大判例

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大阪地方裁判所 昭和46年(ワ)504号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、原告両名が被告の妹であること、および原告両名が(買主が原告両名のみであるか、あるいは被告を加えた兄妹三名であるかの点はともかくとして)昭和三六年五月一一日河野達四郎からその所有の本件土地、建物を、代金八五万円で買受けたことは、当事者間に争いがない。

<証拠>を総合すれば、本件土地、建物は、もともと原告両名、被告ら兄妹三名の先々代の所有であつたのが、その後河野達四郎の手に渡り、右兄妹三名がその母栗原たき(生子)とともに、右河野より賃借して被告を世帯主としてこれに同居していたものであつたところ、昭和三五年一一月ごろから右家族が相談のうえこれを栗原家のために買戻すこととなり、主として原告雨森重、被告およびその親代りとして面倒を見てもらつていた中村廣三が河野と交渉した結果、右兄妹三名がその共有財産としてこれを買受けたものであること、そして、買受代金八五万円は兄妹三名の合意で右中村から河野へ立替えて支払つてもらい(なお、その後原告両名は中村に対し内金四五万円を返済し、被告はその支払をしていない)、昭和三六年五月一六日兄妹三名合意のうえ本件土地、建物につき、原告両名および被告の持分各三分の一の所有権移転登記を経由したこと、その後、原告両名およびたきは相次いで本件建物から他へ転居し、現に被告がその養子とともにこれに居住し、本件土地、建物に対する公租公課、管理、維持費用は被告が負担していることが認められる。

右事実によれば、本件土地、建物は、原告両名と被告の三名が買受けたものであつて、右三名の持分各三分の一の共有であると認めるのが相当である。

被告が買受代金の出捐をしていないことは右認定のさまたげとはならず、また、証人栗原未子の証言、被告本人の供述だけでは、被告主張のように、税務対策上被告を単なる登記簿上の共有名義人にしたものにすぎないとは認められない。

二、<証拠>によれば、原告両名は昭和四四年一一月ごろ以降被告に対し本件土地、建物を分割すべく申入れたが、被告はこれに応ぜず、当事者間に分割の協議が調わないことが認められるから、原告両名は、裁判上共有物たる本件土地、建物の分割を請求することができるわけである。

三、そこで分割の方法について考えるに、まず、本件建物は、これを三分割してそれぞれ区分所有権の対象となり得る構造を有するものでないことは、当事者間に争いがないから、これを現物分割することは法律上不能である。

次に、本件土地は、法律上これを分割することは不能ではないが、<証拠>によれば、本件土地は変形したほぼ三角形状をなし、その最も狭い間口のみが公道に面し、しかも、その地上には本件建物とその倒壊を防ぐための支えがあり、かりに本件土地を三分割するとすれば、そのいずれの部分も、それぞれ狭少かつ奇形のものとなるのみならず、本件建物または右支えのいずれかの一部がこれにかかる状態となることが認められるのであつて、本件土地は、これを分割することにより著しく価格を損するおそれがあり、したがつてこれが現物分割は不相当であるというべきである。

よつて、現物分割に代る方法として、本件土地、建物を競売に付し、その売得金を原告両名および被告に各三分の一宛分配することを命ずるのが相当である。<後略> (松田道雄)

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