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大阪地方裁判所 昭和56年(ワ)5287号 判決

二 被告会社両名がイ号物件(ただし、その構成の説明及び図面は除く)を業として製造販売していることは当事者間に争いがない。

成立に争いのない甲第二、三号証、同第五ないし第一五号証、成立に争いのない乙第一号証の一、二、同第一九号証、イ号物件の模型に争いのない検甲第四号証の一、二、イ号物件の別紙(一)図面103の部材(別紙(四)図面217)に争いのない検甲第五号証によれば、イ号物件の構成及び図面は別紙(一)記載のとおり表現するのが相当である(ただし、図面の詳細な説明の第五段落の四行目の「新しい窓枠の下枠主体104bは……上片103a上に配置され」との説明部分及びこれに対応する図面部分はひとまず留保する。)。

被告ら主張の別紙(四)記載のイ号物件の構成の説明は取付方法を詳細に記載しており、本件発明が改装窓枠における下部構造に関する発明である点からみて取付方法は本件発明との対比の際に考慮すれば足り、かかる詳細な記載までも必要とは認められない。

また、図面については、被告らはイ号物件の下枠連結金具の上片は水平である場合もそうでない場合もあると主張し、被告らの主張する別紙(四)第1図、第10、11図には下枠連結金具の上片は水平ではない図が記載されている。しかし、弁論の全趣旨によると、右は、被告らにおいて、イ号物件が本件発明の構成要件(ロ)、(ハ)の構成を欠き、補強部材の水平部分にあたる部分はなく、したがつてこれに新上枠主体が載設されるものでもないとの主張に準拠して、その取付方法によつては、下枠連結金具217の上片218が水平とならず、これに新上枠106が載置されない場合のある例を図示したものであつて、右図面から直ちに下枠連結金具217の形状そのものが、別紙(一)の図面及び説明の示す下枠連結金具103の形状と異なるものとしたものではないから、右別紙(四)各図面の記載は、イ号物件が別紙(一)のイ号図面及びその説明書のとおり(ただし前記留保部分を除く)と認める妨げにはならない。

そして、右で認定したイ号物件の構成によれば、イ号物件の構成は請求原因4(一)記載のとおり分説(ただし(ハ)´はひとまず除く)するのが相当である。

三 被告らは本件発明の出願当時の技術水準につき公知資料をあげて主張しているが(三1参照)、本件発明は特許庁において新規性及び進歩性ありとして登録されており、右公知資料の中に新規性及び進歩性に疑問を生じさせるものはなく、また技術的範囲の解釈資料としてここで特にとりあげる必要のあるものもみあたらない。

四 そこでイ号物件が本件発明の技術的範囲に属するか否かについて考える。

1 構成(イ)´、(ニ)´、(ホ)´がそれぞれ構成要件(イ)、(ニ)、(ホ)を充足することは明らかである。

2 構成(ロ)´と構成要件(ロ)を対比するに、既設下枠主体上の水切り勾配部に固着している部材が、前者では「上片103aの屋外側端部を下方に折曲して下向き片を連出し、下向き片の下端を室内側に折曲して下片110を連出し、下片中央部にV状切り起こし部111を形成している下枠連結金具」であるのに対し、後者は「水平部分を具有する補強部材」である点で表現上相違している。

ところで本件発明の補強部材の実施例は<省略>型をしており(本件公報図面)、本件発明は構成要件(ロ)を採用することによつて、「補強部材は水平部分を有して水切り勾配部分に固着されているので、既設下枠主体の断面プロフイールが複雑であるにもかかわらず、新窓枠の嵌入時に前記水平部分が一種の基台とされ得るので、新窓枠は不安定であるにもかかわらず、レベルを維持しつつ以後の作業を容易にすること、新窓枠を補強部材に載設したこととも相俟つてデイライトを大きく保持できる」(本件公報第四欄二二ないし三〇行目)効果を有する。

