大阪地方裁判所 昭和62年(わ)480号 判決 1987年9月29日
本店所在地
大阪府大東市寺川一丁目一番一号
アサヒ産業株式会社
(右代表者代表取締役 中村秋造)
本籍
大阪府大東市寺川五丁目四一五番地
住居
同市寺川五丁目四番一一号
会社役員
中村秋造
昭和二年一〇月三日生
右の者らに対する各法人法違反被告事件につき、当裁判所は検察官佐藤信昭出席のうえ審理し、次のとおり判決する。
主文
被告人アサヒ産業株式会社を罰金二〇〇〇万円に被告人中村秋造を懲役一年にそれぞれ処する。
被告人中村秋造に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告法人アサヒ産業株式会社は、大阪府大東市寺川一丁目一番一号に本店を置き、電子部品の加工、製缶、運送等を目的とするもの、被告人中村秋造は、被告法人の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告法人の業務に関し、法人税を免れようと企て
第一 昭和五七年九月一日から同五八年八月三一日までの事業年度において、その所得金額が四二、〇九〇、九三七円(別紙(一)修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が一六、六一四、六〇〇円(別紙(二)税額計算書参照)であるにもかかわらず、架空の労務費を計上するなどの行為により、その所得の全部を秘匿した上、同五八年一〇月三一日、大阪府門真市殿島町八番一二号所在の所轄門真税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の欠損金額が一、八八八、八九一円で、納付すべき法人税額がない旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、法人税一六、六一四、六〇〇円を免れ
第二 昭和五八年九月一日から同五九年八月三一日までの事業年度において、その所得金額が八三、六二四、三〇八円(別紙(三)修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が三五、〇九五、三〇〇円(別紙(四)税額計算書参照)であるにもかかわらず、前同様の不正の行為により、その所得の一部を秘匿した上、同五九年一〇月三〇日、前記門真税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が四、八七四、五八四円で、これに対する法人税額が一、三八一、〇〇〇円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、法人税三三、七一四、三〇〇円を免れ
第三 昭和五九年九月一日から同六〇年八月三一日までの事業年度において、その所得金額が三三、五三〇、一一二円(別紙(五)修正損益計算書参照)で、これに対する法人税額が一三、三八〇、五〇〇円(別紙(四)税額計算書参照)であるにもかかわらず、前同様の不正の行為により、その所得の全部を秘匿した上、同六〇年一〇月三一日、前記門真税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の欠損金額が一八、四一四、三一四円で、納付すべき法人税額がない旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により、法人税一三、三八〇、五〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
判示事実全部につき
一 被告会社代表者兼被告人中村秋造の当公判廷における供述
一 被告人中村秋造の検察官に対する各供述調書
一 収税官吏作成の被告人に対する各質問てん末書
一 武田忠雄および西村有の検察官に対する各供述調書
一 収税官吏作成の武田忠雄および西村有に対する各質問てん末書
一 収税官吏作成の査察官調査書(昭和六一年六月二〇日付、同年四月二二日付、同年五月一日付、同年六月一六日付、同月九日付、同月六日付、同年五月二〇日付(二通)、同年六月一〇日付)
一 門真税務署長作成の昭和六一年七月三〇日付証明書
一 法人登記簿謄本
判示第一の事実につき
一 収税官吏作成の昭和六一年四月三〇日付査察官調査書
一 門真税務署長作成の昭和六一年七月二一日付証明書(自昭和五七年九月一日至昭和五八年八月三一日事業年度分法人税確定申告書写添付)
判示第一、第二の各事実につき
一 収税官吏作成の昭和六一年六月二五日付査察官調査書
判示第二の事実につき
一 収税官吏作成の昭和六一年六月二日付査察官調査書
一 門真税務署長作成の昭和六一年七月二一日付証明書(自昭和五八年九月一日至昭和五九年八月三一日事業年度分法人税確定申告書写添付)
判示第二、第三の各事実につき
一 収税官吏作成の昭和六一年六月二八日付査察官調査書
判示第三の事実につき
一 門真税務署長作成の昭和六一年七月二一日付証明書(自昭和五九年九月一日至昭和六〇年八月三一日事業年度分法人税確定申告書写添付)
(法令の適用)
(一) 被告会社
判示第一ないし第三の各所為
法人税法 一五九条一項、二項、一六四条一項
併合罪加重 刑法四五条前段、四八条二項
(二) 被告人中村秋造
判示第一ないし第三の各所為
法人税法 一五九条一項(懲役刑選択)
併合罪加重 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条
(犯情の最も重い判示第二の罪の刑に加重)
執行猶予 刑法二五条一項
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 七澤章)
別紙(一) 修正損益計算書
自 昭和57年9月1日
至 昭和58年8月31日
No.1
<省略>
別紙(二) 税額計算書
<省略>
別紙(三) 修正損益計算書
自 昭和58年9月1日
至 昭和59年8月31日
No.1
<省略>
別紙(四) 税額計算書
<省略>
別紙(五) 修正損益計算書
自 昭和59年9月1日
至 昭和60年8月31日
No.1
<省略>