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大阪地方裁判所 昭和58年(ワ)6160号 1986年9月19日

原告

安永豊彦

右訴訟代理人弁護士

佐々木信行

被告

破産者 株式会社日新商会破産管財人露峰光夫

被告

右同破産管財人 真鍋能久

右両名訴訟代理人弁護士

紺谷宗一

主文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  原告が、破産者株式会社日新商会に対し、優先権のある破産債権二四三万九五五七円を有することを確定する。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文と同旨

第二当事者の主張

一  請求の原因

1  訴外株式会社日新商会(以下「破産会社」という。)は、昭和五八年五月二日大阪地方裁判所で破産宣告を受け(事件番号 同裁判所昭和五八年(フ)第三八八号)、同日被告らが同裁判所より破産会社の管財人に選任された。

2  原告は、昭和三〇年四月破産会社に就職し、昭和五七年八月三一日同社を退職した者であるが、昭和五八年五月一九日大阪地方裁判所に対し、退職金債権二四三万九五五七円の届出をなしたところ、被告らは、昭和五八年八月五日の債権調査期日において右届出債権につき異議を述べた。

3  しかしながら、

(一) 原告が就職した当時の破産会社の就業規則(以下「甲一号証の就業規則」という。)中の退職金規定(別紙(1))第三条には、一〇年以上の勤続者に対しては、退職金として勤続年数(但し、一年未満の端数は月割計算とし、一月未満の端数は切捨てとする。)一年につき退職時の月額基本給の一・五か月を支給する旨規定されていた。原告の場合、勤続年数が二七年四か月であり、退職時の月額基本給が一七万八二〇〇円であったから、右規定によると、七三〇万六一九九円の退職金債権を有することになる。

〔計算式〕

<省略>

(二) 甲一号証の就業規則は、破産会社が、昭和二八年五月一日ころ、当時の従業員代表者であった工場長郡司民治から意見を聴取して作成したものであり、以後郡司がこれを保管し、他の従業員から要求があれば閲覧しうる状態におかれていたものであった。

よって、原告は、被告らとの間において、破産会社に対し、3項(一)記載の退職金債権のうち、後記抗弁1(三)のとおり破産会社から支払いを受けた四八六万六六四二円を控除した二四三万九五五七円の破産債権を優先債権として有することの確定を求める。

二  請求原因に対する認否

1  請求原因1及び2の事実はいずれも認める。

2  同3(一)の事実のうち、原告の勤続年数及び退職時の月額基本給が原告主張のとおりであることは認めるが、その余は否認する。

3  同3(二)の事実は全て否認する。甲一号証の就業規則は、破産会社の従業員に適用されていた就業規則ではなく、後記三抗弁欄記載の現行就業規則作成の際の、単なる草案にすぎないものであった。

三  抗弁

仮に、甲一号証の就業規則が破産会社の従業員に適用される就業規則として作成されていたものであるとしても、

1(新就業規則の成立及び適用)

(一)  破産会社は、昭和三五年ころ郡司から意見を聴して、現行就業規則(以下「乙四号証の就業規則」という。)を作成(なお、同規則中の退職金規定は、別紙(2)のとおり。)し、以後郡司がこれを保管していた。

(二)  以下の理由により、甲一号証の就業規則は、退職金規定部分も含め、乙四号証の就業規則に規定するようにその内容が有効に変更されたものである。

(1) 甲一号証と乙四号証の各就業規則の内容を比較すると、そもそも不利益変更にあたらない。

即ち、退職金の支給率に関しては、会社都合による退職の場合、二年以内の勤務者及び二七年以上の勤務者については乙四号証の退職金規定の方が有利であり、また、始業時間(午前八時から午前八時三〇分に改訂)、休憩時間(午前及び午後に各一〇分追加)、休日(国民の祝祭日を追加)、休暇(本人の実子、兄弟姉妹の婚姻する時に二日取得できる旨追加)についても、乙四号証の就業規則の内容の方が有利であって、全体としてみると、労働者に不利益な変更とはいえない。

