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大阪地方裁判所 昭和59年(ワ)1413号 判決 1988年8月08日

原告 木村明夫

右訴訟代理人弁護士 鈴木康隆

被告 国

右代表者法務大臣 林田悠紀夫

右指定代理人 梶山雅信

<ほか八名>

主文

一  原告の請求を棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  被告は原告に対し、一億一五三〇万円及びこれに対する昭和五八年一一月二二日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

3  仮執行宣言

二  請求の趣旨に対する答弁

1  主文同旨

2  担保を条件とする仮執行免脱宣言

第二当事者の主張

一  請求原因

1  主位的請求原因

(一) 原告は、昭和五七年一二月一三日奈良県五條市本町二丁目字東浄寺前六三一番一所在宅地二五四・一一平方メートル(以下「本件土地」という。)を前所有者である二見貞睦から買い受けてその所有権を取得し、その旨の所有権移転登記手続を経由した。

(二) 本件土地は、別紙図面の赤斜線部分の土地(以下「本件道路敷」という。)に当たる。

(三) 被告は、従前から本件土地を国道二四号の道路敷として占有し使用しており、そのため原告は、使用収益を妨げられている。

(四) 本件土地は坪当たり一五〇万円の価値を有するから、右のとおりの被告による使用収益に対する妨害によって原告の被った損害は一億一五三〇万円(算式 150万円×76.87坪≒1億1530万円)となる。

(五) よって、原告は被告に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき一億一五三〇万円及びこれに対する不法行為の後である昭和五八年一一月二二日から支払ずみまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

2  予備的請求原因

仮に被告が本件道路敷の所有権を取得していたとしても、被告は本件土地についてその旨の所有権移転登記手続を経由すべきであるのにそれを怠ったのであり、そのために原告は主位的請求原因(三)に記載の損害を被ったのである。

よって、原告は被告に対し、主位的請求原因(四)と同額の金員の支払を求める。

二  請求原因に対する認否及び反論

1  請求原因1(一)の事実中本件土地についてその主張のような所有権移転登記手続が経由されていることは認め、その余は不知。

2  同1(二)の事実は否認する。売買の目的物となる土地は、買主が購入するものと認識した土地であるところ、原告が購入するものと認識した土地は本件道路敷に当たる土地ではなく、国道二四号に面したところに存在する別の土地である。

3  同1(三)の事実中被告が本件道路敷を国道二四号の道路敷として占有し使用していることは認める。

4  同1(四)の事実中本件土地の価値については不知、損害については否認する。

5  同2の事実は否認する。

三  抗弁

1  (買収)

仮に木件土地が本件道路敷に当たるとしても、本件道路敷は、昭和一五年頃奈良県五條町が町道として改築工事を施工した際、同町によって買収された。本件道路敷は、同年一〇月一日以降国道一五号として奈良県知事の管理するところとなり、同四〇年五月二七日一般国道の指定区間を指定する政令により被告が右知事より承継した。

2  (取得時効)

(一) 仮に右買収の事実が認められないとしても、右1のとおり本件土地は、少くとも昭和一五年一〇月一日以降奈良県知事によって道路敷地として占有が開始されたから、同二五年一〇月一日の経過又は同三五年一〇月一日の経過によって、時効により本件土地の所有権が取得され、被告は右1のとおりこれを承継したものである。

(二) 被告は本訴において右取得時効を援用する。

3  (適法な供用開始行為の存在)

仮に本件道路敷についての被告の所有権が認められず、又はその所有権取得をもって原告に対抗できないものとしても、本件道路敷は、昭和一五年頃奈良県五條町が町道としての改築工事を施工した際買収等の適法な手続によって道路用地として供され、同年一〇月一日国道一五号として奈良県知事によって供用開始されたものである。その後も右道路敷は同知事によって管理されていたが、同四〇年五月二七日一般国道の指定区間を指定する政令により被告が同知事から引継いで管理占有しているものである。

一般に道路敷地が、道路としてその管理者により適法に供用開始され、道路として使用されることとなったことにより加えられることになったその私権の行使に対する制限は、その後に至って、道路管理者が対抗要件を欠くため右道路敷地の使用権限をもって後に右敷地の所有権を取得した第三者に対抗しえないこととなっても、当該道路の廃止がなされない限り消滅しない。したがって、供用開始の後に当該敷地の所有権を取得した第三者は、上記の制限の加わった状態における土地所有権を取得するに過ぎず、道路管理者に対し、当該道路敷地たる土地についてその使用収益権の行使が妨げられていることを理由として損害賠償を求めることはできないというべきである。

本件道路敷は前記のとおり適法に供用開始行為がされ、道路として使用が開始されたものであるから、原告はこれにより使用収益を妨げられていることを理由として損害賠償を求めることはできない。

