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大阪地方裁判所 昭和45年(ワ)5104号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、事故

請求原因第二一(一)ないし(四)の事実は当事者間に争いがなく<証拠>によれば、被害車が西から東に向つて進行中、加害車が東から北に向つて右折して中心線をこえたため、被害車が加害車と接触し、その衝撃で更に対向車と衝突したことが認められる。

二、責任原因

(一) 運行用者責任

請求原因第二二(一)の事実は当事者間に争いがないから、被告は、加害車の運行供用者として原告らに対し、本件事故によつて原告らが傷害を受けたことによる損害を賠償するべき義務がある。

(二) 一般不法行為責任

<証拠>を綜合すると、本件事故現場は東西に通ずる幅約一〇メートルの歩道と車道の区別のない道路上で右道路には中心線があり、西行、東行車線ともそれぞれ約五メートル幅となつていたこと、被告は、加害車を運転して東から西に向つて時速約五〇キロメートルで進行し、事故現場の北側にある空地に駐車しようと考えて中心線上を進行中、約一〇〇メートル前方の対向車線上に被害車が西から東に向つて進行してくるのを認め、右折の方向指示をするとともに時速約二〇キロメートルに減速して更に約三五、二メートル進行してから被害車より先に右折を完了しうるものと判断して右折を始め、中心線をこえて対向車線上を北西方向に進行中、対向車線の中央附近で加害車の左側車体を被害車の左側車体に接触させるに至つたこと、原告長谷川は、助手席に原告株本を同乗させて被害車を運転し、西から東に向つて中心線より北側部分を時速五〇ないし六〇キロメートルで進行中、七〇ないし八〇メートル前方に加害車が中心線上を対向してくるのを認めたが、先行車を追い越して直進を続けるものと判断してそのまま進行を続けたところ、約一一、八メートル前方で加害車が北に向つて右折を始めたのを発見し、急ブレーキをかけると同時にハンドルを右に切つて避けようとしたが及ばず、被害車の左側車体を加害車の左側車体にこすりつけるように接触しその衝撃で南東方向に約七、九メートル進行して中心線の南側の対向車線内に進入し、折から川田重文が助手席に小田光登を同乗させて運転し、東から西に向つて時速約六〇キロメートルで進行していた普通貨物自動車の右前部に被害車の前部を衝突させたことが認められ、原告谷川および被告各本人尋問の結果中右認定に反する部分はたやすく措信し難く、他に右認定を左右しうべく証拠はない。以上の事実によれば、被告は、加害車を運転中、右折して対向車線を横断するに際し、道路中心線附近で最徐行又は一時停止して対向の直進車の進行を妨げないようにするべき注意義務を怠つた過失によつて本件事故を発生させたものと認められるから、被告は、不法行為者として、原告谷川に対し原告谷川が本件事故によつて物損を受けたことによる損害を賠償するべき義務がある。

三、損害<中略>

(8) 過失相殺

前記二(二)の事実によれば、本件事故発生については、原告谷川にも被害車を運転中前方に加害車が中心線上を対向してくるのを認めた際に、その動静を十分注視し、安全に離合しうるよう減速徐行するべき注意義務を怠り右折の指示を見落し、減速しないで進行を続けた過失が存したものと認められ、原告谷川の損害額算定についてしんしやくするべき原告谷川と被告との過失割合は二対八とするのが相当であると認められる。<中略>

(4) 過失相殺

原告株本は被告車に同乗していたにすぎないから、損害額算定について原告谷川の過失をしんしやくすべきものではない。 (山本矩夫)

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