大阪地方裁判所 昭和45年(ワ)5852号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕ところで前記事実に照せば被害車にも前方注視不十分との過失の存することは明らかであるから、これら事情を斟酌して双方の負担割合を定めれば原告側一対被告側三とすることが相当であつて、これを斟酌して被告らに負担せしむべき額を算定すべきものであるが、本件にあつては前記のとおり労災保険金が支払われており、これはその性質上原告大堀の過失部分については当然奪うことを許されない同人の権利に属するもの(従つてこの部分については労災保険側の負担に帰し、被告側に対し求償することも許されない。)を含んでいるというべきである(労災保険法第一九条、第二〇条参照)から、これを全額、過失相殺した残余額から控除することは許されないこととなり、計算の便宜のため(総論において同一に帰する)、これらは過失相殺の対象から除外して計算することが実質的な公平上相当であるので、これらを斟酌して被告らに賠償せしむべき額を定めれば(端数は適宜調整)、
原告大堀 一、三八五、八九〇円
原告会社 三三四、一一〇円+労災分二二四、〇一〇円
とすることが相当である。
そして自賠責保険金、原告主張の額の労災保険金がそれぞれ支払われていることは原告らの自陳するところ(前掲各証拠及び成立につき争いのない乙第一号証の一、二、証人小林久男の証言により認められる)であるが、被告らの主張する労災保険金による治療費については本訴請求外であることが明らかであるからこれを控除することは相当でなく(なお原告側の過失部分については前記参照)、よつて原告ら自陳分のみを控除すると、残額は
原告大堀 一一〇万円
原告会社 一二万円となる。 (寺本嘉弘)