そこで、まず下枠連結金具の上片が本件発明の補強部材の水平部分を充足するか否かにつき検討するに、以下の事情を総合すると下枠連結金具の上片は取付後水平になることが予定されているものと認められ、したがつて本件発明の補強部材の水平部分にあたるということができる。

(一) 前記甲第五ないし第八号証、同第一〇ないし第一三号証、同第一五号証によれば、イ号物件の施工図面には下枠連結金具の上片は水平に描かれている。

(二) 被告会社両名のカタログ(前記甲第二号証、成立に争いのない乙第一九号証)のイ号物件の取付図面(九丁)にも下枠連結金具の上片は水平に描かれ、取付けられたイ号物件の写真(九丁)でも上片が水平である。

(三) 新窓枠を取付ける際、下枠連結金具の固着片116(別紙(一)図面参照)が新下枠のウエブ122(同)にぴつたりつくことがあり(証人米田史朗の証言)、右固着片116は上片と垂直になつているから、右の場合には上片は水平となる。

(四) 橘女子高校の新窓枠のイ号物件の下枠連結金具の上片は水平である(橘女子高校の新窓枠のイ号物件の写真に争いがない検甲第一号証の一、二、同第二号証の一、二、原告代表者本人尋問の結果)。

(五) 被告明拓アルコン株式会社出願の実公昭五六―五四三〇〇号公報(前記甲第三号証)では、実施例として下枠連結金具をあげ、右金具を調整ボルト(別紙(一)図面113)と補助下片(同114)の穴(同118)にはめこまれた垂下ねじを調整することによつて、「新しい窓枠の下枠を水平な状態で強固に取付けることができる窓枠の下枠取付装置を提供するにある」(甲第三号証第二欄九ないし一一行目)とされており、イ号物件の下枠連結金具はもともと新窓枠を水平に取付けるものであつた(このことは上片の上面の膨隆部(別紙(一)図面119)が新下枠のウエブ(同122)の下片が嵌合するようになつていることからもうかがわれる)。

そして、下枠連結金具の形状は本件発明の明細書(公報)の実施例(図面)が示す補強部材の形状と相当異なるが、右は単に実施例にすぎず、下枠連結金具は短尺の鋼板から成り(前記検甲第五号証)、既設下枠主体上の水切り勾配部に固着されて旧下枠を補強すると共に、前記甲第二号証(七、八丁)及び証人飯田明夫の証言によれば、被告会社両名は新窓枠を取付ける際、下枠連結金具を旧下枠の水切り勾配部分に固着した後、新窓枠を嵌入し新上枠の金具を調整固定していた(以下「原告方法」という)ことが認められ(証人米田史朗の証言中これに反する部分はにわかに採用できない。ただし、他の取付方法もなされたことは後述する)、したがつて取付の際は下枠連結金具の上片が基台の役目を果たし、また下枠連結金具は小さな部材であるからデイライトも大きく保持でき、下枠連結金具は本件発明の補強部材の有する前記作用効果を有するということができる。

したがつて、構成(ロ)´は構成要件(ロ)を充足する。

3 次に、イ号物件がひとまず構成(ハ)´を備えるものとして、これと構成要件(ハ)を対比するに、前者が「新下枠主体104bを前記下枠連結金具103の上片103aに配置する」のに対し、後者は「新下枠主体を前記補強部材の水平部分に載設」する点で表現上相違している。

下枠連結金具の上片が補強部材の水平部分にあたることは前述のとおりである。

そして、「載設」の意味は本件公報上必ずしも明確ではないが、言葉の意味としては「のせてそなえつける」という意味であり、前記甲第二、三号証、同第五ないし第八号証、同第一〇ないし第一三号証、同第一五号証、前記乙第一九号証によれば新下枠主体は前記下枠連結金具の上片に接して描かれており、前記認定の取付方法(原告方法)を考えあわせると、構成(ハ)´においては、新下枠を下枠連結金具にのせてそなえつけていると認められ、したがつて、構成(ハ)´は構成要件(ハ)を充足するということができる。

