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大阪地方裁判所 昭和58年(ワ)7562号 判決

一 請求原因1の事実(原告が本件甲ないし丙実用新案権を有していること)は、当事者間に争いがない。

二 甲ないし丙各考案の各構成要件がそれぞれ請求原因2(一)ないし(三)の各(1)記載のとおりであることは、当事者間に争いがない。

成立に争いのない甲第一ないし第三号証によれば、甲ないし丙各考案の各作用効果はそれぞれ請求原因2(一)ないし(三)の各(2)記載のとおりであると認められる(甲考案が同2(一)(2)のロの作用効果を奏することは、当事者間に争いがない。)。

三 請求原因3のうち、被告が安全帯用尾錠を取り付けた安全帯を業として販売してきて現に販売していること、右尾錠の構造の一部を昭和五九年一月頃改良したこと、改良前の尾錠(イ号物件)が別紙第一目録の構造の説明冒頭部分及び同1記載の構造を有し、厳密な意味での数値的正確性の点を除けば同目録添付イ号図面のとおりであること、改良後の尾錠(ロ号物件)が別紙第二目録の構造の説明冒頭部分記載の構造を有し、厳密な意味での数値的正確性の点を除けば同目録添付ロ号図面のとおりであることは、当事者間に争いがない。そして、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認める甲第二〇、第二一号証、イ号物件であることにつき争いのない検甲第一号証及びロ号物件であることにつき争いのない検乙第二号証によれば、右イ号図面及びロ号図面は、それぞれイ号物件及びロ号物件を三次元測定機を用いて正確に(少なくとも後記の甲ないし丙各考案との対比を行ううえで必要な範囲においては数値的正確性をもつて)測定した結果を記載した図面であると認められる。

別紙第一目録の構造の説明2、3及び別紙第二目録の構造の説明1、2の記載については当事者間に争いがあるので、検討する。

まず、別紙第一目録の構造の説明2及び別紙第二目録の構造の説明1の点についてみるに、右各説明のうち、「摺動体15´の突出部14´の端縁16´をやや裏方へ屈曲させて該端縁16´の表側角部16´´を最前端に位置させて」いる点は、前記イ号図面、ロ号図面の各第3図、第5図及び第6図の記載から明らかである。原告は、イ号物件、ロ号物件とも右表側角部16´´を「尾錠本体1´の右側辺3´の内縁17´に圧接することによりベルトを締着するようにした構造」であると主張するところ、前掲甲第二〇号証、検甲第一号証、検乙第二号証によれば、イ号物件、ロ号物件は、いずれも尾錠本体1´の右側辺3´の内縁17´が垂直ではなく表方へ向つて角度が付けられており、一方摺動体15の突出部14´の端縁16がやや裏方へ屈曲している結果、尾錠本体1´の右側辺3´の内縁17´と摺動体15´の突出部14´の端縁16´とは、完全に平行ではないけれども対向した形状になつており、安全帯のベルトを尾錠に挿通して摺動体15´を摺動させてベルトを締着した際には、摺動体15´の突出部14´の端縁16´はその表側角部16´´のみがベルトと接触するのではなく、端縁16´の面全体がベルトと接触し、右側辺3´の内縁17´に圧接することによりベルトを締着するものであることが認められる。一方、乙考案の実用新案登録請求の範囲にいう「該端縁16の表側角部16´を最前端に位置させてそれを尾錠本体1の右側辺3の内縁17に圧接することによりベルトを締着するようにした構造」とは、後記五記載のとおり、表側角部16´とベルトとが面接触ではなく線接触するようにしたことを意味するものであるから、乙考案の構成と対比するうえでは、イ号物件、ロ号物件の構成として「これを尾錠本体1´の右側辺3´の内縁17´に圧接することによりベルトを締着するようにした構造」と記述することは正確でなく、不適切であるというべきであり、右の「これを」とあるのを「表側角部16´´を含む端縁16´を」と訂正すべきである。

次に、別紙第一目録の構造の説明3及び別紙第二目録の構造の説明2の点についてみるに、前掲甲第二〇号証、検甲第一号証、検乙第二号証によれば、イ号物件、ロ号物件は、それぞれ右各説明部分記載の構造を有するものと認められる。被告は、イ号物件、ロ号物件の摺動体の七個の突出部は、上下両側部だけでなく他の空出部も中央突出部に対してやや低く形成されている旨主張するところ、なるほど右各証拠によれば、後記六記載のとおり、イ号物件、ロ号物件の摺動体15´の突出部14´の端縁16´には上下両側部に二個の低縁部180´、190´が設けられているほか、各低縁部180´、190´間に存在する五個の突出部も、そのうちの中央突出部に比べると左右各二個の突出部はわずかに低く形成されていることが認められるが(このことは前記イ号図面及びロ号図面の各第1図にも示されているところである。)、その程度は極めてわずかであり、低縁部180´、190´が明確に低く形成されているのとは異なり、丙考案との対比のうえで特に意味を有するものとも認められないので、前記各説明部分の記載を訂正すべきものとは認められない。

