大阪地方裁判所 昭和41年(ワ)5054号 判決 1969年12月06日
原告 中増義文
被告 日本電信電話公社
右代表者総裁 米沢滋
右指定代理人検事 北谷健一
<ほか三名>
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実
第一、申立
一、原告の請求の趣旨
被告は原告に対し、
(一) 別紙第一目録一の(1)ないし(4)二の(1)ないし(5)及び(7)記載の各電話の架空引込線路、屋内配線路及び電話機を、同目録二の(6)記載の架空引込線路及び屋内配線路を、それぞれ収去して、同目録記載一の宅地のうち二七坪(八九・二五平方米)及び二の宅地のうち一四三坪(四七二・七二平方米)の土地を明渡せ。
(二) 別紙第二目録記載の各金員を支払え。
訴訟費用は被告の負担とする。
との判決並びに仮執行の宣言を求める。
二、被告の申立
主文同旨の判決を求める。
第二、原告の請求原因
一、別紙第一目録記載の土地は、原告の所有であるが、昭和四一年五月三〇日、新大阪駅周辺土地区画整理事業の施行者大阪市長は、同事業の施行として仮換地(飛換地)指定処分をなし、その頃右通知書が原告に到達したので、原告は右処分に対し行政上の不服申立をなし目下係争中のものである。
二、昭和三七年二月一日別紙第一目録二の土地上に李義重が木造スレート葺平家建居宅一棟建坪一四坪(四六、二八平方米以下同じ)を不法建築して右土地を不法占拠し、同年九月一日被告が右家屋屋外に架空引込電話線路を、屋内に屋内配線路及び電話機を設備して同人のため電話通話の利用に供して以来、同目録一、二の土地上に次々と不法建築して土地の不法占拠をなし、被告から電話の架設をうける例が続出し、現在では、同目録記載の建物に、その表示の電話ないし電話線路が架設され、被告はその加入者から料金を徴収して不法な営業利益を獲得しているのであり、このように、本件土地上に居住して本件土地を不法占有する者に各別に電話設備を供することによって、被告はこれらの者と原告の土地を共同不法占有をなし、原告の土地所有権を侵害しているから被告の右所為は、共同不法行為に該当するといわなければならない。
三、本件土地は、昭和三六年三月一日以降大阪都市計画事業新大阪駅周辺土地区画整理事業施行区域に含まれているから被告の営業設備による不法占有は、旧都市計画法同法施行令土地区画整理法に違反するものである。従って施行者大阪市長より物件収去原状回復を命令されるべき筋合のものであり、また、本件土地には建築基準法が施行されているから、被告の設備は、同法にも違反し、特定行政庁たる大阪市長より原状回復土地明渡を命ぜらるべき義務をも有するのである。のみならず、被告が本件土地に電話設備を施して営業に供するには、公衆電気通信法八二条以下の規定により大阪府知事の認可をうけて、土地所有者たる原告と協議すべく、協議がととのわないときは知事の裁定を申請すべきであるに拘らず、被告は法規に反してかかる手続を経ることなくして本件土地を不法占有しているものである。
四、以上のように、被告の本件電話設備は、法令に反し、原告の土地所有権を侵害するものであるから、被告は本件電話設備を収去して、原告の土地を明渡すべき義務がある。
五、次に、原告は、被告の右不法占有により、次の金額の地代相当の損害を蒙った。
(1) 昭和三七年分=同年九月一日より一二月三一日まで李義重の電話一台により不法占有した宅地五坪(一六、五二平方米、以下電話何台分何坪と表示する)につき坪(三、三〇平方米)当り一ヶ月六二二円の割合で、一万二、四四〇円及びこれに対する同三八年一月一日以降完済まで民法所定率(以下同じ)年五分の割合による遅延損害金