4 以上のとおり、イ号物件が構成(ハ)´を備える限り、その構成はすべて本件発明の構成要件を充足し、イ号物件は右構成を採ることにより本件発明と同一の作用効果を達成していると認められ、その場合本件発明の技術的範囲に属するということができる。

五1 ところで、被告らは、イ号物件の取付方法は別紙(四)記載のとおり「吊下げ方式」であり、同第1、10、11図の如く必ずしも下枠連結金具の上片が水平になる必要はなく、本件発明の「載設方式」と技術思想を異にする(そして、その場合には、前記別紙(四)の第1、10、11図の如く構成(ハ)´を備えないこととなる)と主張するので、以下判断する。

前記乙第一九号証、証人飯田明夫、同米田史朗の各証言によれば、別紙(四)記載の方法、簡略に記すと次のような方法(以下「被告方法」という)でイ号物件が取付けられることもあることが認められ、右方法によるときは下枠連結金具の上片は水平になる場合もそうでない場合もあることになり、新窓枠の取付基準面が下枠連結金具の上片ではなく、旧上枠となり、本件発明の補強部材の上片の有する、新窓枠取付の際一種の基台としての作用効果を有しないことになる。

(一) 旧下枠の上面に下枠連結金具を固着する。

(二) 次に新上枠、新竪枠に摺動金具を取付け、新窓枠を旧窓枠に嵌め込み、旧窓枠に取りつけられたピース金具の切り込みに右摺動金具のねじ棒を差し込む。

(三) 新窓枠の位置調整を行ない、菊ナツト、ナツトをピース金具に当接する。

(四) 下枠連結金具のボルトの頭部を回転させて右金具を上方に押しあげ、吊下げられている新窓枠の新下枠の下面前部に押しあてる。

(五) 雨除板を取付ける。

以上のように、イ号物件(特に下枠連結金具)には原告、被告方法双方の取付方法が可能であつて、原告方法によるときは、その出来上りの状態として前記構成(ハ)´の形状を備え、被告方法によるときは、必ずしもそうはならないことが認められる。しかし本件発明は改装窓枠における下部構造に係る発明であり、その取付方法に係るものではないのであるから、右のようにイ号物件の取付方法如何では前記構成(ハ)´の形状を備えず、本件発明の構成要件(ハ)を充足しないことがあるということから、直ちにイ号物件が本件発明の技術的範囲に属しないとすることは相当でない。けだし、そのような場合には、イ号物件の取付現場における現実の実施の可能性・実用性に照らし、イ号物件の構造上、その取付が被告方法によつて行なわれる方が自然であり、原告方法によることはその自然な機構・構成を敢えて無視したもので、イ号物件の持つ本来の作用効果を挙げ得ないようなものである場合は、その取付も通常被告方法で行なわれるものであることによつて、イ号物件が本件発明の技術的範囲に属すると認めることに躊躇せざるをえないけれども、そうではなく、その取付が原告方法によつてなされることがイ号物件の取付方法としてより自然であり、それによつても改装窓枠としての本件発明の作用効果を挙げえるものであるときは、イ号物件はその物(装置自体)として本件発明の技術的範囲に属するものということができる。そして、後者の場合、敢えて被告方法によることは、右本来「物」として特許侵害物である装置を、その取付方法によつてその侵害を回避しようとするに過ぎないから、たまたま右侵害を回避し得る取付方法があり、時としてその様に施工される例があつて

も、右装置自体として侵害物件であることを否定することはできない。

かかる見地からイ号物件の取付が右いずれの方法によつて行なわれるのが自然であるかを検討するに、前記のとおりイ号物件の下枠連結金具の上片は水平であることが予定された部材であり(甲第三号証)、被告方法と原告方法を比較すると、被告方法では一旦新窓枠を下枠連結金具に置くものの旧上枠に吊り下げるため持ち上げることが必要であり、また新窓枠を吊り下げた後下枠連結金具の調整ボルトを調整するのは、ボルトが小さく、また複数あることから煩雑であること(しかも、下枠連結金具の上片が水平でない場合には上片と新窓枠の新下枠との間にすき間が生じ新窓枠が屋内側に歪み、それを防ぐため屋内側にL状金具を新下枠にビス止めして取り付ける必要があり不自然であること)などを考慮すると、後記ロ号物件の存在を考慮に入れても、原告方法の方が実用的であり原告方法の方が多くとられているものと推測される。