四 イ号物件の構成が甲考案の構成要件を充足することは両者の対比によつて明らかであり、したがつてイ号物件は甲考案の作用効果と同一の作用効果を奏するものと認められる。

よつて、イ号物件は甲考案の技術的範囲に属する。

五 乙考案とイ号物件、ロ号物件との対比

乙考案は、「摺動体15の突出部14の端縁16をやや裏方へ屈曲させるか又は表側からプレスして端縁16の部材の一部を前方に押し出すことにより該端縁16の表側角部16´を最前端に位置させてそれを尾錠本体1の右側辺3の内縁17に圧接することによりベルトを締着するようにした構造」を有する。

一方、イ号物件、ロ号物件は、前記のとおり、「摺動体15´の突出部14´の端縁16´をやや裏方へ屈曲させて該端縁16´の表側角部16´´を最前端に位置させて」いるものであるから、この点では乙考案と異ならない。

乙考案の実用新案登録請求の範囲は、続いて「それを尾錠本体1の右側辺3の内縁17に圧接することによりベルトを締着するようにした構造」と記載されているが、右の「それ」が「表側角部16´」を指すことは、実用新案登録請求の範囲の記載の文脈上明らかである。そして、前掲甲第二号証(本件乙公報)によれば、乙考案の明細書の考案の詳細な説明には、「従来この種の尾錠は第10図に示すように尾錠本体1の右側辺3の内縁17と摺動体15の突出部14の端縁16とは互に面接触によつてベルトを締着していたのでその締着力が弱く使用状態における一定以上の引張荷重が加わるとベルトが滑り所定の強度が得られなかつた。本案は斯様な欠点を除去し改善してベルト締着力が確実で高強度を有する尾錠を提供することをその目的とする」(本件乙公報2欄二~一〇行)、「……その最前端に位置した端縁16の表側角部16´がベルト19を尾錠本体1の右側辺3の内縁17へ圧接してベルトを締着するようにしているので端縁16によるベルト19の圧接は表側角部16´による線接触になると共に第9図でもわかるように端縁16はベルト挟圧部におけるベルトの湾曲部の内側において端縁16の表側角部16´によつて集中的にベルトを挟圧するからベルトが滑ることがなく高強度に耐え得る。」(同3欄一五~二三行)と記載されていることが認められ、これらの記載と前認定の乙考案の作用効果を併せ考えると、乙考案の尾錠は、最前端に位置した摺動体15の突出部14の端縁16の表側角部16´とベルトとが面接触ではなく線接触する構成としたものであり、線接触による集中的なベルトの挟圧によつて摩擦抵抗を大きくしてベルトを滑りにくくしており、またベルトに加わつた引張荷重が大きくなつた場合に、端縁16が裏方へ変形するようなことがあつても表側角部16´の線接触によるベルトへの挟圧でベルトは滑らず、高強度に耐え得るようにしたものであることが認められる。これに対し、前記三認定のとおり、イ号物件、ロ号物件は、いずれも尾錠本体1´の右側辺3´の内縁17´が垂直ではなく表方へ向つて角度が付けられており、その結果尾錠本体1´の右側辺3´の内縁17´と摺動体15´の突出部14´の端縁16´とは完全に平行ではないけれども対向した形状になつており、安全帯のベルトを尾錠に挿通して摺動体15´を摺動させてベルトを締着した際には、摺動体15´の突出部14´の端縁16´はその表側角部16´´のみがベルトと接触するのではなく、端縁16´の面全体がベルトと接触し、右側辺3´の内縁17´に圧接することによりベルトを締着するものである。すなわち、イ号物件、ロ号物件においては、摺動体15´の突出部14´の端縁16´とベルトとが線接触ではなく、面接触する構造となつているのである。

したがつて、イ号物件、ロ号物件は、いずれも乙考案の「それを尾錠本体1の右側辺3の内縁17に圧接することによりベルトを締着する」という構成を欠き、その結果乙考案の前記作用効果を奏しないから、乙考案の技術的範囲に属しない。

六 丙考案とイ号物件、ロ号物件との対比

1 被告は、丙考案の構成はその出願前に公知であつたから、丙考案の技術的範囲は限定解釈されるべきであり、または、本件丙実用新案権に基づく原告の請求は権利の濫用であると主張するので、まず被告の挙示する公知資料について検討する。

(一) 検乙第一号証について

被告代表者本人尋問の結果(第一回)によれば、検乙第一号証は、昭和四六年頃から被告が販売していた旧製品の安全帯用尾錠であることが認められる。そこで、検乙第一号証を検するに、右尾錠の形状は別紙参考図記載のとおりであり、摺動体の端縁にはギザギザ状に八つの突出部が設けられており、上下両側部(右図面F、G部)は右突出部の間の谷部と同じ高さに形成されており、各突出部の山部と比べると明確に低くなつていることが認められるけれども、右尾錠にベルトを挿通して摺動体で締着すれば、摺動体の端縁は右各突出部の山部においてベルトに接着し、谷部と同じ高さに形成されている両側部F、Gはベルトに接触せず、同部分はベルトの締着作用に関係しないことが明らかである。