(2) 仮に、不利益な変更にあたるとしても、右変更には合理性がある。

即ち、甲一号証の就業規則中の退職金規定は、自己都合と会社都合を区別せず一律に定めているのに対し、乙四号証のそれは、その間に差を設けており、支給率に関しても、(1)記載のように、会社都合による退職の場合には、乙四号証の方が有利になるときがあるように規定されている。また、乙四号証の退職金支給率は、破産会社の業界の大手である川上塗料株式会社のそれと同一であり、中小企業に属する破産会社の規模からすると高率なものである。

従って、右変更が労働者に不利益なものであっても合理的なものといえ、乙四号証の就業規則は、退職金規定部分も含めて、個別労働者の同意をうるまでもなく、効力を有するに至ったものである。

(3) のみならず、破産会社においては、乙四号証の就業規則がその作成された昭和三五年ころから破産宣告を受けたときまで二三年間効力を有していたものであり、その間の退職者は、昭和三五年以前に就職した者も含め、全員右就業規則中の退職金規定に従って異議なく退職金を受領しており、また、破産宣告後に解雇された全従業員からも右規定にもとづいて退職金の債権届出がなされており甲一号証の就業規則中の退職金規定にもとづいて退職金の債権届出をした者は誰一人としていないことなどからすると、破産会社と原告を含む全従業員との間で、労働条件は乙四号証の就業規則によるとの黙示の合意が成立していたものである。

(三)  乙四号証の就業規則中の退職金規定第三条には、退職金として退職時の基本給に同規定附表の勤続年数に対応する支給率(但し、端数は月割り計算とする。)を乗じた額を支給する旨規定されているものと解されるところ、原告の場合、右規定によると、その退職金は四八六万六六四二円となる(計算式は後記)ので、破産会社は昭和五七年一〇月二〇日原告に対し、右退職金を全額支払った。

〔計算式〕

17万8200(円)×{26.62+(28.71-26.62)×4/12}=486万6642(円)

2(放棄)

仮に、原告に甲一号証の就業規則中の退職金規定上の退職金債権があったとしても、原告は、昭和五七年一〇月二〇日破産会社に対し、破産会社から1(三)記載の退職金を受領した際、その金額を了承するとともに、右金員充当後の残債権を放棄する旨の意思表示をした。

四  抗弁に対する認否

1  抗弁1(一)の事実は認める。

2  同(二)冒頭の法的主張は争う。

(一) 同(1)の事実のうち、乙四号証の就業規則が、甲一号証の就業規則よりも、被告ら主張の点で労働者に有利になっていることは認めるが、不利益変更にあたらないとの被告らの主張は争う。即ち、自己都合退職の場合(但し、二五年以上の勤続者で満五〇歳以上の者を除く。)、その退職金の支給率は、乙四号証の退職金規定の方が甲一号証のそれより不利益なことが明らかであるところ、およそ労働者は、一般に自分があと何年勤めれば退職金をいくらもらえるかを念頭においているのであって、自己都合による退職金の規定こそ関心事であるから、会社都合による退職金の支給率が労働者に有利になったとしても、全体として、会社に有利な変更であることは否めないところである。また、就業時間、休憩時間、休日、休暇に関する変更も些事にすぎず、むしろ従来の慣行を規則化しただけにとどまるものである。従って、不利益変更にあたらないとの被告らの主張は理由がない。

(二) 同(2)の事実のうち、甲一号証と乙四号証の各就業規則中の退職金規定を比較すると、前者が自己都合と会社都合を区別せず一律に定めているのに対し、後者がこれを区別して差を設けていること、支給率に関し、会社都合による退職の場合に、後者の方が有利になるときがあることは認める。しかしながら、被告ら主張の事実によって就業規則の変更に合理性があるとの主張は争う。

(三) 同(3)の事実のうち、破産宣告を受けるまでの破産会社の退職者が全員乙四号証の就業規則中の退職金規定に従って異議なく退職金を受領したとの点は不知、破産会社と全従業員との間で、労働条件は乙四号証の就業規則によるとの黙示の合意が成立したとの点は否認する。即ち、乙四号証の就業規則中の退職金規定は、周知徹底の措置を欠き、従業員の多くが知らない状態であったから、被告ら主張の黙示の合意は成立する余地がないのである。

