大阪地方裁判所 昭和43年(ワ)6740号 判決
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〔判決理由〕逸失利益
(収益)
<証拠>を綜合すれば、原告は自宅店舗で電気製品の小売販売と、屋内電気配線工事の請負業を営んでいたもので、電気製品の小売販売は主として原告の妻が、配線工事はほとんど原告一人がこれにあたり、工事の請負総代金は平均して毎月約三五〇、〇〇〇円で利益はその二割(原告は利益率が約三割であると供述するか、この部分の供述は措信できず原告その余の供述、弁論の全趣旨により二割程度と認めるを相当とする)で、従つて原告の毎月の収益は金七〇、〇〇〇円であつたものと認められる。
(休業期間、労働能力)
<証拠>によれば、原告は前記のとおり、事故当日より九月二一日まで入院を要して、全く稼働できず、退院後は、同年一一月一四日当時の医師の診断によれば、右手のしびれ、握力の低下が顕著で、従つて電気工事の仕事は未だ不適であつたが、昭和四三年二月当時の診断によれば、頭重、頭痛、めまい等の主訴はあるも握力もかなり快復した状態で、その頃から、従前より入、通院を続けていた越宗整形外科病院への通院を止めている事実が認められる。これによれば、原告は本件交通外傷により、昭和四二年一二月末頃までの八ケ月半は就労しえず休業を余儀なくされたが、昭和四三年初め頃には、症状も固定し、局所に神経症状を残す程度となつたこと、従つて、昭和四三年一月から少くとも二年間は、労働能力が一〇〇分の五程度低下し、その状態が継続したもの、とそれぞ認めるを相当とする。
以上によれば次のとおりとなる。
1 休業損害 金五九五、〇〇〇円
2 逸失利益 金八四、〇〇〇円
ところで、原告は、昭和四一年度と昭和四二年度の帳簿上の収益の差をもつて原告の逸失利益であると主張するが、仮に原告主張どおりの収益の差があつたとしても、これが原告の本件交通事故による受傷のみによつて生じたものと認めるに足る確たる証拠もなく、又右収益には原告の妻の電気製品販売による利益も含まれているであろうことは前記認定の事実から容易に推察できるところであり、且つ、原告主張の各収益には、別利益なる不正規な利益を根拠に計上しているもので、かかる点からすれば、原告の右主張は合理的根拠を欠くものと判断せざるを得ず、採用できない。次に原告は臨時雇人費用なるものを損害として主張しているが、これが原告の本件交通事故による損害と認めるに足る適切な証拠はなく(原告提出の甲第一二号証の二によれば、右雇入費用を超える収入をあげていることが記載上明らかである)、既に、前記のとおり原告の稼働能力の喪失、低下をもつて原告の損害を認定した以上、雇入費用を損害と認めることはできない。(吉崎直弥)