大阪地方裁判所 昭和51年(わ)2371号 判決 1976年12月23日
被告法人
本店所在地
大阪市南区日本橋筋一丁目四七番地
商号
株式会社幸伸
(代表者石原一興)
被告人
本籍
奈良県大和郡山市魚町四四番地の二
住居
兵庫県芦屋市山手町一番地
会社役員
石原一興
昭和一〇年九月二日生
右両名に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官足達襄出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決した。
主文
被告法人株式会社幸伸を罰金一、五〇〇万円に、被告人石原一興を懲役一〇月に、それぞれ処する。
被告人石原一興に対し、この裁判確定の日から二年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告法人株式会社幸伸は大阪市南区日本橋筋一丁目四七番地に本店を置きボルト・ナット及び工具類の卸売業を営むもの、被告人石原一興は同会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人石原一興は、同会社の経理係池田英夫と共謀のうえ、同会社の業務に関し法人税を免れようと企て、
第一、同会社の昭和四八年六月一日から昭和四九年五月三一日までの事業年度において、その所得金額が一三〇、八〇三、三一四円で、これに対する法人税額が五一、〇四〇、六〇〇円であるのにかかわらず、売上除外、架空仕入の計上及びたな卸の除外をするなどの行為により、右所得の一部を秘匿したうえ、昭和四九年七月三〇日、大阪市南区田島町二五番地の一所在南税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が六二、〇二七、三三四円で、これに対する法人税額が二三、五三二、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税二七、五〇八、二〇〇円を免れ、
第二、同会社の昭和四九年六月一日から昭和五〇年五月三一日までの事業年度において、その所得金額が一七三、九一九、〇三一円で、これに対する法人税額が六七、八九〇、六〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により、右所得の一部を秘匿したうえ、昭和五〇年七月三一日、前記南税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が八四、九〇九、五〇八円で、これに対する法人税額が三二、二九一、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税三五、五九九、六〇〇円を免れ
たものである。
(法令の適用)
被告法人株式会社幸伸につき
判示各所為
各法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項(七四条一項二号)、刑法六〇条
併合罪加重
同法四五条前段、四八条二項
被告人石原一興につき
判示各所為
各法人税法一五九条一項、二項、(七四条一項二号)、刑法六〇条(所定刑中いずれも懲役刑選択)
併合罪加重
刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重)
執行猶予
同法二五条一項
以上のとおり判決した。
昭和五二年一月一三日
裁判所書記官 松岡幸市
(裁判官 栗原宏武)