四  抗弁事実に対する認否

1  抗弁1の事実は否認する。

2  同2の事実中本件道路敷の奈良県知事又は被告による占有使用の事実は認めるが、その余は否認する。

3  同3の事実中本件道路敷の道路としての供用開始が適法にされたとの点は否認する。

五  再抗弁

本件道路敷が道路用地として買収されたことがあり、またその主張のような時効取得がされたとしても、被告はその所有権取得について登記を経由していないから、原告に対して所有権取得を対抗できない。

六  再抗弁事実に対する認否

再抗弁事実は否認する。

第三証拠《省略》

理由

一  主位的請求原因について

1  請求原因1(一)の事実中原告が本件土地について所有権移転登記を経由していることは当事者間に争いがなく、この事実に《証拠省略》を総合すると次の事実が認められる。

(一)  本件土地はもと竹原九八郎の所有であったところ、昭和二〇年八月一〇日家督相続により竹原幸八郎の所有となり、同三二年一二月三日同人の死亡によって竹原忠俊、竹原貞子、竹原幸子、竹原ヤヨイが共同相続し、その後二見貞睦(以下「二見」という。)の所有となった。

(二)  二見は不動産仲介業者の玉谷清治に本件土地の売却方を依頼し、右玉谷は同業者の山本に、さらに山本は同業者の清水敏博(以下「清水」という。)に買取先のあっせんを依頼したところ、清水は同五七年一一月ころ原告に本件土地の話を持ちかけ、原告はこれに同意し、同年一二月一三日二見から本件土地を二九〇〇万円で買い受けた(以下「本件売買契約」という。)。

以上の事実が認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。

なお、本件売買契約の目的物たる土地について、被告は買主である原告が購入するものと認識した土地、すなわち国道二四号に面して存在する土地であり、奈良国道工事事務所作成の図面(甲第九号証)において西山と表示されている土地であると主張する。

この点については、《証拠省略》によれば次の事実が認められる。

原告は、一〇年来商売上の付合いのある不動産仲介業者の清水から廉価な土地があると紹介されたが、その際清水は、地目宅地と記載のある本件土地に関する登記簿謄本及び同じく地目宅地と記載のある本件土地に関する土地課税台帳家屋課税台帳登録事項証明書を原告に見せたうえで、人は住んでいないが古い家が建っており、場所は五條警察署跡地近くでその並びであり、国道二四号に面している所である旨説明した。原告は、それまで数回清水の紹介で清水に金員を融資し、清水が土地を購入のうえ転売して利益を挙げた経験があったことから、本件においても清水を信用し、特に右土地の場所や現況を確認することなく、近いうちに転売し利益を挙げる目的で清水の勧めにより右土地を購入することを決めた。売買契約は清水が原告を代行して、二見との間で行ったが、右契約後原告は奈良国道工事事務所作成の図面(甲第九号証)を入手し、右図面によれば六三一番一の土地が西山と表示されている土地であることを知った。その後同五八年三月に至り、原告は同日付の土地課税台帳家屋課税台帳登録事項証明書や同月二四日付奈良国道工事事務所吏員作成の書面により、本件土地が国道二四号の道路敷地であることを知ったものである。

右認定事実によれば、原告が清水から土地の購入話をもちかけられた際には、購入しようとする土地の位置関係は何ら具体的には特定されていなかったものであり、原告は購入することを決めるに当たっては専ら奈良県五條市本町二丁目字東浄寺前六三一番一の土地の登記簿謄本(甲第一号証)や同所同番地の土地課税台帳家屋課税台帳登録事項証明書を見て参考にしたというのであるから、そうであるならば、原告が購入しようとした土地は前記認定のとおり右の六三一番一の土地(本件土地)と認めるのを相当とするというべきである。

2  次に、《証拠省略》によれば、現在本件土地は国道二四号の道路敷地となっていて、本件道路敷に当たるものであることが認められる。

この点について、成立に争いのない甲第一〇号証の一(五條市役所備付の地積図)、原本の存在及び成立に争いのない甲第九号証には、本件土地が国道二四号の道路敷地ではなくその脇に存在するがごとき記載があり、成立に争いのない甲第七号証(昭和五七年一二月一三日付の五條市長による土地課税台帳登録事項証明書)によれば本件土地は五條市の課税台帳では地目が宅地である旨登録され、その固定資産評価額として、六六一万〇一六三円とされていることが認められるが、他方《証拠省略》によれば右甲第一〇号証の一の地積図はその後本件土地を国道四四号の道路敷地として記載した前掲甲第一〇号証の二の地積図に訂正されたことが、《証拠省略》によれば本件土地の課税台帳上の地目も昭和五八年四月二〇日の時点では「宅地、現況道路敷(国道二四号線)」として非課税に改められていることがそれぞれ認められ、これと対比すると、前掲甲第七、第九号証、一〇号証の一をもってしては右認定を覆すには足りないというべきである。

