大阪地方裁判所 昭和41年(ワ)2640号 判決
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〔判決理由〕以上の事実によると、特段の事情のない限り、原告、被告らおよび南野孝雄は南野種太郎の共同相続人(その相続分は原告が三分の一、その余の者らは各六分の一)として本件土地の権利を共同承継し、本件土地は右共同相続人の共有に帰したものというべきであるから、原告はこれを単独所有名義に登記をした南野孝雄の生前、同人に対して「本件登記につき、取得者を原告持分三分の一、被告らおよび南野孝雄持分各六分の一とする更正登記手続をせよ。」という趣旨の更正登記手続請求権を有していたものというべきである。けだし、右請求権は原告がその共有権に対する妨害排除として登記を実体関係に一致させるために南野孝雄に対し認められるものであるから(昭和三八・二・二二最判、民集一七巻一号二三五頁)、原告は単独で右請求訴訟を提起しうる(固有必要的共同訴訟ではない)と共に、それが更正登記であることの性質上、原告は自己の持分を三分の一と更正すると同時にこれと不可分的に他の共同相続人の持分を各六分の一と更正(南野孝雄については実質上は同人の持分を残して抹消)することまでも請求できるものといわねばならない。してみれば、原告の右請求権に対応する義務を負つていた南野孝雄の死亡に因り、前記のとおり同人を相続した被告らは不可分的これを承継したものというべきである。
よつて原告は被告ら各自に対し右趣旨の更正登記手続請求権を有するものというべく、原告の被告らに対する本件請求は右部分の限度で正当であるが、その余の部分は失当である。原告は本訴において、本件登記につき原告および被告ら各人の現持分割合(被告らは右南野孝雄の相続分を同人の死亡により相続したので本件土地に対する現在の持分は各六分の一より各九分の二となつた)に一致するような内容の更正登記手続を請求しているとみられるが、南野孝雄の死亡による相続を原因とする後発的な実体関係の変動は南野種太郎の死亡により南野孝雄のなした本件登記の更正登記手続とは無関係であり、この変動の公示をも本件更正登記手続でまかなうことは更正登記の趣旨、目的を越えるものであつて性質上許されないといわなければならない。(増田幸次郎 杉本昭一 古川正孝)