なお、原告は、イ号物件と共に用いられる新上枠(新竪枠)の換装装置が原告の有する特許登録第一〇五五一〇六号の特許権の侵害に該るとして、被告らに対しその製造販売の差止等を求める訴を提起し(当庁昭和五六年(ワ)第五二八六号)、当裁判所はこれを本件と併行して審理・終結し、そこでも被告らは、原告特許は引張り連絡方式であるのに対し、該イ号装置は吊下げ連結方式であるとして争い、本件におけるイ号物件の図面及び説明を別紙(四)のとおりであるといい、本件発明が載設方式なのに対し、イ号物件は吊下げ方式であるという主張はもともと右別件の主張と連動するものであつたが、右別件においても結局右被告らの吊下げ連結方式なる主張は当裁判所の肯認しなかつたところであり、本件イ号物件の上枠(竪枠)換装装置が右別件イ号装置である場合においても、イ号物件が吊下げ方式であるとは直ちに認めえないのである。

したがつて、下枠連結金具の取付方法に他の方法(被告方法)があつても、イ号物件は本件発明の技術的範囲に属するものと考えられる。

2 また、被告らはイ号物件の下枠連結金具の上片を水平に取り付けることは事実上不可能であると主張する。

しかし、新窓枠を取付ける際、両端の下枠連結金具の位置を決め、糸を張り、その糸にあわせて中間部分の下枠連結金具を取付けていたこと(証人飯田明夫の証言)、及び被告明拓アルコン株式会社の実公昭五六―五四三〇〇号公報(甲第三号証)にはイ号物件の下枠連結金具を用いて新しい窓枠の下枠を水平な状態に取付けることができる旨記載されていることに照らすと、前記主張は採用できない。

六 被告会社両名が本件工事をなしたことは当事者間に争いがない。

ところで、本件工事の図面である成立に争いのない甲第一六ないし第一九号証の施工図面には、別紙(三)の下欄の図(ただし鎖線部分を除く)と同じ図が記載されているところ、右工事に使用した下部構造について、原告はイ号物件のV状切り起こし部が図面上省略されたものにすぎずイ号物件であると主張し、被告らは別紙(五)記載のロ号物件であると主張している。

なるほど、証人飯田明夫の証言中に図面には省略がある旨の証言があり、他の図面である甲第五号証、甲第九号証、甲第一一号証の図面には右V状切り起こし部が図示されていないが、甲第五号証、甲第一一号証には部品ナンバー「68」が明記され、右部品ナンバー「68」はイ号物件の下枠連結金具を指示し(証人飯田明夫の証言)、少なくとも甲第五、一一号証の図面にはV状切り起こし部の記載が省略されているものと認められる。

しかし、前記甲第一六ないし第一九号証の図面の下枠構造については部品ナンバーの記載はなく、またV状切り起こし部のほか、リブ部(別紙(一)図面114)の記載もなく、新窓枠の上枠の取付装置も他の甲第五ないし第一五号証の装置とは異なつており、したがつて右甲第一六ないし第一九号証の図面の下部構造は図面上V状切り起こし部が省略されているにすぎないとは認め難い。そうだとすると、本件工事の窓枠の下部構造はロ号物件と認められ、これについて原告において本件特許権を侵害することにつき主張立証のない本件においては、本件工事の下部構造が本件特許権を侵害することを前提として損害賠償を求める請求は理由がないことに帰する。

七 よつて、原告の本訴請求は、被告会社両名に対し、イ号物件の製造販売の差止及び廃棄を求める限度において理由があるから認容し、その余は失当であるから棄却することとする。