3  被告が本件道路敷を国道二四号の道路敷地として占有使用してきたことは当事者間に争いがない。

4  以上によれば、主位的請求原因は、(四)項の損害額の点はともかくとして、(一)ないし(三)項については、いずれもこれを認めることができるので、以下抗弁について判断する。

二  抗弁3について

1  被告は、本件道路敷は、その道路としての供用開始前に買収され、又は時効によりその所有権を取得したと主張するが、仮に右主張のいずれかが認められるとしても、これによって被告が本件道路敷の所有権を取得する年月日は、原告が本件土地を取得し、所有権移転登記を経由した年月日以前であることは、その主張自体から明らかであるところ、前示のとおり、本件土地が本件道路敷に当たることが認められる以上、前記甲第一号証によって、被告は右いずれの事由による所有権取得についても移転登記を経由していないことが明らかであるから、これをもって原告に対抗できず、再抗弁は理由があることになる。そこで、以下抗弁3について判断を加える。

2  一般に、道路法の適用を受ける道路については、所用の手続を踏んで適法に供用開始行為がされ、道路として使用が開始されれば、当該道路の敷地については公物たる道路の構成部分として道路法所定(道路法四条、旧道路法六条)の制限が加えられることとなるが、その制限は当該道路敷地が公の用に供せられた結果発生するものであって、道路敷地使用の権原に基づくものではないから、その後に至り、対抗要件を欠くことのために、道路管理者が右道路敷地の使用権原をもって後に右敷地の所有権を取得した第三者に対抗しえないこととなったとしても、当該道路の供用の廃止がなされないかぎり右の敷地所有権に加えられた法律上の制限は消滅するものではなく、その後に当該敷地の所有権を取得した右第三者は、右制限の加わった状態においてのみ土地所有権を取得するにすぎないものと解すべきであり、道路管理者に対し、当該道路の敷地となっている土地についてその使用収益権の行使を妨げられていることを理由として、損害賠償を求めることはできないというべきである(最高裁昭和四四年一二月四日第一小法廷判決・民集二三巻一二号二四〇七頁参照)。

また、一般に、道路法に定める道路を開設するためには、原則としてまず路線の指定または認定があり、道路管理者において道路区域を決定し、その敷地等の上に所有権その他の権限を取得し、必要な工事を行って道路としての形体をととのえ、さらに、その供用を開始する手続に及ぶことを必要とするものであって、これらの手続を経て初めて道路としての供用開始が適法になされたというべきである。

3  そこで以下これを本件についてみるに、まず、《証拠省略》によれば次の事実が認められる。

(一)  一般国道二四号は京都市下京区大阪町を起点とし、宇治市、大和高田市、五條市、橋本市等を経て和歌山市小松原通一丁目に至る総延長一三八・四キロメートルの主要幹線道路である。

(二)  昭和八年頃、当時五條町の中心部を東西に通じていた国道一五号線が手狭となり、車輛の通行にも支障を来すようになった。そこで、五條町ではその北側にほぼ平行して新たに国道を開設することとし、本件土地を含む五條町大字五条三三八番地の一地先から同町大字二見六九八番地先までの間(延長一一八〇メートル、以下「本件道路」という)について道路の開設工事に着手し、逐次工事をすすめた。そして、工事が完了した区域ごとに町道として供用を開始していったが、道路の開設工事全体が完了した時点で右町道部分を国道一五号として奈良県に移管することとし、昭和一五年一〇月一日奈良県知事の告示により本件道路が国道一五号の道路区域の一部として供用が開始された。

(三)  その後同二七年一二月四日、一級国道の路線を指定する政令(政令第四七七号)により一級国道二四号に指定され、さらに同四〇年三月二九日、一般国道の路線を指定する政令(政令第五八号)により一般国道二四号に指定された。

(四)  一般国道二四号のうち奈良県内は同県知事により管理されていたが、同年五月二七日一般国道の指定区間を指定する政令(政令第一七四号)で建設大臣の管理となり、同大臣の権限の委任を受けた建設省近畿地方建設局長が管理することとなった。

4  次に、本件道路敷については、右認定のとおり、五條町による道路の開設工事を経て、昭和一五年一〇月一日奈良県知事による供用開始の告示がなされたことが明らかであるから、その前段階である、(一)五條町による路線の指定または認定と道路区域の決定、(二)本件道路の敷地(特に本件土地)についての所有権その他の権限の取得がそれぞれ適法になされたか否かが問題となる。