右事実によれば、検乙第一号証の尾錠は、丙考案の構成要件の一部である「低縁部を設けてベルトの両側縁部の締着力を他の部分よりも弱くするように構成して成る構造」を備えていないから、丙考案とは異なる。

(二) 乙第三一、第二号証について

成立に争いのない乙第三一号証は、昭和四七年八月一八日出願の「墜落防止用安全帯のバツクル」の考案の実用新案登録願(実願昭四七―九六八三八)であり、成立に争いのない乙第二号証はその公開公報(実開昭四九―五五二九九)であるところ、右乙第二、第三一号証によれば、右考案は丙考案の尾錠と同種の尾錠に関するものであり、右公開公報の図面Fig・1には、右尾錠の摺動体の端縁の上下両側部に外側に向かつて曲線低縁部が形成されている構造が図示されていることが認められる。しかし、右考案は、前掲乙第二号証によれば、摺動体の上板の両端部を延長してそこに凹凸部を有する操作片を設けたことを特徴とする尾錠の考案であつて、摺動体の端縁の構造、機能に関するものではないことが認められ、右乙第二、第三一号証には、前記摺動体端縁の上下両側部の曲線低縁部について何らの言及もなされておらず、前記図面のみから、右低縁部がベルト締着との関係で何らかの機能を有するものと判断することはできない。

したがつて、右乙第二、第三一号証は、丙考案の構成要件の一部である「低縁部を設けてベルトの両側縁部の締着力を他の部分よりも弱くするように構成して成る構造」を開示したものとは到底いえず、丙考案が右乙第二、第三一号証の存在によつて新規性のないものと解することはできない。

(三) 乙第三二、第三三号証について

成立に争いのない乙第三二号証は、昭和四八年一月二二日出願の「バツクル」についての考案の実用新案登録願(実願昭四八―一一〇三四)であり、成立に争いのない乙第三三号証はその公開公報(実開昭四九―一一二四二八)であるところ、右乙第三二、第三三号証の図面Fig.1及び同4には、右バツクルの摺動体の端縁の上下両側部の突出部が外側に向つて斜めに切欠された形状が図示されていることが認められる。しかし、右乙第三二、第三三号証には右切欠部分について何らの記述もなく、右図面から右切欠部がベルトの締着力を他の部分より弱くする機能を有するものと判断することはできない。

したがつて、右乙第三二、第三三号証は、丙考案の構成要件の一部である「低縁部を設けてベルトの両側縁部の締着力を他の部分よりも弱くするように構成して成る構造」を開示したものとはいえず、丙考案が右乙第三二、第三三号証の存在によつて新規性のないものと解することはできない。

以上のとおりであるから、丙考案の構成がその出願前に公知であつたことを前提とする被告の前記主張は失当である。

2 そこで、丙考案とイ号物件、ロ号物件とを対比するに、イ号物件、ロ号物件は、それぞれ別紙第一目録及び第二目録の各構造の説明冒頭部分記載の構造の尾錠であり、かつ墜落防止安全帯用尾錠であるから、丙考案の構成要件A及びCを充足する。

3 次に、イ号物件、ロ号物件は、いずれも「摺動体15´の突出部14´の端縁16´の上下両側部に上記端縁16´の中央部分よりも左右の方向へやや低くした低縁部180´、190´を設けてベルトの両側縁部の締着力を他の部分よりも弱くするように構成して成る構造」を有するものであるから、丙考案の構成要件Bを充足する。

被告は、イ号物件、ロ号物件は、摺動体の突出部の端縁に両側部に限らず低縁部を設け、全体として湾曲状の形状を有する摺動体端縁とした点で丙考案とは異なる旨主張する。なるほど、イ号物件、ロ号物件は、前記イ号図面、ロ号図面から明らかなとおり、摺動体15´の突出部14´の端縁16´の両側部に二個の低縁部180´、190´があり、その間に五個の突出部があるところ、前掲甲第二〇号証によれば、右五個の突出部は、中央の突出部に比べるとその周辺の突出部がわずかずつ順次低くなつていることが認められる。しかし、右甲第二〇号証によれば、イ号物件、ロ号物件の前記低縁部180´、190´は前記五個の突出部のうちの中央突出部の最先端から一ミリメートル余低くなつているのに対し、他の四個の突出部が中央突出部から低くなつている程度は、イ号物件で〇・〇三七ないし〇・三七五ミリメートル程度、ロ号物件で〇・〇二ないし〇・二九八ミリメートル程度にすぎないことが認められる。右のとおり、イ号物件、ロ号物件は、いずれも摺動体の突出部の端縁を中央部分が最も突出した湾曲状の形状にしたものではあるが、その湾曲の程度は極めてわずかであり、上下両側部の端縁にはその隣接する突出部よりも明確に低く形成した低縁部を設けているから、丙考案の構成要件Bの「端縁の中央部分よりも左右の方向へやや低く形成した低縁部」を有し、かつ「ベルトの両側縁部の締着力を他の部分よりも弱くするように構成して成る構造」を持つものであることに何ら変りないことが明らかである。本件丙公報(前掲甲第三号証)の考案の詳細な説明中には、摺動体の突出部の端縁を湾曲状に形成することに関する記述はないが、端縁の形状を限定する趣旨の記載もないから、端縁の上下両側部に端縁の中央部分よりも左右の方向へやや低く形成した低縁部を設け、ベルトの両側縁部の締着力を他の部分よりも弱くするように構成する限り、端縁の形状について限定していない趣旨と解される。丙考案は、前掲甲第三号証によれば、前記低縁部を設けたことにより「ベルト締着力は低縁部18、19の部分を除いたベルト中央部分に主に集中して加わるようにし、ベルトが一番切断しやすい両側縁部は弱く締着するようにしてベルトの片側縁へ片寄つた荷重がかかるのを防止して常にベルト挟着部は正常な状態でベルト全体を平均して挟圧するのでベルトの保有強度を有効に生かす」という作用効果を奏するものであることが認められるが、イ号物件、ロ号物件も、前記のとおり低縁部180´、190´を設けたことにより右と同様の作用効果を奏することは明らかであり、このことは、摺動体の突出部の端縁をわずかに湾曲状に形成したことによつて左右されるものではない。