3  同(三)の事実のうち、破産会社から原告が被告ら主張の日時に被告ら主張の金額を受領したことは認める。

4  同2の事実は否認する。

第三証拠(略)

理由

一  請求原因1、2の各事実及び同3(一)の事実のうち原告の勤続年数及び退職時の月額基本給については、いずれも当事者間に争いがない。

二  そこで、甲一号証の就業規則が、原告主張(請求原因3(二))のような経過で作成されたものであるのかどうかについて検討する。

右争いのない事実に加え、甲第一号証の存在、(証拠略)と原告(第一ないし三回)本人尋問の結果の各一部(後記認定に反する部分を除く。)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。

1  破産会社は、昭和九年四月に設立された個人企業の日新商会を前身とする塗料の製造販売などを業とする会社であるが、昭和一三年に株式会社に改組し、昭和二八年には大阪市西成区南津守に工場を新設して船用塗料の製造を開始し、昭和三〇年にはそれまで大阪市南区二ツ井戸に置いていた営業本社を右南津守の工場と同一敷地内に移転した。

2  昭和三〇年ころになって、塗料業界においても労働運動が漸次活発化し労働者から賃上げ、退職金制度の確立などが要求される情勢となったので、破産会社においても、退職金規定などの作成の必要性を感じるようになっていたところ、労働基準監督署から就業規則を作成するようにとの勧告を受けたこともあって、破産会社においては、昭和三五年ごろ退職金規定を含む就業規則の作成に着手した。右作成に際し、破産会社の代表取締役であった西良之助は、退職金の支給率に関しては塗料業界の大手である川上塗料株式会社の退職金規定の支給率と同一とすること、その他の労働条件に関しては、甲第一号証に記載されたところを原則として踏襲し、始業時間のみ午前八時とされていたのを午前八時三〇分と改めることに決め、従業員東口繁雄に命じて退職金規定を含む乙四号証の就業規則を作成させた。その後、破産会社は、当時の南津守工場の工場長であった郡司民治を従業員代表として、同人から乙四号証の就業規則の記載内容には異議がない旨の意見を聴し、その意見書を添付して、昭和三五年二月一五日、阿倍野労働基準監督署に乙四号証の就業規則を届出た。そして、右作成以降、右就業規則は、郡司工場長が机の中に入れて保管し、また、右就業規則中の退職金規定は、破産会社の経理担当者にも渡されていた。

なお、西良之助は、後日、乙四号証の就業規則の文言を検討した際、休憩時間(午前中十分午後中十分を追加)、休日(国民の祝祭日を追加)、休暇(本人の兄弟姉妹の婚姻する時二日与える旨追加)の各項目などを自筆で訂正加筆した。

3  昭和三五年の前後を通じて、労働基準監督署に届出られている破産会社の就業規則は、乙四号証のそれが唯一のものであって、それ以外のものは甲一号証の就業規則を含め届出られていない。

なお、甲一号証の就業規則(甲第一号証)は、その原本が存在しないため、原本に直接あたってその紙質、経年変化等を確知することができず、また、その作成の時期、手続、経過等を直接明らかにする資料は存しない。

4  次に、破産会社の退職者に対する退職金の支給状態は左のとおりである。

昭和三五年より前に退職した置田某、井上某らの従業員に対しては、西良之助が代表取締役として裁量をはたらかせて適当な退職金額を決めこれを支払ってきたが、昭和三五年以降の退職者に対しては、全員例外なく、乙四号証の就業規則中の退職金規定に従って計算したところにより退職金を支払っており、これに対し、異議を唱えた者は一人もいなかった。また、昭和三五年より前に就職した者で今回の破産宣告後に解雇された近藤憲二、温井啓壬、徳重英治、川窪公吉、静屋卓臣らの破産会社の従業員は、全員右退職金規定に従って自己の退職金を計算して裁判所に届出をしている。

