大判例

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大阪地方裁判所 昭和42年(ワ)823号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(2)、ところで土地の賃料は賃借人からすると、その使用の対価であると共に賃貸人からするとこれに投下した資本に対する利潤の性質を持つものであるが、形成権と言われる借地法上の増額請求権の金額的範囲を定めるには第三者的立場に立つ客観的妥当額を以つてすべきものと考え、その算出方法は先ず投下資本を基とし、これに対する年六分の利潤率を乗じたものに公租公課を加えて得られた額を以つて一応の賃料額と仮定し、これに対し賃貸借における特殊事情、賃借人の土地利用方法、等を勘案した修正を加えたものを以つてすべきものと考える。

(3)、右の方法を以つて本件について考えるに、鑑定人都築保三、同小野三郎、同小森山正武の各鑑定の結果と成立に争のない甲第七号証を総合すると、本件土地の所謂更地価格として考えられるところは五〇〇万円とみるのが相当であり、これは本件土地を最大限に利用しうる空地としての売買価格であつて、本件のようにすでに地上に建物のある場合には所謂建付価格と言われるものを想定すべく、それは前記各鑑定人の鑑定にかんがみると、右更地価格の一割減とみるのが相当であり、且、本件のように賃貸借が継続している場合には更に右価格の中には賃借権の価格を含んでいるのであるから、純粋の土地価格はその六割五分とみるべきであつて、本件土地の右純価格は二九二万円とみるべきであつて、前認定のように原告が対価を支払い取得したものでない本件土地については右金額を以つて投下資本とみるべきである。そこでこれに前記利潤率を乗じると、一七万五二〇〇円となり、前記鑑定人小森山正武の鑑定の結果に徴すると本件土地に対する昭和四二年度の固定資産税額は七四九四円と認められるから、これを加算すると一八万二六九四円となる。更に本件土地の中一部が窪地となつていて利用度の少いこと、被告の賃借当時の事情、それ以前の事情等の前認定の事実を考慮に入れて右額を修正すると、右額の七割を以つて所謂適正妥当な額とみるべきであるから、これを算出すると一二万七八八五円となりこれを月額に直すと、一万〇六五七円となる。尚、管理費用を加算すべきであるとする見解は土地の賃貸借についてはその必要のないものと考える。

(喜多勝)

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