大判例

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大阪地方裁判所 昭和44年(ワ)2705号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕<証拠によれば>原告は右の事故によりその主張のとおりの傷害を負い、治療に努めた(入院約四〇日、通院二年以上)が必ずしも完治に至らず、その主張のとおりの後遺症状(なおこの他頭痛、頭重、耳鳴、悪心等著明、以上に照し、自賠法施行令別表第四級該当と認められる。なお被告は事故の打撃力その他の点から右後遺症との因果関係について疑問を抱くようであり、診断書中にも例えば甲第一七号証の如く因果関係を断定していないのもみられるが、これは一回の検査に基づく診断結果であるためその前の経過等不明との理由によつて断定を避けたものと認めることが相当であり、本件のように事故と比較的近接した時点での視力検査、しかもそれは大阪市職員としての採否を決するための慎重な検査において正常であつたことが認められる以上、他の原因が加わつた等本件事故との因果関係を疑わせるに足る合理的な特段の事情が認められない限り、現状を以て事故によるものと認めることが相当である。)を残しており、これらによつて蒙つた損害額は左のとおりであつたこと(以下においては被告に負担せしむべき相当性、必要性の範囲内の額に関する評価判断をも併せ加えることとする)。

(一) 得べかりし利益の喪失 六〇七、八七一円

原告はその主張のとおりの職業に就き、事故のための受傷(後遺症を含む)によりその主張のとおりの減給等を受けたが、このうち昇給延伸による将来の減収分は、定年まで救済措置がなされないままに推移することは或いは原告の主張するとおりであるかもしれないが、他面において将来に関することである(本件がなくとも別の事由で将来延伸がなされることもないとはいい切れない。)だけにこれを控え目に算出することも必要であるから、原告主張のようにこれを機械的に一律に算定することは許されないものというべく、よつてこのうち三二九、〇〇〇円(本給50万円×0.1×6.58)の範囲内において相当性の範囲内のものと認められる(なお、原告の主張する額は将来の分の中間利息相当額を全く控除しておらず、かく長期に亘るものにつきこれを控除しないのは不当である。)から、以上合計すれば、六〇七、八七一円となる。

(二) 慰藉料      三〇〇万円

以上の各事情、殊に受傷内容程度、入通院治療経過、後遺症状(前記のとおり第四級該当)その他諸般の事情に照し、原告の蒙つた精神的肉体的苦痛を癒すには、慰藉料として金三〇〇万円とすることが相当である。 (寺本嘉弘)

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