したがつて、イ号物件、ロ号物件は、いずれも丙考案の構成要件Bを充足する。

4 右の結果、イ号物件、ロ号物件は、丙考案の作用効果と同様の作用効果を奏するものと認められる。

5 よつて、イ号物件、ロ号物件は、丙考案の技術的範囲に属するものというべきである。

七 先使用の抗弁について

1 被告は、甲、丙各考案の出願前に右各考案の内容を知らずに自ら考案し、その試作品を完成して右各考案の実施である事業の準備をしていた旨主張するので、検討する。

被告の右主張に副う証拠として、証人金谷利清、同永良武郎の各証言及び被告代表者本人尋問の結果(第一、二回)中には次のような供述部分がある。すなわち、被告は、昭和五〇年五月頃、それまで販売してきた旧型の尾錠(検乙第一号証)に代えて溶接しない新尾錠を販売することを企図し、従前から尾錠の製作を下請させていた太平機工に新型尾錠の開発を依頼した。太平機工では、右依頼に応じて溶接しない尾錠の試作に取り組み、数回にわたり試作品を作り直して引張試験を行い、同年八月中旬までには、甲、乙、丙各考案の構成を含む尾錠の試作品を製作し、同月一四日大阪府立工業技術研究所で太平機工の担当者のほか被告代表者も立会つて右尾錠の摺動体の上下の鉄板の間に挟む鉄板(かしめ部材)の厚さを変えたもの数種類について引張試験を実施した。右引張試験では試作品の引張強度について概ね満足のいく結果が得られたが、太平機工の担当者等から被告代表者に対し、摺動体の構造について、鉄板を重ねるよりも摺動体裏側からプレスすればよいのではないかとの提案がなされ、被告代表者は、その方が工程上やりやすければその方法を採用するようにと指示し、早く製品化するよう命じた。その後、右提案に従つて改善された尾錠の最終試作品が太平機工によつて同月末ないし同年九月初めに完成され、その頃訴外三陽製作所に金型の発注がなされた。右金型は、焼きの入つていない状態のものが同年一〇月初め頃太平機工に納品になり、同社では同年一一月頃までに右金型を使つて製作した尾錠の試験を行い、金型に修正を加えて完全なものとし、同年一一月八日頃には展示用の尾錠を被告に納品した。そして、同年一二月には販売用の新型尾錠が被告に納品され、被告は昭和五一年一月から右尾錠の販売を始めた。右新型尾錠がイ号物件(検甲第一号証)である。

しかしながら、イ号物件の製品化の経過に関する右証人金谷、同永良及び被告代表者本人の各供述部分は、以下に述べるとおり、これを全面的に信用することはできない。まず、成立に争いのない乙第一号証は、昭和五〇年八月一四日付の大阪府立工業技術研究所作成の報告書であつて、右には、被告の依頼に基づき供試品「新バツクル」の鉄板かしめ品の厚さを三種類に替えたもの五個について引張試験を実施した結果の記載があり、前記各供述部分の内容と一致するものではあるが、右報告書自体には、供試品である尾錠の構造等についての記載が一切なく、前記各供述部分にあるように甲、乙、丙各考案の構成を含んだ尾錠の試作品であつたかどうか明らかではない。他に太平機工において昭和五〇年八月中旬頃までに製作したという尾錠の試作品の構造を明らかにする客観的資料は存在しない。また、右各供述部分によれば、太平機工では新型尾錠の金型を同年八月下旬ないし九月初めに発注したというのであるが、このことを裏付ける的確な証拠もない。かえつて、証人永良の証言によつて真正に成立したものと認める乙第三、第七号証によれば、太平機工の仕入元帳のうえでは金型の納品が記載されているのは同年一二月一〇日であることが認められ、この点について同証人は、右仕入元帳の記載は被告の締切りの関係で右時点に記載したものにすぎず、実際は同年一〇月上旬に金型は納品され、その後ガイドを加えたり修正を施したものであると証言しているけれども、右仕入元帳の記載に照らすと金型の発注時期についての前記供述部分には疑問が残る。さらに、成立に争いのない乙第一〇、第一一号証及び被告代表者本人尋問の結果(第二回)によれば、昭和五一年二月頃被告が発行したカタログ(乙第一〇号証)では、昭和五〇年九月八日付労働省告示により安全帯の規格が定められ、昭和五一年一月一日から適用される旨の記載があるのに、被告が新たに新型尾錠を開発した旨の記載はないし、右カタログに登載された各種安全帯の中にイ号物件の尾錠を使用したものが存在するか否か明らかではなく、イ号物件の尾錠が被告発行のカタログに登載されていることがはつきりしているのは昭和五二年一一月に発行されたカタログ(乙第一一号証)からであると認められる。右のようなカタログの記載の経過からみても、イ号物件の開発が前記各供述部分にいうような時期に行われ、製品化されたとするには疑問がある。