(2) 同三八年分=李義重の電話一台分五坪につき坪当り一ヶ月一、〇五二円の割合で、一月分五、二六〇円、同年二月一日より一一月三〇日まで李の一台分五坪、時本治の一台分五坪計一〇坪(三三、〇五平方米)につき前同様の割合で、一〇万五、二〇〇円、一二月分は、李の二台分一〇坪、時本の一台分五坪、山川一郎の一台分一四坪、金承鑑の一台分一六坪(五二、八九平方米)、白盂九の一台分一六、五坪(五四、五四平方米)、崔将権の一台分一八坪(五九、五〇平方米)、計七九、五坪につき前同様の割合で、八万三、六三四円、以上合計一九万四、〇九四円及びこれに対する同三九年一月一日以降完済まで年五分の割合による遅延損害金
(3) 同三九年分=一月一日より五月三一日まで李の二台分一〇坪、時本の二台分一〇坪、山川の一台分一四坪、金承鑑の一台分一六坪、白盂九の一台分一六、五坪、崔将権の一台分一八坪、李亨南の一台分一四坪、計九八、五坪につき坪当り一ヶ月一、二八二円の割合で六三万一、三八五円、六月分は、右の外、和仁組の一台分七、五坪(二四、七九平方米)を加算し、計一〇六坪(三五〇、四一平方米)につき前同様の割合で、一三万五、八九二円、七月分は、六月分の上に時本の一台分五坪を加算し、計一一一坪(三六六、九四平方米)につき前同様の割合で、一四万二、三〇二円、八月一日より一二月三一日まで七月分の上に金明五の一台分五坪を加算し、計一一六坪(三八三、四七平方米)につき前同様の割合で七四万三、五六〇円、以上合計一七五万三、一三九円及びこれに対する同四〇年一月一日以降完済まで年五分の割合による遅延損害金
(4) 同四〇年分=一月一日より一〇月三一日まで李義重の二台分一〇坪、時本の三台分一五坪(四九、五八平方米)、山川一郎の一台分一四坪、金承鑑の一台分一六坪、白盂九の一台分一六、五坪、崔将権の一台分一八坪、李亨南の一台分一四坪、和仁組の一台分七、五坪、金明五の一台分五坪、呉連心の二台分三三坪(一〇九、〇九平方米)、金鳳喆の一台分九坪(二九、七五平方米)、計一五八坪(五二二、三一平方米)につき坪当り一ヶ月一、六一七円の割合で、二五五万四、八六〇円、一一月一日より一二月三一日までは右の一五八坪に沈顕の一台分五、五坪(一八、一八平方米)を加算し、計一六三、五坪(五四〇、四九平方米)につき前同様の割合で、五二万八、七五八円、合計三〇八万三、六一八円及びこれに対する同四一年一月一日以降完済まで年五分の割合による遅延損害金
(5) 同四一年分=前掲一六三、五坪に古味勝守(古味吉守名義)の一台分六、五坪(二一、四八平方米)を加算し、計一七〇坪(五六一、九八平方米)につき坪当り一ヶ月一、八一三円の割合で、合計三六九万八、五二〇円及びこれに対する同四二年一月一日以降完済まで年五分の割合による遅延損害金
(6) 同四二年分=前掲一七〇坪につき坪当り一ヶ月二、五三八円の割合で合計五一七万七、五二〇円及びこれに対する同四三年一月一日以降完済まで年五分の割合による遅延損害金
(7) 同四三年分=前掲一七〇坪につき坪当り一ヶ月三、二五三円の割合で、合計六六三万六、一二〇円及びこれに対する同四四年一月一日以降完済まで年五分の割合による遅延損害金
(8) 同四四年分=一月一日より三月三一日までは前掲一七〇坪につき一ヶ月八三万六、九二四円及び各月分ともその翌月一日以降完済まで年五分の割合による遅延損害金、四月一日以降土地明渡済みまでは前掲一七〇坪より時本の三台分一五坪を控除した一五五坪(五一二、三九平方米)につき一ヶ月七六万三、〇七八円の割合による金員及び各月分ともその翌月一日以降完済迄年五分の割合による遅延損害金
六、よって被告に対し、本件電話設備の収去土地明渡し並びに前記損害金の支払を求めるため本訴に及ぶ。
第三、請求原因に対する被告の答弁
一、請求原因一の事実は認める。施行者大阪市長の仮換地(飛換地)指定処分は、昭和四一年七月一日その効力を生じ、従前の土地は公園となるため大阪市が土地居住者との間で立退交渉を進めているものである。右仮換地指定処分により原告は、効力発生日以降従前の土地につき使用収益することができなくなったから、原告は被告に対し本件土地の明渡を求めることも、同日以後の賃料相当額の損害金の支払を求めることもできなくなった。