ところで、一般に右の様な行為が適法な手続によって行われたとすれば、行為の性質上本来はこれを証する公文書や売買契約書等の関係書類が存在して然るべきであるが、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第一二号証の二、三によれば、右の関係書類はこれが存在するとすれば、奈良県五條土木出張所が保管していたはずのものであるところ、同三四年八月四日発生した火災による類焼で右出張所の書庫が全焼した結果、右関係書類等の存否自体を明らかにすることができないこととなっていることが認められる。従って、本件においては、右関係書類が存しないからといって直ちに前記(一)、(二)の行為が適法になされたとはいえないと断定することは許されず、他の関係証拠により本件道路敷についても右関係書類の存在を推認できるか、あるいは直接に右(一)、(二)の行為が適法になされたことを推認できるか否かについて検討を加えていくのが相当である。

5  そこで、まず、右(一)の五條町による路線の指定または認定と道路区域の決定についてみると、前掲乙第二ないし第一〇号証は本件道路を一たん町道と認定した後にこれを国道一五号とし奈良県に移管した際の関係書類であり、これらの書類が存在することと証人田中の証言とを併せ考慮すると、右(一)の行為が昭和八年頃から昭和一五年頃にかけて適法になされたと推認するに難くなく、これに反する証拠は存しない。

6  次に、右(二)の本件道路の敷地ひいては本件土地についての所有権その他の権限の取得が適法になされたか否かについて判断する。

《証拠省略》によれば、昭和一二年五月当時の五條町長は、本件道路の開設工事の実施に当たり、本件道路の敷地となる土地の所有者及び同土地上に家屋を所有する者の一部に対し、土地の明渡し及び家屋の移転ないし撤去を求める旨そしてこれに伴う補償についてはおって協議する旨文書で通告していること、その際具体的な補償の額も提示していること、五條町では本件道路の開設に伴い、本件道路の敷地部分の土地をその所有者から買受けないしは寄付を受ける等することによって道路敷地として使用する権限を取得することとし、その際右敷地部分となる大部分の土地については分筆するなどしてその所有名義の移転を受けていることが認められ、右認定に反する証拠はない。

また、《証拠省略》によれば本件土地附近には同一五年当時家屋が相当程度建っていたことが認められるところ、家屋の建っている土地に土地、家屋所有者に無断で道路敷地とすることは考え難いうえ、仮に五條町が本件土地所有者に無断で本件道路改装工事を行なったとすれば、右所有者はそれを不服として訴願ないし出訴することができた(旧道路法第五七条)にもかかわらず、そのような訴えが提起された事跡も認められないし、本件道路敷についてみても、本件道路開設当時は前記認定のとおり竹原九八郎の所有に属していたものであり、しかも《証拠省略》によれば右竹原は本件土地以外にも本件道路の敷地となった土地を所有していたものであるところ、《証拠省略》によれば、右竹原から五條町に対し本件道路開設についての異議等の申出がなされたような事実を窺うこともできないのである。

もっとも証人田中は、本件道路の敷地はすべてその所有権を取得したはずであるとの趣旨の証言をする。しかしながら、前示のとおり、本件道路敷については、分筆等の手続をとって所有権移転登記手続を経由することをしていないことが認められることからすれば、必ずしもこの土地について五條町が所有権を取得したとまで推認することはできないといわざるを得ない。

しかしながら右に認定した各事実によれば、本件道路敷については、五條町において、権限の性質はともかくとして少くともこれを道路として使用することについては当時の所有者である竹原九八郎の承諾を得たうえで道路の開設工事を行ったと推認するのが相当であり、右推認を覆すに足りる証拠はない。

以上のとおりであり、本件土地については適法に道路としての供用開始がなされたというべきである。

してみれば、原告の場合においても本件土地について適法な道路としての供用開始行為があったものと認められる以上、その使用収益権が妨げられているとして被告に損害賠償を請求することはできないというべきである。

7  以上によれば抗弁3は理由があるから、原告の主位的請求原因に基づく損害賠償請求は、その理由がないこととなる。

三  予備的請求原因について

右二に判示したところによれば、被告が本件道路敷につき適法に供用開始行為を行ったことにより、本件土地について道路の構成部分として道路法所定の制限が加えられるに至っているところ、このような法律上の制限は不動産登記法上登記すべき事項とされているものではないから、被告が本件土地について所有権を取得したことを前提として、被告が登記簿上の所有名義を被告に移転することを怠った点に過失があるとする原告の主張は主張自体失当であり、その買い受けた土地の現況について調査を尽さなかった原告の過失を他に転嫁しようとするものとして許されないというべきである。

よって、予備的請求原因は、その余の点について判断するまでもなく理由がないこととなる。

四  結論

以上のとおり、本訴請求は全て理由がないからこれを棄却し、訴訟費用の負担につき民訴法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 中込秀樹 裁判官 西岡清一郎 成瀬公博)

<以下省略>

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