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大阪地方裁判所 昭和59年(わ)4529号 判決 1985年1月11日

本籍

大阪市平野区背戸口二丁目九番地

住居

大阪市平野区背戸口二丁目九番八号

簡易旅館業及び不動産賃貸業

山田和子

昭和七年二月二二日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官竹下勇夫出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年及び罰金一六〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判が確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、大阪市西成区萩之茶屋一丁目二番二一号ほかにおいて、簡易旅館業を、大阪市平野区背戸口五丁目六番二〇号において、不動産賃貸業を営むものであるが、自己の所得税を免れようと企て、

第一  昭和五六年分の所得額が別紙一のとおり、七一、九〇〇、七〇二円で、これに対する所得税額が三九、二七七、四〇〇円であるのにかかわらず、宿泊料、家賃等の収入の一部を除外するなどの行為により所得を秘匿した上、同五七年三月一五日、大阪市平野区平野西二丁目二番二号所在の所轄東住吉税務署において、同税務署長に対し、課税される所得金額はなく、還付を受ける源泉所得税額が三九〇、四八〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、所得税三九、六六七、八〇〇円を免れ、

第二  昭和五七年分の所得金額が別紙二のとおり、六三、〇四一、二四二円、課税土地譲渡利益金六五六、四五五円で、これに対する所得税額が三三、四八〇、四〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により、右所得の一部及び課税土地譲渡利益を秘匿した上、同五八年三月一四日、前記税務署において、同税務署長に対し、同年分の所得金額が二、五三一、六一九円で、これに対する所得税額が一五、八〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税三三、四六四、六〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する各供述調書

一  被告人の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  山本和子、新垣眞次郎、余瀬和久の検察官に対する各供述調書

一  山本和子、山田和子、寺田二朗、新垣眞次郎、為安光、金瀬知久、山田和英、西村光二、森川雅博、室谷忠信の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  大蔵事務官作成の各査察官調査書(但し、検察官請求証拠番号16、18、19、30については、判示第一の事実についてのみ、同番号22、32乃至35は判示第二の事実についてのみ)

一  大蔵事務官作成の青色申告書承認の取消しの証明書

一  大蔵事務官作成の昭和五五年分所得税確定申告書謄本

判示第一の事実につき

一  大蔵事務官作成の昭和五六年分所得税確定申告書謄本

判示第二の事実につき

一  大蔵事務官作成の昭和五七年分所得税確定申告書謄本

(法令の適用)

判示各所為 所得税法二三八条一項、二項

併合加重 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条一項、二項(懲役刑につき犯情の重い判示第一の罪の刑に加重)

換刑処分 刑法一八条

執行猶予 刑法二五条一項(懲役刑につき)

訴訟費用の負担 刑事訴訟法一八一条一項本文

よって主文のとおり判決する。

(裁判官 柴田秀樹)

別紙一

昭和56年分

<省略>

税額計算書

<省略>

別表一 修正損益計算書

自 昭和56年1月1日

至 昭和56年12月31日

<省略>

別紙二

昭和57年分

<省略>

税額計算書

<省略>

別表二 修正損益計算書

自 昭和57年1月1日

至 昭和57年12月31日

<省略>

別表五

<省略>

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