと解することができる。ところで、訴の変更の一形態として、変更の前後を通じて訴訟手続が同種であり、新旧両訴の間に主観的併合の要件が具備され、かつ新旧当事者および相手方の間において変更に異議がない場合には、濫訴の防止等ある制限のもとに、いわゆる任意的当事者変更を許し得ると解するけれども、本件の場合は、前述のとおり破産法上の債権届出手続を欠きかつ変更後の新当事者たるべき破産管財人において異議を述べているのであるから、原告等の右破産管財人への被告訂正(変更)申立は許すことができず、また、被告朱南弼に対する訴は、前述よりして手続に違背すること明白であるから、これを却下する、として原告等の被告訂正(変更)申立を却下し、また、原告等の本件訴を却下した。(渡瀬勲)

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