〔編註その一〕 本件における請求原因は左のとおりである。

1 原告は次の特許権(以下これを「本件特許権」といい、その発明を「本件発明」という)を有している。

発明の名称   改装窓枠における下部構造

出願      昭和四五年六月二九日(前実用新案出願日援用、特願昭五五―一一一三五)

公告      昭和五六年五月二八日(特公昭五六―二三〇三三)

公告後の補正日 昭和五七年三月一五日

登録      昭和五八年一月一七日(第一一三〇二六四号)

特許請求の範囲

「既設の鋼製窓枠の枠主体に新しい窓枠の枠主体を嵌め入れ、前記新枠主体を前記既設主体に連結する構成を含む改装窓枠において、水平部分を具有する補強部材を既設下枠主体上の水切り勾配部分に固着し、新下枠主体を前記補強部材の水平部分上に載設し、既設下枠主体の外側部の枠全長を覆う雨除板を設けたことを特徴とする改装窓枠の下部構造。」

2 本件発明の構成要件及び作用効果は次のとおりである。

(一) 構成要件

(イ) 既設の鋼製窓枠の主体に新しい窓枠の枠主体を嵌め入れ、前記新枠主体を前記既設枠主体に連結する構成を含む改装窓枠において、

(ロ) 水平部分を具有する補強部材を既設下枠主体上の水切り勾配部分に固着し、

(ハ) 新下枠主体を前記補強部材の水平部分に載設し、

(ニ) 既設下枠主体の外側部の枠全長を覆う雨除板を設けた

(ホ) ことを特徴とする改装窓の下部構造

(二) 作用効果

(イ) 建物に取り付けられている古い窓枠の枠主体に長尺または短尺の鋼板あるいは鋼条材などより成る補強部材を複数個固着し、古い枠主体に新しい窓枠の枠主体を嵌合させこれを補強部材に固着するものであるから、その固着は確実に行われ古い窓枠の一部にたとえ腐蝕した部分があつても新しい枠主体に取り付け強度の不安を生じることがない。

(ロ) 古い窓枠の枠主体を除去せず新しい枠主体を固着できるので、その取り付け作業が容易である。

(ハ) 新しい枠主体の外側には外側添枠及び雨除板を設け、内側には内側添枠を設けて古い枠主体を覆うので、その存在は外部から見えないので体裁がよい。

(ニ) 補強部材は水平部分を有して水切り勾配部分に固着されているので、既設下枠主体の断面プロフイールが複雑であるにもかかわらず、新窓枠の嵌入時に前記水平部分が一種の基台とされ得るので、新窓枠は不安定であるにもかかわらず、レベルを維持しつつ以後の作業を容易にすること、新窓枠を補強部材に載設したこととも相俟つてデイライトを大きく保持できる。

(ホ) 雨除けについて、新旧下枠主体間が狭少であつても連結が可能であり、デイライトの確保に寄与する効果もある。

3 被告会社両名は、昭和五六年五月ころから別紙(一)記載の改装窓枠における下部構造(以下「イ号物件」という)を業として製造し、販売している。

4 イ号物件の構成及び作用効果は次のとおりである(ただし数字は別紙(一)イ号図面のそれによる)。

(一) 構成

(イ)´ 既設の鋼製窓枠の主体101に新しい窓枠の枠主体104を嵌め入れ、前記新枠主体104を前記既設枠主体101に連結する構成を含む改装窓枠において、

(ロ)´ 上片103aの屋外側端部を下方に折曲して下向き片を連出し、下向き片の下端を室内側に折曲して下片110を連出し、下片中央部にV状切り起こし部111を形成している下枠連結金具103のV状切り起こし部111を既設下枠主体101b上の水切り勾配部分に固着し、