二、請求原因二の事実中、別紙第一目録一の(3)二の(4)及び(6)の部分(以上の電話設備は、電話加入権の譲渡により収去ずみ)を除き、その余の原告主張の者が電話を使用している点は認め、建物の構造、建築年月日、所有者などの点は不知、被告がその所有にかかる架空線路、屋内配線路及び電話機により原告の土地を占有しているとの主張は争う。
被告は、公衆電気通信法(以下単に法という)二七条以下所定の加入電話加入契約に基き前記電話設備を設置したのであるが、これにより原告の本件土地を占有することはない。原告は被告の占有部分を特定していないが、これは電話設備による占有部分の特定が不可能なためであって、このことは、電話設備による土地の占有取得がありえないことを示すものである。以下この点につき設備そのものの占有と設備による土地の占有に区別して考察する。
(1) 電話設備の所有権は被告に属するが、直接占有は、設置場所の占有者に属し、被告は代理占有を有するに過ぎない。電話設備のうち電話機については、法二八条一項所定の場所に設置しなければならないため、電話加入者又はその関係者が直接占有を取得する建前になっており、また、引込線、屋内配線路は、電話機設置場所占有者の支配領域内においてはその占有下にある。電話加入者は、電話が設置されている構内、準構内にある電話設備を善良な管理者の注意をもって、保管すべき義務を負担しているのである(電信電話営業規則二三一条一項)。すなわち、被告は、電話加入者又はその関係者が、電話設備を直接占有している範囲内では電話設備に対する所持を有しないのであって、単に返還請求権を有するに過ぎない。
(2) 次に土地の占有は、電話設置場所の直接占有者がこれを有するものであり、単に返還請求権の対象たるに過ぎない電話設備の存在によって、被告が土地の占有を取得することはありえない。けだし土地の占有は、特定人が特定の土地を事実上支配している状態を意味するから個々の動産が存在しても土地を占有するわけがないのである。
以上のように、被告は本件土地に対する占有を取得していないので、原告の被告に対する土地明渡請求は失当であるが、このことによって原告の所有権に基く土地引渡請求権の行使に不都合を生ずることはない。すなわち、原告は、電話設置場所の占有者に対する土地明渡しの債務名義に基く強制執行に際し、電話設備を撤去することができるのである(民訴七三一条三項)。それ故原告が、将来設置場所の占有者から占有を回復した際に、電話設備が残置されることによって、原告の占有に対する占有妨害が残ることを恐れて事前にその撤去を求める必要はないのである。
三、請求原因三の事実中本件土地が新大阪駅周辺土地区画整理事業施行区域に含まれていることは認めるが、その余の事実は争う。
原告は、電話機とそれに附属する引込線、屋内配線路を建築基準法所定の建築物であるとし、また、その設置については、法八二条以下の規定により知事の認可を要し、かつ使用の対価を支払うべきものと解しているようである。
しかし、電話は、建築物ではなくその附属物でもない。引込線、屋内配線路は、電話機の附属物であって建物の附属物ではなく、また電話機は、電話加入権の内容であって建築物でも附属物でもない。従って、建築基準法二条三号も、建築設備のうちに電話機を含めていないのである。また法八一条、九五条ないし九七条等からみれば、法八一条以下の規定は、被告が直接占有管理する電柱電線、地下ケーブル等の設備についての規定であることが明白であって、本件のような宅内設備(引込線、屋内配線路、電話機)についての規定とは解されない。
すなわち、宅内設備については、電話設置をうけた者が直接占有管理するため、被告との間では法八一条以下のような規定は不必要なので、法は宅内設備の管理についての規定をおかないのである。
