大阪地方裁判所 昭和40年(ワ)3803号 判決 1970年1月24日
主文
被告は原告に対し金一七〇万円および昭和三二年六月二日以降支払済まで日歩金八銭二厘の割合による金員を支払え。
訴訟費用は被告の負担とする。
この判決は原告において金六〇万円の担保を供するときは、仮りに執行できる。
事実
原告訴訟代理人は主文一、二項同旨の判決ならびに仮執行の宣言を求め、その請求の原因として、
「一、原告は金融、倉庫業を営む者であり、被告は中小企業等協同組合法による協同信用組合である。
二、原告は被告に対し昭和三二年四月五日までに金七〇万円および金一〇〇万円合計金一七〇万円を、弁済期同年六月一日、弁済期までの利息日歩四銭一厘、弁済期の翌日以降は日歩八銭二厘の割合による遅延損害金を支払う旨の約定で貸附けた。
三、ところが被告は右弁済をしないから、右貸付元金と遅延後の約定遅延損害金の支払を求める。」
と述べた。
立証(省略)
被告控訴代理人は「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求め、答弁として、「一、原告の請求原因一項の事実のうち、被告が中小企業等協同組合法にもとづき設立せられた信用協同組合であることは認めるが原告の営業は不知、その余の原告の主張事実は否認する。
二、被告は中小企業等協同組合法九条の八に規定する事業をなすことを目的として設立登記せられたものであり、組合員に対する資金の貸付、組合員のためにする手形の割引に対する資金源は、組合員の出資金、預金、定期積金、全国信用協同組合連合会商工組合金庫よりの再割引資金であつて、原告のような営利法人より借金することは法律上も認められていない。
三、もつとも原告提出の公正証書(甲三号証)には主債務者被告として原告より借金したかのように記載されているが、これは訴外北山末吉がたまたま被告の代表理事をしていたところから、被告の名義を不法に利用したものにすぎず、被告は右公正証書につき請求異議の訴訟を提起し、勝訴の判決が確定しているから、本件訴訟は訴訟の乱用というべきである。」
と述べた。
立証(省略)