右のとおり、前記証人金谷、同永良及び被告代表者の前記各供述部分をたやすく信用することはできないが、仮に右供述部分の内容が真実だとしても、なお、被告が主張するような甲、丙各考案についての先使用権の成立を肯定することはできない。すなわち、実用新案法二六条が準用する特許法七九条にいう発明の実施である「事業の準備」とは、「特許出願に係る発明の内容を知らないでこれと同じ内容の発明をした者又はこの者から知得した者がその発明につき、いまだ事業の実施の段階には至らないものの、即時実施の意図を有しており、かつ、その即時実施の意図が客観的に認識される態様、程度において表明されていることを意味すると解するのが相当である」(最高裁判所昭和六一年一〇月三日判決、民集四〇巻六号一〇六八頁参照)ところ、前記各供述部分によれば、昭和五〇年八月一四日の時点で甲、丙各考案の構成を含む尾錠の試作品が製作されていたとしても、いまだ試作品の段階にとどまつており、同日の引張試験の結果一応満足のいく結果が得られたといつても、さらに改良することになつたものであり、右時点で即時実施の意図があつたものと認めることはできない。結局、前記各供述部分によれば、被告ないし太平機工において開発した新型尾錠について即時実施の意図が客観的に認識される態様、程度において表明されたとみられるのは、早くとも、右引張試験後改良を加えた試作品が完成し、金型の発注がなされた時点であるというべきところ、金型の発注時期は同年八月下旬ないし九月初めというのであつて、不明確であり、丙考案の出願日である同年八月二〇日及び甲考案の出願日である同月二二日よりも前であるとは断定できないのである。

以上のとおりであるから、被告の前記主張は失当である。

2 次に被告は、丙考案の出願前から同考案と同一構成の検乙第一号証の尾錠を販売してきたから、本件丙実用新案権につき先使用による通常実施権を有すると主張する。

しかし、検乙第一号証の尾錠と丙考案との構成を異にすること前示のとおりであるから、被告の右主張は失当である。

八 以上の事実によれば、被告が業としてロ号物件の尾錠を取り付けた安全帯を販売することは、本件丙実用新案権を侵害するものであるから、原告は被告に対し、右販売の差止め及びロ号物件の廃棄を請求することができる。また、被告は、イ号物件の尾錠を取り付けた安全帯を業として販売したことにより本件甲実用新案権及び本件丙実用新案権を侵害したものであり、ロ号物件の尾錠を取り付けた安全帯を業として販売したことにより本件丙実用新案権を侵害したものであり、被告には右侵害行為について過失があつたものと推定されるから、右侵害行為によつて原告が被つた損害を賠償する義務がある。

九 損害について

1 成立に争いのない甲第一三号証、第一六ないし第一九号証の各一、二、被告代表者本人尋問の結果(第三回)及び弁論の全趣旨を総合すれば、被告は、昭和五五年七月二日から同六一年一〇月三一日までの間にイ号物件を取り付けた安全帯及びロ号物件を取り付けた安全帯を合わせて別表全期間欄記載のとおり、0―3二号につき二万六五八〇本、価額合計四一〇一万八六四〇円、0―3五〇号につき八四三五本、価額合計二四六九万三六五〇円、0―8二号につき一万一〇九一本、価額合計一九〇一万四四七〇円、0―8五〇号につき七一三二本、価額合計二一二四万二三二〇円販売した事実が認められる。

