大判例

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大阪地方裁判所 昭和45年(ワ)5314号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕三、被告寿崎は、植田化工紙工業(代表者被告植田)の工員(艶出加工)であるが、本件事故当日は日曜で休日であつたので会社の寮(二階が従業員の寮で、一階は工場・事務所・食堂となつている)の食堂で午前一一時頃から午後四時頃まで同僚である出口安弘外小出、奥、森等と共にビール二〇乃至三〇本を飲み、自室に戻つたところ午後七時頃友人の城戸好光が同棲中の花岡真澄を伴つて遊びに来たので、自室で右両名及び三雲哲夫、出口安弘らと共にビール二・三本程を飲んでテレビを見ながら午後一〇時過ぎ頃まで過したところ、城戸が翌日は休みだから泊ると言つたところ、真澄が勤めがあるので帰ると言い出したので、城戸もこれに同調し、それなら一緒に帰ると帰宅することとなつたので、出口安弘が車で送つてやると申出たが前記小出・森・奥らが飲んでいるからやめておけとたしなめたため同人はこれに従い断念したが、被告寿崎は自分が送つてやると申出て、自ら一階事務所社長机の引出し(鍵はこわれたままである)から本件事故車のキーを寮にいた工場長に無断で持出し、その場に居合せた者が前同様に止めておけと忠告したのを無視して真澄は助手席に、城戸、三雲は荷台にそれぞれ乗車して大阪市生野区巽大地町一一九の二、の寮から同市西成区岸之里の城戸の叔父方に向う途中被告寿崎の先行車を追越すに際し前方の安全を確認しないまま中心線を越えて、制限速度時速四〇キロをこえる時速五〇乃至六〇キロで進行した過失により折から対向して来た訴外河江省三運転の普通貨物自動車を直前に至るまで気付かず急制動、転把の措置も取り得ないまま右同車右前部に自車前部を衝突させた。<証拠略>

してみると、被告寿崎と被害者真澄らとの関係、同女らが同乗するに至つた経緯、運転の日時、その目的に照せば、亡真澄の事故車への同乗は被告寿崎との私的関係に基くものであり、同女は事故車の運行が被告会社の業務と全く関係のないことを知つていたものと推認されるから、事故車が被告植田の所有に属するものであり、又訴外株式会社植田化工紙工業所は被告植田の個人企業であり、従つて、被告寿崎が被告植田の従業員と同視されるものであるとしても、同女及びその相続人である原告ら(訴状添付の戸籍謄本により認められる)は被告植田を運行供用者として、又被告寿崎の使用者としてその責任を問うことは出来ないと言うべきである。

結局原告らの被告植田に対する請求は理由がない。

四、被告寿崎は不法行為者として原告らに対し賠償責任を免れないが、亡真澄が同乗するに至つた経緯に照せば、同女は被告寿崎が飲酒運転する自動車に同乗することが自己の身体生命にとつて危険であることを充分認識しながら、あえて同乗したもので、同女に過失があつたものと言わざるを得ずこの過失は被告寿崎の賠償額を算定するに当り、その額を四〇%に減額せしめる程度のものとして斟酌すべきである。 (菅納一郎)

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