大阪地方裁判所 昭和61年(わ)4875号 判決 1987年4月10日
本籍
大阪市東住吉区南田辺三丁目六番
住居
同区南田辺三丁目六番一六号
会社役員
山本史郎
昭和一一年二月一〇日生
右の者に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官長谷川充弘出席のうえ審理し、次のとおり判決する。
主文
被告人を懲役一年六月および罰金四〇〇〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは金一〇万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判が確定した日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
(罪となるべき事実)
被告人山本史郎は、大阪市平野区長吉川辺二丁目三番二〇号において、「山本シャーリング」の屋号で鋼板の切断加工業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て
第一 昭和五七年分の総所得金額が七〇、八六七、二〇六円(別紙(一)修正損益計算書参照)で、これに対する所得税額が三四、七四九、六〇〇円であるにもかかわらず、売上の一部を除外するなどの行為により、その所得の一部を秘匿した上、同五八年三月九日、大阪市平野区平野西二丁目二番二号所在の所轄東住吉税務署において、同税務署長に対し、同五七年分の総所得金額が七、九七一、七六〇円で、これに対する所得税額が一、三五四、八〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって不正の行為により、所得税三三、三九四、八〇〇円(別紙(二)税額計算書参照)を免れ
第二 昭和五八年分の総所得金額が八七、〇二一、三九五円(別紙(三)修正損益計算書参照)で、これに対する所得税額が四八、三八五、八〇〇円であるにもかかわらず、前同様の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同五九年三月一四日、前記東住吉税務署において、同税務署長に対し、同五八年分の総所得金額が七、六七五、一二五円で、これに対する所得税額が一、三四四、六〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出しそのまま納期限を徒過させ、もって不正の行為により、所得税四七、〇四一、二〇〇円(別紙(二)税額計算書参照)を免れ
第三 昭和五九年の総所得金額が一一八、一九五、八四九円(別紙(四)修正損益計算書参照)で、これに対する所得税額が六六、七九〇、六〇〇円であるにもかかわらず、前同様の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同六〇年三月一四日、前記東住吉税務署において、同税務署長に対し、同五九年分の総所得金額が一一、四五〇、一八九円で、これに対する所得税額が二、五四九、七〇〇円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま納期限を徒過させ、もって不正の行為により、所得税六四、二四〇、九〇〇円(別紙(二)税額計算書参照)を免れ
たものである。
(証拠の標目)
判示事実全部につき
一 被告人の当公判廷における供述
一 被告人の検察官に対する供述調書
一 収税官吏作成の被告人に対する各質問てん末書
一 梅田種男の検察官に対する供述調書
一 収税官吏作成の梅田種男に対する昭和六〇年五月一日付、同年六月六日付および同年一二月一一日付各質問てん末書
一 収税官吏作成の査察官調査書(検察官請求の証拠番号八、一二、一四、一七ないし二二のもの、以下証拠番号八、一二・・・と略記する)
一 東住吉税務署長作成の青色申告書提出の承認取消証明書
判示第一の事実につき
一 収税官吏作成の査察官調査書(証拠番号一五)
一 収税官吏作成の脱税額計算書(一)
一 東住吉税務署長作成の所得税確定申告書謄本(一)
判示第二の事実につき
一 収税官吏作成の梅田種男に対する昭和六〇年一〇月一一日付質問てん末書
一 収税官吏作成の査察官調査書(証拠番号九ないし一一)
一 収税官吏作成の脱税額計算書(二)
一 東住吉税務署長作成の所得税確定申告書謄本(二)
判示第二、第三の事実につき
一 収税官吏作成の査察官調査書(証拠番号一三、一六)
判示第三の事実につき
一 収税官吏作成の脱税額計算書(三)
一 東住吉税務署長作成の所得税確定申告書謄本(三)
(法令の適用)
判示各所為 所得税法二三八条一項、二項
(いずれも懲役刑と罰金刑を併科)
併合罪加重 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項
(懲役刑については犯情の最も重い判示第三の罪の刑に加重)
労役場留置 刑法一八条
執行猶予 刑法二五条一項
訴訟費用 刑事訴訟法一八一条一項本文
(裁判官 七沢章)
別紙(一)
修正損益計算書 (総所得)
山本史郎 No.1
自 昭和57年1月1日
至 昭和57年12月31日
<省略>
修正損益計算書 (事業所得)
山本史郎 No.2
自 昭和57年1月1日
至 昭和57年12月31日
<省略>
修正損益計算書 (不動産所得)
山本史郎 No.3
自 昭和57年1月1日
至 昭和57年12月31日
<省略>
修正損益計算書 (利子所得)
山本史郎 No.4
自 昭和57年1月1日
至 昭和57年12月31日
<省略>
修正損益計算書 (雑所得)
山本史郎 No.5
自 昭和57年1月1日
至 昭和57年12月31日
<省略>
別紙(二)
税額計算書
<省略>
別紙(三)
修正損益計算書 (総所得)
山本史郎 No.1
自 昭和58年1月1日
至 昭和58年12月31日
<省略>
修正損益計算書 (事業所得)
山本史郎 No.2
自 昭和58年1月1日
至 昭和58年12月31日
<省略>
修正損益計算書 (不動産所得)
山本史郎 No.3
自 昭和58年1月1日
至 昭和58年12月31日
<省略>
修正損益計算書 (利子所得)
山本史郎 No.4
自 昭和58年1月1日
至 昭和58年12月31日
<省略>
修正損益計算書 (雑所得)
山本史郎 No.5
自 昭和58年1月1日
至 昭和58年12月31日
<省略>
別紙(四)
修正損益計算書 (総所得)
山本史郎 No.1
自 昭和59年1月1日
至 昭和59年12月31日
<省略>
修正損益計算書 (事業所得)
山本史郎 No.2
自 昭和59年1月1日
至 昭和59年12月31日
<省略>
修正損益計算書 (不動産所得)
山本史郎 No.3
自 昭和59年1月1日
至 昭和59年12月31日
<省略>
修正損益計算書 (利子所得)
山本史郎 No.4
自 昭和59年1月1日
至 昭和59年12月31日
<省略>
修正損益計算書 (雑所得)
山本史郎 No.5
自 昭和59年1月1日
至 昭和59年12月31日
<省略>