原告は、右のうち、イ号物件を取り付けた安全帯は昭和五九年五月三一日まで販売され、それ以降はロ号物件を取り付けた安全帯が販売された旨主張するが、イ号物件を取り付けた安全帯とロ号物件を取り付けた安全帯の販売状況を右主張のように截然と区分できる証拠はない。被告代表者本人尋問の結果(第三回)によれば、被告は、イ号物件及びロ号物件の安全帯用尾錠を太平機工から仕入れていたことが認められるところ、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認める乙第二〇号証及び被告代表者本人尋問の結果(第三回)によれば、イ号物件については、昭和五八年一二月一九日に五一〇個を仕入れ、その後昭和五九年三月一〇日に二〇〇〇個を仕入れており、これがイ号物件を仕入れた最後であること、一方ロ号物件については、同年一月二一日に四八〇個を仕入れたのが最初であり、その後同年三月一〇日までの間で見ると同年二月四日に五二〇個、同月九日に二四八〇個を仕入れていることが認められる。前掲甲第一三号証によれば、昭和五九年一月一日から同年五月三一日までの間に被告が販売したイ号物件又はロ号物件を取り付けた安全帯は0―3二号につき一九七〇本、価額合計三〇五万二八六〇円、0―3五〇号につき一〇六二本、価額合計三〇五万九〇五〇円、0―8二号につき七二八本、価額合計一二三万三四五〇円、0―8五〇号につき八四六本、価額合計二三六万九七二〇円であり、以上合計四六〇六本、価額合計九七一万五〇八〇円になることが認められるところ、前記認定のイ号物件及びロ号物件の仕入状況からすれば、昭和五五年七月二日から同五八年一二月三一日までに販売された安全帯はすべてイ号物件を取り付けたものであるが、同五九年一月一日から同年五月三一日までの間に販売された安全帯四六〇六本は、イ号物件を取り付けたものとロ号物件を取り付けたものの双方が混在しており、その内イ号物件を取り付けた安全帯は二〇〇〇本程度であると推認することができ、その価額は本数に応じて按分すると四二一万八四四五円であると推認できる。昭和五五年七月二日から同五八年一二月三一日までに被告が販売したイ号物件を取り付けた安全帯の総数は二万六六六五本、価額合計は四七一〇万七七七〇円であるから、イ号物件を取り付けた安全帯の総数は二万八六六五本、価額合計は五一三二万六二一五円となりロ号物件を取り付けた安全帯の販売総数は二万四五七三本、価額合計は五四六四万二八六五円となる。

2 原告は、被告がイ号物件を取り付けた安全帯及びロ号物件を取り付けた安全帯を販売したことにより被つた損害の額として、考案の実施に対し通常受けるべき実施料相当額を請求し、右実施料は一考案につき安全帯の販売価格の二パーセントが相当である旨主張する。

前示のとおり、被告がイ号物件を取り付けた安全帯を販売したことは本件甲実用新案権及び丙実用新案権を侵害したものであり、その販売価額合計は五一三二万六二一五円となり、ロ号物件を取り付けた安全帯を販売したことは本件丙実用新案権を侵害したものであり、その販売価額合計は五四六四万二八六五円となるところ、これら各考案の実施に対し通常受けるべき金銭の額を算出するための実施料率については、他によるべき資料もないので、当裁判所に顕著な国有特許権実施契約書(官有特許運営協議会決定、昭和二五年二月二七日特総第五八号、改正昭和四二年五月二六日特総第五三三号、改正昭和四七年二月九日特総第八八号、特許庁長官通牒)の「実施料算定方式」に準拠することとする。

右によれば、実施料率は、

実施料率=基準率×利用率×増減率×開拓率

の算式によつて求められる。そして、販売価格を基礎として実施料を算定する場合の基準率は、実施価値の上、中、下により四、三、二パーセントの中から選択されるものであるが、甲考案及び丙考案については、実施価値を高いとも低いとも認めるべき特段の資料もないから、これをいずれも「中」とみて基準率を三パーセントとするのが相当である。

次に、利用率についてみるに、成立に争いのない甲第一一、第一二号証、被告代表者本人尋問の結果(第二回)により真正に成立したものと認める乙第一六号証の二、同本人尋問の結果(第三回)により真正に成立したものと認める乙第一八ないし第二七号証、第三〇号証及び同本人尋問の結果(第二、三回)並びに弁論の全趣旨を総合すれば、イ号物件又はロ号物件の尾錠を取り付けて被告が販売してきた安全帯は、尾錠(バツクル)のほか、ベルト、ロープ、フツク、D環、金具類、袋等から構成され、安全帯全体の原価構成のうちで尾錠の占める割合は一四ないし一六パーセントであること、安全帯は高所作業時の墜落防止、安全確保を主たる目的とするが、そのために尾錠が果す役割は大きいこと、しかし、尾錠だけでなく、ベルト、ロープ、フツクその他の部品についても所定の性能、強度が要求され、JISや労働省告示によつて規格が定められており、これらの部品全体の共働によつて安全帯の安全性、機能性が確保されていることが認められる。右事実に、甲考案及び丙考案が尾錠に関する考案であること及び前示認定の作用効果を有するものであることを併せ考えると、甲考案及び丙考案が被告製品の安全帯に占める利用率は各三〇パーセントと認めるのが相当である。

増減率及び開拓率については、いずれも一〇〇パーセントから減ずべき特段の事情も認められないから、それぞれ一〇〇パーセントとすべきである。

そうすると、甲考案及び丙考案の実施料率は、それぞれ前記算式により〇・九パーセントとなる。

したがつて、イ号物件を取り付けた安全帯についての実施料相当損害金は、前示販売価額合計五一三二万六二一五円に一・八パーセント(甲考案及び丙考案の実施料率各〇・九パーセントの合計)を乗じて得られる九二万三八七一円(円未満切捨)であり、ロ号物件を取り付けた安全帯についての実施料相当損害金は、前示販売価額合計五四六四万二八六五円に〇・九パーセント(丙考案の実施料率)を乗じて得られる四九万一七八五円(円未満切捨)となる。

