大阪地方裁判所 昭和49年(わ)860号 判決 1974年12月20日
本店所在地
大阪市西成区天下茶屋北一丁目七番二号
商号
株式会社吉村家具店
代表者
吉村泰次
右の者に対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官大谷晴次出席のうえ審理を遂げ、、次のとおり判決する。
主文
被告人株式会社吉村家具店を罰金一、四〇〇万円に処する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人株式会社吉村家具店は、大阪市西成区天下茶屋北一丁目七番二号に本店をおき、八尾市高砂町五丁目二七番地に営業所を設けて、和洋家具の販売等の事業を営んでいるもの、吉村孝雄は、同会社の代表取締役としてその業務全般を統轄していたものであるが、同人は、被告人株式会社吉村家具店の右業務に関し、法人税を免れようと企て、
第一、被告人株式会社吉村家具店の昭和四五年三月一日から昭和四六年二月二八日までの事業年度において、その所得金額が七五、三一一、一四〇円で、これに対する法人税額が二七、〇三四、〇〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上売上・期末たな卸の一部を除外しこれによつて得た資金を仮名の定期預金に預け入れるなどの行為により、右所得金額のうち五〇、八二四、三六一円を秘匿したうえ、昭和四六年四月三〇日、大阪市西成区所在西成税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が二四、四八六、七七九円で、これに対する法人税額が八、三七〇、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により法人税一八、六六三、七〇〇円を免れ、
第二、被告人株式会社吉村家具店の昭和四六年三月一日から昭和四七年二月二九日までの事業年度において、その所得金額が七〇、〇四〇、六三二円で、これに対する法人税額が二五、〇九七、五〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により、右所得金額のうち四一、六七二、五〇二円を秘匿したうえ、昭和四七年四月二五日、前記西成税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が二八、三六八、一三〇円で、これに対する法人税額が九、七九三、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により法人税一五、三〇三、八〇〇円を免れ、
第三、被告人株式会社吉村家具店の昭和四七年三月一日から昭和四八年二月二八日までの事業年度において、その所得金額が一四六、七四四、八二九円で、これに対する法人税額が五三、二八二、三〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により、右所得金額のうち九五、五〇四、四六〇円を秘匿したうえ、昭和四八年四月一九日、前記西成税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が五一、二四〇、三六九円で、これに対する法人税額が一八、一九一、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により法人税三五、〇九一、一〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
判示全事実につき
一、吉村孝雄の検察官ならびに収税官吏(一四通)に対する各供述調書(但し、同人の収税官吏に対する昭和四八年九月七日付-検察官請求証拠目録請求番号80の分-供述調書中問二及びその答ならびに同人の収税官吏に対する同年同月一一日付供述調書中問及びその答の各部分を除く)
一、植田陽子、内田康男の検察官ならびに収税官吏に対する各供述調書
一、収税官吏中沢光雄、同小山和男各作成の各現金等検査てん末書
一、坂野和夫、村野兼雄、桐山俊雄(昭和四八年七月二〇日付)各作成の各確認書
一、株式会社協和銀行銀座支店作成の照会回答書
一、高橋繁夫(二通)、福手幸雄(昭和四八年八月二七日付)、富永雅夫、引地克己、生篤男各作成の各確認書
一、 生篤男の検察官ならびに収税官吏に対する各供述調書
一、吉村忠次の収税官吏に対する供述調書
一、収税官吏中沢光雄外二名、同人外三名、同人外一名各作成の査察官調査書類
一、収税官吏小谷道雄外一名、同吉田光宏(昭和四八年一〇月二日付、同年一一月二七日付)各作成の各査察官調査書類
一、吉村孝雄作成の昭和四八年九月六日付、同年七月六日付確認書
判示第一の事実につき
一、桐山俊雄作成の昭和四八年七月一二日付確認書
一、福手幸雄作成の同年八月二二日付確認書
一、宇都宮達夫作成の確認書
一、収税官吏小谷道雄作成の査察官調査書類
一、吉村孝雄作成の昭和四八年八月六日付確認書
一、西成税務署長作成の証明書(但し昭和四六年四月三〇日に申告した法人税申告書に関する分)
一、押収にかかる昭和四五年度元帳二冊(当裁判所昭和四九年押第四五二号符号一の一、二)
判示第一、第二の各事実につき
一、芝田義人作成の確認書
一、吉村泰次の検察官ならびに収税官吏(二通)に対する各供述調書
一、収税官吏吉田光宏作成の昭和四八年七月二日付(二通)同月二七日付、同年八月二一日付査察官調査書類
一、収税官吏吉田光宏外一名作成の同年七月二日付(二通)査察官調査書類
一、吉村孝雄作成の昭和四八年九月一〇日付確認書
判示第二の事実につき
一、上野幸義作成の昭和四八年五月一一日付確認書
一、西成税務署長作成の証明書(但し昭和四七年四月二五日に申告した法人税申告書に関する分)
一、押収にかかる昭和四六年度元帳一冊(当裁判所昭和四九年押第四五二号符号二)
判示第二、第三の各事実につき
一、収税官吏尾谷忠信作成の現金等検査てん末書
一、堀内健治作成の確認書
一、豊島諄生の収税官吏に対する供述調書
一、収税官吏吉田光宏作成の昭和四八年一〇月一六日付、同年一一月二八日付査察官調査書類
一、押収にかかる住友銀行手帳、飛島カントリー倶楽部手帳、無表題ノート各一冊(当裁判所昭和四九年押第四五二号符号四ないし六)
判示第三の事実につき
一、平野道明、石橋正治(四通)、遠藤敬三郎各作成の各確認書
一、清住秀夫作成の照会回答書
一、収税官吏吉田光宏作成の昭和四八年六月一二日付、同年一〇月一一日付、同年一一月一三日付査察官調査書類
一、収税官吏福井捷治作成の査察官調査書類
一、吉村孝雄作成の昭和四八年九月六日付確認書
一、西成税務署長作成の証明書(但し、昭和四八年四月一九日に申告した法人税申告書に関する部分)
一、押収にかかる昭和四七年度元帳一冊(当裁判所昭和四九年押第四五二号符号三)
判示第一、第三の各事実につき
一、上野幸義作成の昭和四八年五月一〇日付確認書
一、中島毅の収税官吏に対する供述調書
(法令の適用)
被告人の判示各所為は、法人税法一五九条、七四条、一六四条一項に各該当するところ、以上の罪は刑法四五条前段の併合罪なので同法四八条二項により所定罰金額を合算した金額の範囲内で被告人を罰金一、四〇〇万円に処する。よつて主文のとおり判決する。
(裁判官 橋本達彦)