大判例

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大阪地方裁判所 昭和40年(わ)171号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕なお、判示第三の脅迫は、窃盗犯人である被告人が逮捕を免れるためになした行為であるけれども、右脅迫が逮捕力を抑圧すべき程度に達しているかどうかは、これを抽象的に決すべきではなく、逮捕を免れようとしたときの具体的情況に徴してこれを決すべきところ、上記各証拠によれば、被告人は稲垣富子から直接逮捕されるとは思つておらず、同女から近所の人に知らされ、近所の人によつて逮捕されることを免れようと考えたのであつて、同女も自ら手を下して被告人を逮捕しようとは考えていなかつたこと、犯行時刻は午後四時頃であること、脅迫行為は判示の如く稲垣富子に向つて無言のままバーベキユー用金串を突出したことであつて、同女は被告人が覆面していることでもあるし、これを見て勿論畏怖したが、直ぐにその用器が刃物でなくドライバー様のものであることを看破し、熱湯入りやかんを被告人に向つて投げつけたうえ、外へ出て「泥棒や来て頂戴」と叫んだこと、右やかんは直接には被告人に当らなかつたが、その湯の一部がその顔にかかつたため、被告人は驚いて直に逃走し、附近の家に逃げこんだところを現行犯人として逮捕されたことを認めることができ、これらの諸事実に徴すれば、被告人の判示脅迫行為が、逮捕力を抑圧するに足りる程度に達していたと断定することは困難である。(石松竹雄)

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