大阪地方裁判所 昭和58年(ワ)6420号 判決
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【判旨】
一被告の組織等を定める中小企業等協同組合法(以下、単に「法」という。)五五条二項は、総代は組合員のうちから公平に選挙されなければならない旨規定しているが、総代は総代会の構成員にすぎず、役員ではないから、法三五条一二項(「……役員は、定款の定めるところにより、総会(設立時の役員は創立総会)において選任することができる」)の規定を準用されず総会によつて選任されるべきものではない。
また、<証拠>の被告組合の定款及び<証拠>の総代選挙規約によると、総代は総会において、各地区毎に組合員によつて公平に選挙する旨の規定(定款三五条二項、同規約一〇条一項、一一条、二条ないし九条)があるものの、総代を総会で選任する旨の規定はない。
従つて、被告組合においては、総代を選任する総会決議はあり得ないので、原告の請求は前提において主張自体失当である。原告の請求が、被告組合の総代一八五名について、その地位、資格を争い、総代の地位、資格の無効もしくは不存在確認を求める趣旨の訴えであると解しても、本訴請求は以下の理由で不適法である。
中小企業等協同組合法の規制を受ける組合は組合員数が二〇〇名を超える場合定款の定めにより総会に代るべき総代会を設けることができ(同法五五条一項)、総代会は、総会の専属事項以外の事項について組合の意思を決定する議決機関としての権能を有する。更に、この総代会を構成する総代は組合員の中から組合員全員によつて選挙され(同法五五条二項)、その定款は法定数以上とされている。
ところで、組合員等が組合における総代の選出手続の瑕疵を主張して、組合の総代の地位・資格を争い、その不存在確認等の訴を提起した場合、認容判決の確定により、当然に総代の地位を喪失するので、判決の効果を直接受けるものは当該の総代であるが、組合も、総代選挙を実施した主体であり、総代が組合の機関である総代会の構成員であることからして、認容判決の効果を受けるものといえる。そしてかような形成の訴においては、当該判決によつて形成作用を受ける当事者全員に合一にのみ確定することを要するから、組合の総代の地位の喪失という形成作用を受ける本訴のような訴えについては当該総代と組合の双方が共同被告となるべきであると解される。
原告は、本件訴えにおいて、昭和五八年六月二五日に一括して選出された被告の総代一八五名の選出手続の瑕疵を主張して、一八五名の総代の地位、資格がないことの確認を求めるものであるから、当該総代一八五名全員及び組合を共同被告とすべきところ、当該総代らを被告としないので、原告の本件訴は、当事者適格を欠くものといわなければならない。
二以上により原告の本件訴えは不適法であるから、その余の争点を判断するまでもなく、これを却下することとし、訴訟費用の負担につき、民訴法八九条を適用して主文のとおり判決する。
(道下徹 鬼頭李郎 前田博之)