四、請求原因四の主張事実は争う。
五、請求原因五、六の主張は争う。
被告は、加入電話加入契約の申込を受けた場合は、原則としてこれを承諾しなければならない法的義務を負担しているのであって(法三〇条一項)、申込を拒絶できる場合は限定されている(法三一条営業規則一八九条)。従って加入申込者が電話設置場所の占有権限を有しないからといって、申込を拒絶することはできない。このことは、加入申込に当って設置場所の占有権限の証明を要しないこと(営業規則二一〇条)、加入契約の解除原因が制限されており、設置場所の占有権原喪失によって解除することはできないこと(法四二条一項、法施行規則四条)等からも明らかである。このような立場にある被告に対し原告が電話設備の撤去を請求するのは、土地の占有者との争いを有利に導くための手段として、土地占有者の電話利用を妨害しようとするもので訴権の乱用である。次に、前記の如く被告が土地に対する占有侵奪をしていない以上、原告の損害賠償の請求も失当である。
もっとも、原告が本件土地を占有しているのであれば、被告所有の電話設備の存在は、原告の占有を妨害することになるけれども、原告が電話加入者らのために土地の占有を失っている以上、被告の原告に対する占有妨害はありえない。従って、原告が本件土地の支配利用ができないことによって損害を蒙っているとすれば、その原因は電話加入者の占有取得にあるのであって、被告の電話設備の存在と原告の損害との間に因果関係がないといわなければならない。
第四、証拠≪省略≫
理由
一、電話設備の撤去土地明渡請求並びに昭和四一年七月一日以降の損害賠償請求について
別紙第一目録記載の土地は原告の所有であるが、昭和四一年五月三〇日大阪市長は大阪都市計画新大阪駅周辺土地区画整理事業の施行として仮換地(飛換地)指定処分をなし、その頃右通知書が原告に到達したことは、当事者間に争いがなく、弁論の全趣旨によれば、右仮換地指定処分は、同年七月一日その効力を生じたことが認められる。そうすると、原告は、右処分が無効であるか、又はその取消のない限り、土地区画整理法九九条一項により、従前の宅地である本件土地の使用収益権能を喪失したものといわなければならないから、右処分の無効又は取消の主張立証のない本件では、原告の被告に対する物権的請求権たる妨害排除請求権の行使による電話設備撤去土地明渡請求並びに右処分の効力発生日たる昭和四一年七月一日以降の使用収益の妨害を原因とする損害賠償請求は、爾余の判断をなすまでもなく、失当として排斥を免れない。
二、昭和三七年九月一日より同四一年六月三〇日までの間の損害賠償請求について
前記事実によれば、原告は仮換地指定処分の効力発生日以前においては、本件土地の使用収益権能を有していたものと認められるから、原告主張のように、被告が、本件土地上の建物に、その所有にかかる電話設備を設置していたとすると、それによって恰も原告の権利行使を妨害したような外観を呈することは否定できない。
ただ、本件土地上の建物に設置された加入電話は、法二八条一項により加入電話加入者の居住の場所、事務所もしくは事業所又は加入者たる法人の役員、加入者の使用人その他加入者の行う事業に従事する者の居住の場所に設置されたものと推認できるから、建物に附属した動産である電話設備は、建物居住者又は占有者である加入者の直接占有下にあったものというべく、被告は単に電話設備を加入者に貸与して使用せしめ、いわゆる代理占有を有していたに止り、加入契約の解除等により加入契約の終了した場合に、返還請求権を行使して直接占有を回復するという法律関係にあったと認めるのを相当とする。従って仮りに原告が被告の叙上の代理占有により土地所有権に基く使用収益を違法に妨害されているのであれば、被告に対し代理占有の移転を求めうることはもとより、更に、権利侵害の事実を立証すれば、損害賠償の請求もできないものではないと一応いうことができよう。
