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大阪地方裁判所 昭和43年(ワ)5404号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕三、原告会社の逸失利益

(一) 営業内容

<証拠>によれば、原告会社は中古車の販売と小型車輛の解体整備ならびに修理を業とする会社であることが認められる。

(二) 収入

<証拠>によれば、原告会社は昭和四〇年七月までは原告保重の個人企業であつたところ税務対策上昭和四〇年八月より株式会社組織にしたのに過ぎないところの実質上は個人企業に近いものであること、昭和四〇年八月より同四一年七月までの原告会社の決算内容は損失金九七〇、二七一円であつたこと、そして昭和四一年八月より同四二年七月までの原告会社の決算内容は前年度よりは少々よくなつていたこと、昭和四二年七月までは原告保重、同鶴美の給料は各三〇、〇〇〇円であつたのを同年八月から原告保重の給料を八〇、〇〇〇円、同鶴美の給料を五〇、〇〇〇円としたこと、および事故後約四〇日後に原告会社が倒産したことが認められる。

そして<証拠>によれば、原告会社の自動車修理による売上げは、昭和四二年七月二一日から同年八月二〇日まで(以下八月分という)の一ケ月間は七〇五、一五〇円、同月二一日から九月二〇日まで(以下九月分という)の一ケ月間は五一四、二七〇円であつたことが認められ、<証拠>によれば、原告会社は、中古自動車を個人から買い受けることは殆んどなく、すべてトヨタカローラ浪速株式会社等の自動車販売会社が顧客から新車を売り易くするために下取りした車体検査受け前の未整備の中古自動車を買い受けてそれを整備し、同検査受け、および保険契約などの諸手続をしたうえ一般の客に売渡すものであること、そして通常、整備代、取替部品代、検査受け等の費用として車一台につき、平均三〇、〇〇〇円から五〇、〇〇〇円が必要であること、また通常荒利益は車一台につき約三〇、〇〇〇円前後であり、その中よりアフターサービス費用として車一台につき約五、〇〇〇円位を要するものであることが認められる。

<証拠>によれば、原告会社の中古車輛販売は八月分につき、売上げ一、二六〇、〇〇〇円、仕入値六一〇、〇〇〇円、整備費用一一六、五八三円、九月分につき売上げ一、一八〇、〇〇〇円、仕入値五七〇、〇〇〇円、整備費用一一四、二五五円となつているが、前記認定事実と比較して考えると整備費用額についてはにわかに措信しがたく、よつて原告会社の中古車輛販売台数は八月分、九月分共各一一台、一台あたりの利益は約三〇、〇〇〇円と認定するのが相当である。

そうなると、原告会社の売上げ収入は八月分合計一、〇三五、一五〇円、九月分合計八四四、二七〇円であつたことが認められ、<証拠>によればそれに対する原告会社の支払給料および一般事務経費は八月分一、七〇一、六六二円、九月分一、〇五〇、四九八円であることが認められるので、原告会社の純収入は零以下であることが認められる。

従つて昇給した原告らの給料を差引けば原告会社には本件事故当時収益はなかつたことになるから、原告会社には本件事故による原告主張のような損害はなかつたものである。

(本井巽 斎藤光世 中辻孝夫)

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