一〇 以上の次第で、原告の本訴請求は、被告に対し本件丙実用新案権に基づきロ号物件を取り付けた安全帯の販売の差止め及びロ号物件の廃棄を求め、不法行為に基づく損害合計金一四一万五六五六円及びいずれも不法行為の後である内金九二万三八七一円に対する昭和六〇年六月一五日から、内金四九万一七八五円に対する昭和六一年一二月二四日から各完済まで民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから、右限度でこれを認容し、その余は失当であるから棄却する。

〔編註その一〕 本件における実用新案権は左のとおりである。

(一) 考案の名称 墜落防止安全帯用尾錠

出願日   昭和五〇年八月二二日

出願公告日 昭和五五年六月四日

登録日   昭和五六年一月三〇日

登録番号  第一三六三八四二号

実用新案登録請求の範囲

別添実用新案公報(一)(実用新案出願公告昭五五―二三三六一)該当欄記載のとおり

(二) 考案の名称 墜落防止用安全帯の尾錠

出願日   昭和五〇年九月二日

出願公告日 昭和五五年六月四日

登録日   昭和五六年一月三〇日

登録番号  第一三六三八四三号

実用新案登録請求の範囲

別添実用新案公報(二)(実用新案出願公告昭五五―二三三六二、以下「本件乙公報」という。)該当欄記載のとおり

(三) 考案の名称 墜落防止安全帯用尾錠

出願日   昭和五〇年八月二〇日

出願公告日 昭和五五年七月一日

登録日   昭和五六年二月二六日

登録番号  第一三七〇一一五号

実用新案登録請求の範囲

別添実用新案公報(三)(実用新案出願公告昭五五―二七四四二、以下「本件丙公報」という。)該当欄記載のとおり

〔編註その二〕 本願各考案の構成要件および作用効果は左のとおりである。

(一) 甲考案

(1) 構成要件

A 左右の側辺2、3と上下の側辺7、8と中間辺4とによつて形成した近似横日字形の尾錠本体1にベルト締着用の摺動体15を取り付け、尾錠本体1の右側辺3の内縁17と摺動体15の突出部14の端縁16とによつてベルトを締着する構造又は之に類似する構造の尾錠において

B 摺動体15を構成する摺動板10に設けたベルト挿通孔9の右側縁部19を湾曲状に突出させて成る構造を特徴とする。

C 墜落防止安全帯用尾錠

(2) 作用効果

イ 摺動体15を矢印A方向のベルト締着方向へ引張る場合は、その右側縁部19でベルト20が屈曲し、その屈曲率は、該突出部の中央部に当るベルトの中央部分が一番大きく、両側縁に行くに従い徐々に屈曲率を小さくして、引張荷重時の荷重を一番裂け難いベルト中央部に一番強く加わるようにし、ベルト両側縁に向つて徐々に荷重負担を軽減するように構成しているので、ベルト20は、常に真直ぐな状態で張力がかかり、摺動体15も同方向へ真直ぐに引つ張られるから、ベルトの挟圧作用が確実となる。

ロ ベルト挿通孔9の右側縁19との接触によつて、ベルトの両縁部より引き裂かれることがないから、ベルト20の保有強度を有効に生かすことができる。

ハ 摺動体15のベルト挿通孔9の右側縁部19が湾曲状に突出しているので、その湾曲突出部の頂部がベルト20の中央部に突き刺さるような状態になり、その部分でのベルト屈曲による摩擦抵抗が大きくなり、摺動体15をベルト締着方向へ強力に引つ張ることができる。

(二) 乙考案

(1) 構成要件

A 左右の側辺2、3と上下の側辺7、8と中間辺4とによつて形成した近似横日字形の尾錠本体1にベルト締着用の摺動体15を取り付け、尾錠本体1の右側辺3の内縁17と摺動体15の突出部14の端縁16とによつてベルトを締着する構造又は之に類似する構造の尾錠において、

B 摺動体15の突出部14の端縁16をやや裏方へ屈曲させるか、又は表側からプレスして端縁16の部材の一部を前方に押し出すことにより該端縁16の表側角部16´を最前端に位置させてそれを尾錠本体1の右側辺3の内縁17に圧接することによりベルトを締着するようにした構造を特徴とする。

C 墜落防止用安全帯の尾錠

(2) 作用効果

イ 摺動体15に設けた突出部14の端縁16によるベルト19の圧接は、表側角部16´による線接触になると共に、端縁16はベルト挟圧部におけるベルトの湾曲部の内側において端縁16の表側角部16´によつて集中的にベルトを挟圧するから、ベルトが滑ることなく高強度に耐え得る。

