大阪地方裁判所 昭和40年(む)241号 判決 1965年6月26日
被疑者 不詳
決 定
(被疑者氏名不詳)
右の者に対する公職選挙法違反被疑事件について昭和四〇年六月二三日大阪地方裁判所裁判官がなした勾留の決定に対し、弁護人高村文敏同三好泰祐から準抗告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。
主文
本件準抗告の申立を棄却する。
理由
本件準抗告の趣旨および理由は弁護人作成の「準抗告の申立」記載のとおりであるからこれを引用する。
一件記録に徴すると、被疑者は現行犯で逮捕されたもので関係人の供述調書等により被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、被疑者は捜査官ならびに勾留裁判官に対し終始自らその住居、氏名、職業、年令等の一切を明らかにしていないのである。而して現段階においては一件記録によるも被疑者の氏名、住居等は全く不明というほかない。かかる場合被疑者に逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるというべきであり他にこれに反する資料はないから右理由により被疑者を勾留した原決定は相当である。
よつて本件準抗告は理由がないから刑事訴訟法第四三二条、第四二六条第一項により主文のとおり決定する。
(裁判官 今中五逸 池田良兼 野間洋之助)