大阪地方裁判所 昭和43年(ワ)625号 判決
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〔判決理由〕二、帰責事由
(被告会社)
事故車が被告会社の所有名義であること、被告金子が被告会社の従業員であることは、当事者間に争いがない。
被告会社は、事故車を、本件事故日の以前である昭和四二年二月下旬被告金子に代金二四万円、同年三月から昭和四四年二月まで毎月の給料から二万三、五〇〇円宛天引の方法により支払う約にて割賦販売し、即日、その引渡を完了し、それ以後専ら被告金子において同車を使用し、唯、代金の支払いを担保する目的のために、その所有名義を被告会社にとどめていたことが、<証拠>によつて認められる。右事実に、当事者間に争いのない、被告金子において、事故車に自動車損害賠償責任保険契約を締結していたことを併せ考えると、事故車は、本件事故発生の日以前に、実質上被告金子の支配に属し、反面被告会社のこれに対する支配の実態は失われていたものと認めるのが相当である。
なお、原告は、被告会社の民法七一五条による責任を云々しているが、被告金子が、本件事故当時被告会社の義務に従事していたことを証すべき証拠はない。
されば、被告会社に対する原告の本訴請求は、その余の点について判断するまでもなく、理由がない。(中村行雄)