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大阪地方裁判所 昭和40年(ワ)2235号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、被告の責任原因

被告が被告車の所有者である以上、一般的・抽象的に被告車の運行支配と運行利益は被告に帰属すると解すべきであるから、被告において特別の事情の存在を主張立証しない本件においては、被告は被告車の運行供用者たる地位にあつたと認めるべきであり、かつ訴外阿見に運転上の過失がなかつたとは認められない以上、被告は自賠法三条本文により、原告らの後記損害を賠償しなければならない。

二、原告らの損害

(1) 原告照雄、同和雄の受傷部位、程度

原告ら主張のとおり。なお、照雄は昭和四〇年三月末まで、(和雄は同年五月まで通院)加療した。<証拠>

(2) 数額

(イ) 原告照雄

AないしCは主張どおり<証拠>

D妻栄の葬儀費用

<証拠>

E精神的損害 七〇〇、〇〇〇円

(内訳)

自己受傷 二〇〇、〇〇〇円

妻死亡 五〇〇、〇〇〇円(諸般の事情を参酌)

(ロ) 原告久

母栄死亡による精神的損害一、〇〇〇、〇〇〇円(諸般の事情を参酌)

(ハ) 原告和雄 計五六〇、四八〇円

A小西外科入院治療費等 九五、四九〇円

<証拠>

B北野病院治療費等 一三一、六五〇円

<証拠>

C小西外科入院中付添看護料 二五、六一〇円

<証拠>

D右入院中雑費 二、六八〇円

<証拠>

E脳波検査料 二、三五〇円

<証拠>

Fめがね代 二、七〇〇円

<証拠>

G自己受傷による精神的損害 三〇〇、〇〇〇円

(諸般の事情を参酌)

(ニ) 原告梅治郎、同幸子(編注、亡栄の父母)

子栄死亡による精神的損害 各四〇〇、〇〇〇円(諸般の事情を参酌)

三、被害者側の過失(原告和雄以外の原告四名につき一〇%過失相殺)

<証拠>によるとつぎの事実が認められ、反対の証拠は信用しない。

(1) 本件交差点は、幅約二二メートルの南北道路と幅員約七・六メートルの東西道路が交差する場所で、南から東西道路の見通しは左右約五〇メートル、東から南北道路の見通しは左方約五〇メートル、右方は土手のため見通し困難であり、自動車の最高速度は四〇キロメートル毎時と指定されていた。

(2) 訴外阿見は時速約八〇キロメートルで右交差点に向け南北道路左端を北進中、交差点手前約二〇メートルの地点にさしかかつたとき、東から西に向け交差点に進入しようとしていた原告車を右斜め前方約二四メートルに発見したが、急いでいたので先に通過しようと考えてそのままの速度で進行を続けたところ、原告車も交差点を通過すべく進行してきたので、危険を感じ急ブレーキをかけハンドルを左に切つて避けんとしたがおよばず、交差点中心から西寄りの地点において自車前部を原告車左側面に激突させた。

(3) 原告照雄は時速約四〇キロメートルで右交差点に進入したが、見通しの悪い右方に気をとられ過ぎていたため、左方から北進してきた被告車に気づかないまま衝突された。

以上認定の事実により判断すると、本件交差点に先入したのは原告車であるから、たとえ被告車の進路のほうが明らかに広い道路であつても、被告車は原告車に進路を譲るべきであるのに、訴外阿見はあえて高速のまま原告車より先に通過しようとしたのであるから、同人にはこの点に運転上の過失があつたというべく、他方原告照雄にも徐行を怠り左方に対する注視を欠いた点に運転上の過失があつたといわなければならない。

両者の過失の割合は、訴外阿見の九に対し原告照雄の一と認めるのが相当であるから、照雄自身の損害についてはもとより、特別の事情の認められない本件においては、亡栄の死亡を原因とする損害についても、夫照雄の過失を妻栄側の過失とみて過失相殺するのが、夫婦の緊密な身分関係、経済的一体性等から考えて妥当である。しかし、原告和雄は照雄の実弟で戸籍上は叔父になつているのであるから(原告和雄本人尋問の結果)、他に特別の事情の認められない本件においては、同原告自身の損害についてまで過失相殺をするのは相当でない。

四、原告五名の賠償請求権

(1)原告照雄 八九八、〇五六円

(以下切捨)

(2)原告久 九〇〇、〇〇〇円

(3)原告和雄 五六〇、四八〇円

(4)原告梅治郎、同幸子 各三六〇、〇〇〇円

(5)遅延損害金

昭和四〇年六月三日から各支払いずみまで年五分の割合。(谷水央)

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