5  甲一号証の就業規則(甲第一号証)は、昭和三九年ころ、当時破産会社に再入社した河村忠夫が郡司工場長から手渡され(なお、郡司工場長が甲第一号証を保管するに至った時期、経過等は不明である。)、以後河村がこれを保管していたものであるが、退職金のことが話題となった昭和四七年ごろの営業会議の帰途、原告は、河村から右就業規則のことを知らされて、初めてその存在を知るに至った。しかし、原告は、河村にその内容まで確めることはしないでいたが、昭和五四年ごろ、破産会社の当時の経理担当者浜田都子に対し、破産会社の退職金規定の内容を確めたところ、同人から乙四号証の就業規則中の退職金規定を見せられて、右規定中の「二五年以上の勤続者で満五〇歳以上の自己都合退職者は乙種を適用する。」旨の規定を確認したことがあった。

原告は、破産会社が破産宣告を受ける前の昭和五七年八月三一日自己都合により破産会社を退職したが、河村の持っている甲一号証の就業規則(甲第一号証)中の退職金規定の内容と乙四号証の就業規則の内容が異なっていることに気付き、退職金の算定に関し、甲一号証のそれの適用(退職金額は、七三〇万六一九九円となる。)を要求して、乙四号証のそれの適用(退職金額は、四八六万六六四二円となる。)を主張する破産会社と対立したので、同年九月二二日阿倍野労働基準監督署に申出たところ、同署の労働基準監督官であった森下芳光が調査を担当することとなり、同人は、破産会社の専務取締役西仁章、経理担当者の前記浜田都子、原告らと面接するなどした結果、(ア)昭和三五年以降長年にわたって乙四号証の就業規則が適用されてきたこと、(イ)逆に、甲一号証の適用されていた形跡を確認することができないこと、(ウ)原告自身も、昭和五四年ころ、前記のように、浜田に対し乙四号証の就業規則中の退職金規定の内容を確めて、これを退職金規定と認めていたようにうかがわれること、などを理由に、同年一〇月一日破産会社に対し、乙四号証の退職金規定にもとづいて一〇月末までに原告に退職金を支払うように勧告するにとどまった。

以上の事実を認めることができ、証人明石隆、同東口繁雄、同河村忠夫の各証言及び原告本人尋問の結果(第一ないし三回)のうち、右認定に反する部分は、前掲各証拠と対比してにわかに措信し難く、他に右認定を左右するに足る証拠はない。

三  右認定の事実関係からすれば、甲一号証の就業規則は、昭和三五年ころ作成された乙四号証の就業規則の参考資料として使用されたことだけが明らかであるにとどまり、その作成の時期、手続、経過等は一切不明であるばかりでなく、昭和三五年以前に破産会社においてこれを実施してきた事実関係も特に窺われないところであるから(なお、甲一号証の就業規則では、始業時間が午前八時と規定されていることが認められるところ、原告は、証人東口繁雄、同明石隆の各証言、原告の第三回本人尋問の結果中に、昭和二八年ころの破産会社の始業時間は午前八時であった旨の供述部分がある点をとらえて、甲一号証の就業規則が破産会社の就業規則として作成され実施されていた一証左である旨主張するが、他方、証人西仁章、同西良之助、同近藤憲二の各証言、原告の第二回本人尋問の結果中には、当時から始業時間は午前八時三〇分であった旨の供述部分があり、これに照らすと、当時の始業時間が午前八時であったとまで認定することはできず、結局、原告の右主張はその前提を欠き失当である。)、原告が主張するように、昭和二八年五月一日ころ破産会社の就業規則として作成されたものとはにわかに認め難く、他に右主張事実を認めるに足る証拠はない。

