大判例

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大阪地方裁判所 昭和55年(ワ)9622号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

一原告が各府県経済農業協同組合連合会及び農業協同組合を会員とし、会員所属の組合員の生産する物資の販売等を業とする農業協同組合法に基づき設立された法人であることは当事者間に争いがなく、<証拠>によれば昭和三八年頃に原告(正確には前身の全国販売農業協同組合連合会)と天満椎茸が乾椎茸の継続的売買契約を締結し、それ以後取引を継続してきたことが認められ、<証拠>中右認定に反する部分は措信せず、他に右認定を左右するに足る証拠はない。又請求原因2の事実及び同3の事実中天満椎茸が倒産したことは当事者間に争いがなく、右争いのない事実に<証拠>によれば、昭和五四年九月一二日現在原告の天満椎茸に対する売掛債権は合計九四九一万四三二六円であり、同日天満椎茸が原告に支払うべき商品代金は六五六万六五〇九円(同月六日販売分)であることが認められるが、被告において右金員を支払つた旨の主張、立証をしないから前記契約に基づき天満椎茸は全ての債務につき期限の利益を失い、即時右債務全額及びこれに対し完済に至るまで約定による日歩四銭の割合による遅延損害金を支払う義務を負うに至つた。<証拠>によると、原告はその後別紙担保物件清算明細表記載のとおり天満椎茸から約定により預り保管中の保証金、定期預金等合計三九九六万五〇四五円を右売掛債権に充当し、売掛債権残額は五四九四万九二八一円となつたことが認められる。なお<証拠>には発行年月日昭和五四年九月一三日との記載があるが、他方右明細書の余白に九月八日引渡との記載もあるので商品が同日引渡され、売掛債権は発生しているものと解されるから、右書証は前記認定を左右するものではなく、他に右認定に反する証拠はない。

二被告の抗弁について

1〜3 <省略>

4 信義則による保証責任が一二〇〇万円に制限されるとの主張について判断する。

本件の原、被告、天満椎茸間の基本契約には契約期間を契約締結の日から満一ヶ年とし、期間満了前一ヶ月以内に当事者の一方より何らの意思表示がない時は更に一ヶ年延長され、以後これに準じて延長する旨の定めがあることは当事者間に争いがないのであるから、本件契約を保証期間の定めがない契約と同視することはできない。ただ当事者の一方から何らの意思表示がない限り自動的に更新される定めとなつているので、何度も更新された場合には期間の定めのない継続的保証に類するので検討するに<証拠>を総合すると、原告の内部的与信枠は昭和四九年秋頃一二〇〇万円から三五〇〇万円に増額されたが更に昭和五三年六月に連帯保証人を二名追加する約束の下に七〇〇〇万円に増額されたこと、しかし約束の連帯保証人の追加はなされなかつたし、これに代わる物的担保の追加もないまま年間取引の約八割が集中する椎茸取引のピーク時に期間を限つてではあるが、九〇〇〇万円に増額され、原告と天満椎茸との取引額も右内部的与信枠の増額につれて増大していつたこと、天満椎茸の内容がよくないという風評を聞いて被告の長男の青山隆昭が昭和五二年七月二六日天満椎茸に赴き、社長の竹口一成から原告との取引限度は三五〇〇万円である旨聞き、被告にその旨伝えたことが認められ、右認定を左右するに足る証拠はない。

右認定事実によると、原告は天満椎茸との取引額を三五〇〇万円から七〇〇〇万円に、更に九〇〇〇万円に増額する際、増担保をしておらず、その点ルーズと言わざるをえないが、他方被告は昭和五二年七月には取引限度が三五〇〇万円に増額されたことを知りながら原告に対し連帯保証契約の更新拒絶をしなかつた上、被告が天満椎茸の取締役であることは当事者間に争いがなく<証拠>に徴すると、被告は創業以来の取締役で青山納豆の名で銘店街に出て居り、その資力、信用が十分であつたことが認められる。又<証拠>によると、被告と天満椎茸との関係、関与の内容、程度が被告主張のとおりであることが認められるが、原告において被告が取引の実情を把握できなかつたことを知つていたと認めるに足りる証拠はないから、原告が取引額の増額の際ルーズな取扱いをしており、又被告に取引が拡大されたことを通知しなかつたとしてもそれを責めることはできないものと解される。以上の次第で被告の抗弁は理由がない。

(岡村旦 熊谷絢子 大工強)

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