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大阪地方裁判所 昭和53年(タ)120号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

本判決と同旨のものに東京高判昭50.2.5判時七七七号四八頁がある。これに対し東京地判昭50.1.24判時七八七号九三頁(判批、上田徹一郎・判評二〇四号二四頁。右東京高判にも言及。)は、同種事案で請求を「棄却」した。なお、認知の訴の出訴期間経過後に婚外子が提起した親子関係存在確認の訴の認容判決は、事実上の親子関係の存在を確認する効力のみを有し、法律上の親子関係の存在を確認する効力を有しない、とした名古屋高決昭49.7.3本誌三一六号二二一頁参照。

(関係人仮名)

【判旨】

<証拠>によれば、原告は母甲野花子の非嫡出子として出生したものであることが認められる。しかして、父により認知されたものと認めるに足る証拠はない。

ところで、親子関係は父母の両者又は子のいずれか一方が死亡した後でも、生存する一方にとつて身分関係の基本となる法律関係であり、それによつて生じた法律効果につき現在法律上の紛争が存在し、その解決のため、右の法律関係につき確認を求める必要のある場合があることはいうまでもなく、戸籍の記載が事実と異なる場合は戸籍法第一一六条により確定判決に基づき右記載を訂正して事実の身分関係を明らかにする利益が認められる(最高裁判所昭和四五年七月一五日大法廷判決参照)。

しかしながら、本件における右事実関係からは、戸籍の記載が事実と異なるものとはいえないから、戸籍訂正を問題とする余地はなく、又、原告の主張及び本件全証拠によるも、原告と訴外乙田太郎との父子関係存在を確認すべき利益を認めることはできない。

なお、非嫡出子は父に認知されてはじめて父との間に法律上の親子関係が形成されるものであるところ(それまでは単なる事実上の親子関係にすぎない)、訴外乙田太郎は原告を認知することなく昭和四一年六月一三日死亡したというのであるから、事実上の親子関係の存否に言及するまでもなく、本件においては、民法第七八七条所定の認知の訴の出訴期間を既に経過し、右乙田太郎と原告との間に法律上の父子関係は発生するに由ないものである。

よつて本件訴は確認の利益を欠くからこれを却下し、民事訴訟法第八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(工藤雅史)

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