(ハ)´ 新下枠主体104bを前記下枠連結金具103の上片103a上に配置し、

(ニ)´ 既設下枠主体101bの外側部の枠全長を覆う雨除板107を設けた

(ホ)´ ことを特徴とする改装窓枠の下部構造。

(二) 作用効果

イ号物件は右の構成を有することによつて2(二)記載の作用効果を有する。

5 イ号物件の構成(イ)´ないし(ホ)´は、それぞれ本件発明の構成要件(イ)ないし(ホ)を充足し、本件発明と同一の作用効果を有するからその技術的範囲に属する。

〔編註その二〕 本件に関するイ号物件は左のとおりである。

別紙(一)

イ号図面説明書

一、図面の説明

第1図は改装窓枠の縦断面図、

第2図は補強部材の上部から見た斜視図、

第3図は補強部材の下部から見た斜視図、

二、図面の詳細な説明

既設の旧窓枠主体(101)は、鋼製とされており、上枠主体(101a)、側枠主体、下枠主体(101b)を有する。これに対し新しい窓枠の枠主体(104)は、アルミニウム製とされており、前記既設枠主体(101)に嵌め入れられるよう、新上枠主体(104a)、側枠主体、下枠主体(104b)により四角形状に枠組みされている。

新しい窓枠の枠主体(104)は、既設の鋼製窓枠の枠主体(101)に嵌め入れられ、該既設枠主体(101)に次の構成によつて連結される。

即ち、既設下枠主体(101b)上の水切り勾配部分には下枠連結金具(103)が固着されており、該下枠連結金具(103)は上片(103a)を具備し、この上片(103a)の上に新しい窓枠の下枠主体(104b)が配置されている。また既設下枠主体(101b)の外側部の枠全長を覆つて雨除板(107)が設けられている。

前記下枠連結金具(103)は、第2図及び第3図に示されるように、鋼板を折曲げることによつて形成されており、上片(103a)の屋外側端部を下方に折曲して下向き片を連出し、下向き片の下端を室内側に折曲して下片(110)を連出し、下片(110)の中央部にV状切り起し部(111)を形成している。V状切り起し部(111)には孔(112)を開設すると共に、このV状切り起し部(111)の両側に位置して下片(110)には下方より調節ボルト(113)(113)を螺進自在に螺挿している。また上片(103a)は、後端縁部を下方に断面略U字形に屈曲延長してリブ部(114)を形成し、該上片(103a)の中央部を切欠して開口(115)を形成すると共に、その切欠された鋼板をリブ部(114)より起立せしめて固着片(116)を備えている。この固着片(116)には取付孔(117)が開設されており、またリブ部(114)の前記開口(115)に位置する部分にはネジ孔(118)が開設されている。尚、開口(115)の両側に位置して上片(103a)の上面には膨隆部(119)(119)が形成されている。

この下枠連結金具(103)は、第1図に示すように、既設下枠主体(101b)の水切り勾配部分に対し、V状切り起し部(111)の孔(112)を介してネジ部材(120)により固着される。この状態で調節ボルト(113)の調節が可能である。新しい窓枠の下枠主体(104b)は、これと、体成形されたリブ(121)及びウエブ(122)を介して上片(103a)上に配置され、固着片(116)の取付孔(117)を介してネジ部材(123)により該固着片(116)とウエブ(122)とが固着される。

三、以上のとおり、イ号物件の構成は、既設の鋼製窓枠の主体101に新しい窓枠の枠主体104を嵌め入れ、前記新枠主体104を前記既設枠主体101に連結する構成を含む改装窓枠において、上片103aの屋外側端部を下方に折曲して下向き片を連出し、下向き片の下端を室内側に折曲して下片110を連出し、下片中央部にV状切り起こし部111を形成している下枠連結金具103のV状切り起こし部111を既設下枠主体101b上の水切り勾配部分に固着し、新下枠主体104bを前記下枠連結金具103の上片103a上に配置し、既設下枠主体101bの外側部の枠全長を覆う雨除板107を設けたことを特徴とする改装窓枠の下部構造である(別紙第1図下枠部分参照)。

イ号図面

<省略>

<省略>

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