なお、付言するに、証人東口繁雄は、昭和三五年ころ、西良之助から乙四号証の就業規則の作成を命じられた際、甲一号証の就業規則を手渡され、「今までの就業規則は現状に合わないので、一応これを参考にして現状に合うような就業規則の文案を錬ってくれ。」といわれた旨供述するが、右証言内容は、証言時から二〇数年も前の西良之助の言ったこと(ちなみに、証人西良之助はこれを否定している。)を内容とする伝聞供述でありにわかに措信し難く、また、証人河村忠夫は、同人が、昭和三九年ころ、郡司工場長から甲一号証の就業規則を手渡された際に、「これは会社の就業規則で大切なものだから持っていなさい。」といわれた旨供述するが、右証言内容は、郡司工場長が、昭和三五年ころに乙四号証の就業規則が作成された際に、自ら従業員代表として、右就業規則の内容に異議はない旨の意見を申述して(前記二2)、当然それ以降に適用される就業規則の内容を熟知していたものと推認されるのにもかかわらず、昭和三九年ころ、そのころ入社した河村に対し、甲一号証の就業規則を現に適用があり今後も適用される趣旨のものとして手渡したという内容のものであって、到底措信できないものである。また、乙四号証の就業規則は、昭和三五年ころに作成されたものにもかかわらず、その実施年月日は昭和二八年五月一日と遡って規定されており、右日付は甲一号証の就業規則(甲第一号証)の日付と同一であることが明らかであるが、このことをもって、他に作成時期、作成経過を明らかにする資料のない右甲一号証の就業規則が昭和二八年当時作成され、かつ実施されたものと推認するには至らない。他方、甲第一号証は、社名のみを変えて、参考資料をそのまま引き写したものとも推測が可能であり、右日付が同一であることは、甲第一号証が乙四号証の就業規則の参考資料にすぎなかったとすることと必ずしも矛盾するものではない。

四  そうすると、破産会社の就業規則は、乙四号証のそれだけが唯一のものというべきであり、原告は、右就業規則によって算出された退職金を受給する権利を有するにとどまるから(原告が既に右退職金の支払いを受けていることは当事者間に争いがない。)、右退職金の額を超えて、甲一号証の就業規則によって算出された退職金を受給する権利を有することを前提とする原告の本訴請求は、その余の点について判断するまでもなく理由がない。

よって、原告の本訴請求を棄却することとし、訴訟費用の負担について民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 中田耕三 裁判官 木村修治 裁判官 波床昌則)

別紙(1) 退職金規定

第一条 退職金は本規定に依って支給する。

第二条 退職金は勤続満一年以上の従業員に対して退職の際に支給する。但し従業員の責に帰すべき事由による退職の場合には支給しないことがある。

第三条 退職金は基本給に附表の支給率を勤続年数を乗じて得た金額を支給する。

第四条 退職者が会社の合併によって引続き勤務し又は会社の都合によって同系会社から転続した時退職金が清算済となっていない場合は前会社の勤続年数を加算して計算する。

第五条 勤続期間は一年を単位として計算し端数月割にする。但し一ケ月未満は計算しない、休職期間及実施試験期間は勤務期間に算入する。

第六条 功績顕著であった者及その他別途の考慮を必要とする者には特に支給額を増減することがある。

第七条 此の規定の変更に付いては従業員代表との協議によって行う。

附表

<省略>

但し基本給は退職時の額を以て計算する。

尚、停年、業務上傷病死及業務外で傷病死した場合も特に加算することがある。

別紙(2) 退職金規定

第一条 退職金は本規定に依って支給する。

第二条 退職金は勤続満一年以上の従業員に対して退職の際に支給する但し従業員の責に帰すべき事由による退職の場合には支給しない事がある。

第三条 退職金は基本給に附表の支給率を勤続年数を乗じて得た金額を支給する。

第四条 退職金が会社の合併によって引続き勤務し又は会社の都合によって同系会社から転続した時退職金が清算済となっていない場合は前会社の勤続年数を加算して計算する。

第五条 勤続期間は一年を単位として計算し端数月割にする。但し一ケ月未満は計算しない休職期間及実施試験期間は勤務期間に算入する。

第六条 功績顕著であった者及其の他別途の考慮を必要とする者には特に支給額を増減することがある。

第七条 此の規定の変更については従業員代表との協議によって行う。

附表

甲種退職金、病気、結婚、出産、死亡自己都合による退職

乙種退職金、停年、会社の都合、業務上の負傷死亡による退職

但し二五年以上の勤続者で満五〇歳以上の自己退職者は乙種を適用する。

退職金支給率

<省略>

但し基本給は退職時の額を以て計算する。

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