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大阪地方裁判所 昭和45年(ワ)2812号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、事故

請求原因第二一の事実は当事者間に争いがない。

二、責任原因

(一) 被告北島

<証拠>によれば、本件事故現場は南から北に通ずる車道の幅一四メートルの道路で、西側にふくれるようにカーブしており、西端および東端にはそれぞれ幅四メートルの歩道があり、車道には中心線が設けられていて北行、南行ともに二車線づつの通行帯が、設けられていたこと、被告北島は、加害車を運転して時速約六〇キロメートルで南から北に向つて西端の車線を進行中、前夜からの疲労のために眠気を覚えたのに、そのまま運転を続けたところ、一瞬居眠りをして前方を注視しなかつたため、気づいたときには左前方約一八、七メートルのところの西側の歩道上に存する街灯柱が目前に迫つてくるのを認め、狼狽してブレーキをかけずにハンドルを左に切つたため加害車を街灯柱に衝突させたことが認められ、右認定に反する証拠はない。以上の事実によれば、被告北島は、眠気を覚えた際には一旦停止して完全に眠気をさましたうえで運転を続けるべき注意義務があるのにこれを怠り、かつハンドル、ブレーキの操作をも誤つた過失によつて本件事故を発生させたものと認められるから、被告北島は、不法行為者として原告に対し、本件事故による損害を賠償すべき義務がある。

(二) 被告会社

被告会社は、自動車の賃貸を業とするもので、被告北島に被告会社所有の加害車を賃貸していたことは当事者間に争いがないから、被告会社は、自己のため加害車を運行の用に供していたものというきである。

<証拠>を綜合すると、原告は、友人の被告北島および富岡義次とともに、自動車を賃借して名古屋にいる原告の姉のところに遊びに行くことを計画し、昭和四四年一月二日午後八時ごろ、京都市内の被告会社営業所に三名一諸に赴き、自動車の賃料六、〇〇〇円は各自平等に出し合つて借り受けを申込んだが、運転免許を有するのは被告北島だけであつたので、被告北島が免許証を提示したうえ申込書に自己の氏名を記入して借受の手続をなし、期間は同日午後八時から同月三日午後八時まで二四時間との約定で加害車を借り受けたことその後富岡義次の弟二名も同行することになつて、加害車の助手席に原告が、後部座席に富岡義次とその弟二名が同乗して同日午前〇時ごろ、被告北島が運転して大阪を出発し、名古屋に向う途中に本件事故が発生したことが認められ、右認定に反する証拠はない。以上の事実によれば、原告は、被告北島および富岡義次と共同して加害車の運行を支配し、運行利益を得ていたものであつて、加害車の運行供用者としての地位を有するものと認められるから、自賠法第三条の「他人」には当らず、自賠法第三条にもとづいて被告会社に対して本件事故による損害を賠償することはできないものというべきである。

(山本矩夫)

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