大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪地方裁判所 昭和44年(ワ)3329号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(一)治療費 九六、三八五円

上記の事情を考慮し、且この治療費(昭和四三年一二月一〇日以後のもの)のうちにはその大部分を占めるのは腰痛症に対する分であり、これについては事故との因果関係の存否につき積極、消極との対照的な両書証(甲第一三号証、乙第二号証)が存するところであるが、否定する乙第二号証は事故後半年以上経過後の一回限りの診断、治療に基づくものであつてこれを以て直ちに甲第一三号証等多数の証拠を覆すに足りず、かといつて原告の年令、事故態様等に照し、全面的に、本件事故のみによつて右の疾病が発生せしめられたものとなすこともできないので、結局本件事故との因果関係の存するのは、一定割合部分のみと認めることが相当であり、全証拠を総合すれば概ね四割程度以上と認めることが相当であるものというべきところ、これら治療については健康保険によつて大部分(約三分の二)が賄われ、本訴においてはその残額である原告の自己負担金のみが請求されているので、健康保険法の精神(同法第四三条、第六〇乃至第六二条等参照)に照し、対被告関係に関する限り健康保険給付は原告の自己負担と同視してよいものであるから、以上の理由によれば本件治療費は全額認容して差支えないこととなる。(寺本嘉弘)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!