よって前掲損害賠償の請求に関する原告の主張を順次検討することとする。
(1) まず原告は、被告が不法占拠者と土地の(共同)不法占有をすることによって、共同不法行為を構成していると主張し、被告が電話設置者との間に、代理占有を通じて、共同占有ともいうべき占有状態を形成したことは、前記のとおりであるけれども、法三〇条三一条によれば、被告は法三一条第一ないし三号該当の事由がなければ、原則として加入電話加入契約の申込を承諾する義務があり、法四二条所定の事由がなければ、契約の解除もできないのであって、右除外事由もしくは解除事由の中には、加入契約申込者が土地の不法占拠者である事実の如きは、包含されていないのであるから、被告としては、除外事由又は解除事由の存在の認められない以上、たとえ、客観的には、電話の架設が、土地不法占拠者の如き他人の不法行為に加たんするような観があっても、加入契約申込を拒絶することができず、その拒絶しないことについては、法の所期する行政目的に基く正当な理由があるというべきであって、法律上行為の違法性を阻却されるものと解するのが相当である。
そして本件では、前記除外事由もしくは解除事由の存在を立証すべき証拠はないのであるから、被告が原告主張のような電話の架設をしたとしても、その行為が違法であるということはできない。
また、民事訴訟法七三一条三項によれば、不動産引渡又は明渡しの強制執行に際しては、執行目的物以外の動産は、債務名義がなくとも、不動産引渡し又は明渡しの債務名義により執行官がこれを取り除き、債務者又はその代理人等に引渡すことができるから、原告主張のように電話加入者である建物所有者や居住者等が原告の土地に対する所有権を侵害した不法行為者であったとしても、被告の電話設備により右不法行為者に対する強制執行が妨害されもしくは原告の占有回復が阻害されるおそれはなかったといえよう。
(2) 次に、原告は、被告の電話架設は、旧都市計画法、同法施行令、土地区画整理法に違反すると主張するが、右違反の事実の有無は、行政上又は刑事上の措置の対象となるだけで、被告の原告に対する損害賠償責任発生の要件となるべき性質のものではない。したがって原告の右主張も理由がない。
(3) 原告は、更に、被告の電話は、建築基準法に違反すると主張するが、同法第二条によれば、電話設備は同法の建築物、特殊建築物でないことはもとより建築設備にも当らないから、同法の規制をうけるものとは認め難い。それ故原告の右主張は採用できない。
(4) 最後に、原告は、被告の電話設備は、法八二条以下所定の手続を経ない違法があると主張する。
しかしながら、法八一条の規定によれば、原告主張の手続は、被告が公衆電気通信業務の用に供する電話施設により他人の土地、工作物等を使用する場合の使用権の設定に関するものであることは、文言上明らかであるところ、本件のように、単に宅内電話設備につき代理占有を有するに過ぎない場合は、仮りに電話設備の代理占有が他人の土地に対する代理占有になりうるとしても、他人の土地を使用収益するものでないことはいうまでもないから、法八二条以下の手続は、本件の場合は必要がないといわなければならない。原告の右主張は、それ自体失当という外ない。尚叙上電話設備の存在自体により原告がその所有地の使用収益を現実に妨げられた具体的状況を認定すべき何等の証拠もない。
以上説示したところによれば、被告の不法行為を理由とする昭和三七年九月一日から同四一年六月三〇日までの間の損害賠償の請求も理由がないことに帰する。
三、よって原告の請求は全部棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 日野達蔵 裁判官 仲江利政 南三郎)
<以下省略>