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大阪地方裁判所 昭和54年(ワ)1929号 判決 1979年9月25日

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

一、請求の趣旨

被告は原告に対し、昭和五四年二月一日より別紙目録二記載の仮換地(以下本件仮換地という)のうち別紙図面表示の斜線を施した部分の土地二〇・七二平方メートル(以下本件土地という)をその地上に存する鉄筋コンクリート造陸屋根七階建事務所兼居宅部分(以下本件建物部分という)を収去して明渡済みに至るまで月額金七万七、二〇〇円の割合による金員を支払え。

訴訟費用は、被告の負担とする。

仮執行の宣言。

二、請求の趣旨に対する答弁

主文同旨。

三、請求原因

(一)  別紙目録一、記載の従前の土地は原告の所有であり、その仮換地として、関谷工区三五―二―六―二宅地一五一・〇四平方メートルが指定されていたが、昭和四五年五月一二日本件仮換地に変更指定され、その効力発生日は、同月一六日と定められた。

(二)  被告は、同日以前から、本件土地上に、その東側に隣接する被告所有地からまたがつて、鉄筋コンクリート造陸屋根七階建事務所兼居宅(以下被告建物という)を所有し、本件土地を占有している。

(三)  被告の本件土地の占有は、原告に対抗しうる権限に基かないものであるので、原告は、大阪地方裁判所に本件建物部分を収去して本件土地の明渡しを求める訴えを提起し(当庁昭和四六年(ワ)第九六九号建物収去土地明渡請求事件)、同五一年一一月一〇日被告に対し本件建物部分の収去、本件土地明渡を命ずる勝訴判決を得た。

更に右事件の控訴審(大阪高等裁判所昭和五一年(ネ)第二〇九五号同五二年(ネ)第三一二号建物収去土地明渡請求控訴、同附帯控訴事件)において、被告の控訴を棄却したうえ、原告の附帯控訴に基き被告は原告に対し、昭和五二年一月一日から本件建物部分収去土地明渡済みに至るまで一か月金四万七、八〇〇円の割合の金員の支払を命ずる判決(以下本件控訴判決という)が、同五三年五月三一日言渡された。

被告は、本件控訴判決に対し更に上告した(最高裁判所昭和五三年(オ)第九九九号)が、同五四年一月三〇日上告棄却の判決が言渡され、右判決は確定した。

(四)  ところが、被告は、現在まで本件土地の占有を続けているのみならず、右訴訟中原告が前記被告建物に対し保全処分を申請しなかつたのを奇貨として、増改築を行い、形状を変更し、かつ事務所、工作物等を多数の第三者に住居または事務所として賃貸し、土地明渡の強制執行を不能ならしめ、その占有を半永久化しようと企て、原告の本件土地使用権を侵害している。

(五)  原告は、従来から本件土地の西に隣接する土地において、モータープール業を営んでいるが、被告の右不法行為により本件土地をモータープールとして使用できないため、使用できた場合の得べかりし利益喪失の損害を蒙つているものであるところ、右損害額は、本件土地には少くとも軽自動車五台の保管が可能であり、原告の加盟する浪速区モータープール協会制定の軽自動車月極保管料金は月額金二万五、〇〇〇円であるから、月額金一二万五、〇〇〇円を下らない。

(六)  よつて被告に対し、前記上告棄却後の昭和五四年二月一日より本件建物部分収去土地明渡済みに至るまで、前記保管料金相当の損害である月額金一二万五、〇〇〇円から本件控訴判決により認容された月額金四万七、八〇〇円を差引いた残額である一か月金七万七、二〇〇円の割合による損害金の支払を求めるため本訴におよぶ。

四、請求原因に対する認否

(一)  請求原因(一)の事実は、不知。

(二)  同(二)の事実は、認める。

(三)  同(三)の事実中、原告主張の訴訟および判決があつたことは認め、その余は争う。

(四)  同(四)の事実中、本件土地を被告が占有し被告建物を第三者に賃貸していることは認めるが、その余は争う。

(五)  同(五)の事実は、否認。

(六)  同(六)の主張は、争う。

五、証拠(省略)

目録

一、従前の土地

大阪市浪速区日本橋筋五丁目三八番

宅地 一七五・八六平方メートル

二、仮換地

同市同区新川町東部ブロツク番号三五A符号七

宅地 一〇二・四七平方メートル

のうち別紙図面表示の斜線部分

二〇・七二平方メートル

<省略>

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