ロ この種尾錠は、使用状態の引張荷重が加わると、挟圧された部分のベルトは裏方へ引つ張られるので、その挟圧部、特に摺動体15の突出部14の端縁16部はそれらの作用によつて裏方へ曲げられて変形するので、その変形によつてベルトの挟圧状態が逐次変わるからベルトが滑る原因になつていたが、本考案では、端縁16の表側角部16´が尾錠本体1の右側辺3の内縁17に圧接するようにしているので、低荷重から高荷重に至つても常に同じ状態でベルトを挟圧する。

ハ 摺動体15の端縁16部が裏方へ変形するようなことがあつても表側角部16´による挟圧状態は変らず、高荷重に耐え得て高強度を有する安全な尾錠を提供し得る。

(三) 丙考案

(1) 構成要件

A 左右の側辺2、3と上下の側辺7、8との中間辺4とによつて形成した近似横日字形の尾錠本体1にベルト締着用の摺動体15を取り付け、尾錠本体1の右側辺3の内縁と摺動体15の突出部14の端縁とによつてベルトを締着するようにした構造又は之に類似する構造の尾錠において、

B 摺動体15の突出部14の端縁16又は尾錠本体1の右側辺3の内縁17及びその両方の上下両側部に上記端縁16又は内縁17の中央部分よりも左右の方向へやや低く形成した低縁部18、19を設けてベルトの両側縁部の締着力を他の部分より弱くするように構成して成る構造を特徴とする

C 墜落防止安全帯用尾錠

(2) 作用効果

イ 尾錠にベルト21を挿通して使用状態の引張荷重を加えた時に、摺動体15の端縁16と尾錠本体1の内縁17とによるベルト締着力は、低縁部18、19の部分を除いたベルト中央部分に主に集中して加わるようにし、ベルトが一番切断しやすい両側縁部は弱く締着するようにして、ベルトの片側縁へ片寄つた荷重がかかるのを防止し、常にベルト挟圧部は正常な状態でベルト全体を平均して挟圧するので、ベルトの保有強度を有効に生かすようにしてあり、強度が高く安全な尾錠を得ることができる。

ロ 構成が簡単で安価に提供することができると共に、従来品を、摺動体15の端縁16又は尾錠本体1の内縁17の上下両側部を少し削り落すことにより、容易にこの構造に改良することができる。

〔編註その三〕 本件に関する目録は左のとおりである。

第一目録

構造の説明

添付図面に示すように、左右の側辺2´、3´と上下の側辺7´、8´と中間辺4´とによつて形成した近似横日字形の尾錠本体1´にベルト締着用の摺動本体15´を取り付け、尾錠本体1´の右側辺3´の内縁17´と摺動体15´の突出部14´の端縁16´とによつてベルトを締着する構造又は之に類似する構造の尾錠において、

1 摺動体15´を構成する摺動板10´に設けたベルト挿通孔9´の右側縁部19´を湾曲状に突出させた構造

2 摺動体15´の突出部14´の端縁16´をやや裏方へ屈曲させて該端縁16´の表側角部16´´を最前端に位置させてこれを尾錠本体1´の右側辺3´の内縁17´に圧接することによりベルトを締着するようにした構造

3 摺動体15´の突出部14´の端縁16´の上下両側部に上記端縁16´の中央部分よりも左右の方向へやや低くした低縁部180´、190´を設けてベルトの両側縁部の締着力を他の部分よりも弱くするように構成して成る構造を特徴とする安全帯用尾錠。

図面の説明

添付図面は、被告の製造販売にかかる安全帯用尾錠を示す図面で、

1 第一図は平面図

2 第二図は側面図

3 第三図は正面図

4 第四図は底面図

5 第五図は第一図におけるX―X線上の縦断面図

6 第六図は使用状態を示す縦断面図的説明図

である。 以上

イ号図面

<省略>

<省略>

<省略>

第二目録

構造の説明

添付図面に示すように、左右の側辺2´、3´と上下の側辺7´、8´と中間辺4´とによつて形成した近似横日字形の尾錠本体1´にベルト締着用の摺動本体15´を取り付け、尾錠本体1´の右側辺3´の内縁17´と摺動体15´の突出部14´の端縁16´とによつてベルトを締着する構造又は之に類似する構造の尾錠において、

1 摺動体15´の突出部14´の端縁16´をやや裏方へ屈曲させて該端縁16´の表側角部16´´を最前端に位置させてこれを尾錠本体1´の右側辺3´の内縁17´に圧接することによりベルトを締着するようにした構造

2 摺動体15´の突出部14´の端縁16´の上下両側部に上記端縁16´の中央部分よりも左右の方向へやや低くした低縁部180´、190´を設けてベルトの両側縁部の締着力を他の部分よりも弱くするように構成して成る構造を特徴とする安全帯用尾錠。

図面の説明

添付図面は、被告の製造販売にかかる安全帯用尾錠を示す図面で、

1 第一図は平面図

2 第二図は側面図

3 第三図は正面図

4 第四図は底面図

5 第五図は第一図におけるX―X線上の縦断面図

6 第六図は使用状態を示す縦断面図的説明図

である。 以上

ロ号図面

<省略>

<省略>

<省略>

(以下省略)

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