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大阪地方裁判所 昭和44年(ワ)4544号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕三、(損害) <証拠>を総合すると、原告は事故当時三八才で、大物鋳物師として勤務していたが、右傷害のため、事故当日より昭和四三年一一月三日まで一九三日間牧野病院に入院して治療を受け、その後同年同月四日より同四三年四月一一日まで大阪赤十字病院に通院して(入院の必要性はあつたが病室の空室がなかつたため)治療を受け、翌一二日同病院に入院し、骨折合術、骨移植術等の手術を受け、引き続き同年九月一六日まで入院して治療を受け、同日同病院を退院し、その後、同病院に通院して治療を受け昭和四五年一月二四日ごろ症状はほぼ固定したが、後遺症として、左下肢に脚長差5.5糎の短少(下肢長さ、右八九糎、左83.5糎)および筋萎縮(大腿周囲径右46.5糎、左42.5糎、下腿周囲径右32.5、左29.5糎)ないし左膝関節運動制限(運動範囲一八〇度〜六〇度)が後遺し、さらに頭痛発作を伴なう外傷性てんかん、左耳難聴、記憶力減退等の頭部外償後遺症および顔面(口唇上下、下顎部、右眉、眉間)合計五糎の線状瘢痕を残しており、昭和四五年一二月現在右神経症状の治療のため二週間に一回程度前記日赤病院に通院していることが認められる。

右認定事実に労働省基準局長通達(昭和三二年七月二日労基発第五五一号)を参酌して考えると、原告の受傷による労働能力の一部喪失率は労基法施行規則別表第二身体傷害等級表に定める六級に該当するが、その程度は、職種経験年数等を考慮し、六〇パーセントと認めるのが相当である。

よつて以下に損害額について検討する。

(一)、療養関係費 613.238円

1 治療費 496.758円

(1) 日赤病院の分 七八二八円

(2)牧野病院の分 488.930円

<証拠>

2 通院交通費 11.180円

<証拠略>

3 雑費 一〇五、三〇〇円

<証拠略>

(二) 逸失利益 九、三七二、〇〇〇円

1 職業 鋳物工

2 収入 月平均九三、六八〇円

<証拠略>

3 休業損害一、九六七、〇〇〇円

原告は前記傷害のため、前記のとおりの期間治療を受けたことは、前示認定のとおりであり、右事実および原告本人尋問の結果を総合すると原告は、事故後昭和四五年一月二四日まで前記傷害のため全く就労することができなかつたものと認められる。したがつて、その間に喪失した得べかりし利益の額は一、九六七、〇〇〇円(一、〇〇〇円以下切捨て)となる。

(九三、六八〇×二一=一、九六七、二八〇円)

4 後遺症による逸失利益七、四〇五、〇〇〇円

原告本人尋問の結果に弁論の全趣旨を総合すると原告は昭和五年三月二〇日生で本件事故当時満三八才の普通健康体の男子であつたことが認められ、原告が本件事故に遭遇しなければ、五五才まで稼働することができ、(ただし前記休業期間を控除した残余の稼働期間は一五年となる。)その間前示認定の額を下らない収入をあげ得たものと推認され原告が本件受傷のため、その労働能力を六〇パーセント喪失したことは前に認定したとおりである。

そこで右労働能力喪失による逸失利益の昭和四五年一〇月一六日(本訴請求における遅延損害金の起算日)における現価を計算すると七、四〇五、〇〇〇円(一、〇〇〇円以下切捨て)となる。

(93,680×12×0.6×10.98=7,405,966円)

(三) 慰藉料 二、六〇〇、〇〇〇円

前示認定の原告の受傷の部位、程度、治療の経過および後遺症の程度等の諸般の事情を考慮すれば、原告の本件事故による慰藉料は二、六〇〇、〇〇〇円をもつて相当と認める。

(本井巽 笠井昇 中辻孝夫)

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