大阪地方裁判所 昭和62年(モ)52797号 判決 1992年4月28日
神戸市中央区多聞通二丁目四番四号
申請人
ブックローン出版株式会社
右代表者代表取締役
工藤俊彰
右訴訟代理人弁護士
清木尚芳
右同
射手矢好雄
右同
松本岳
大阪府東大阪市稲田新町二丁目三一番二六号
被申請人
カシヤマ化工こと
柏木城二
右訴訟代理人弁護士
小松正次郎
右同
小松陽一郎
主文
一 申請人と被申請人間の当裁判所昭和六〇年(ヨ)第五七七〇号玩具の製造販売禁止仮処分申請事件について、当裁判所が昭和六一年二月一〇日にした決定を認可する。
二 訴訟費用は被申請人の負担とする。
事実及び理由
第一 事案の概要
一 本件は、申請人が、主位的に別紙考案目録一記載の考案(以下、実用新案登録請求の範囲(1)項の考案を「甲考案(1)」という。)の実用新案登録出願公告に基づく仮保護の権利に基づき、別紙目録一ないし五記載の各物件(以下、順次「第一物件」、「第二物件」、・・・といい、一括して「被告各物件」という。)の製造販売の停止・執行官保管、予備的に別紙考案目録二記載の考案の実用新案登録出願公告に基づく仮保護の権利に基づき、第一物件の製造販売の停止・執行官保管を求めた仮処分申請事件である。
二 争点は、被告各物件が甲考案(1)の構成要件である「5角筒柱の端面に設けた可回転にして互いの角筒面が一致したところで停止するスナップ機構」(以下「スナップ機構」という。)を具備しているか否かである。
第二 争点に対する判断
一 本件疎明資料及び弁論の全趣旨によれば、被告各物件は甲考案(1)の構成要件全部を具備し、同考案の技術的範囲に属することを認めることができる。なお、被告各物件が同考案のスナップ機構を含めその構成要件全部を具備していることについての当裁判所の判断の詳細は、当裁判所が平成四年四月二八日言渡した本案訴訟事件(当裁判所昭和六一年(ワ)第二三七八号損害賠償、製造販売禁止等請求事件〔以下「本案事件」という。〕)・反訴請求事件(同昭和六一年(ワ)第一一二八六号損害賠償請求事件)判決に記載のとおりである(甲考案(1)は本案事件判決にいう本件考案に該当し〔但し、現在では登録査定を経て設定登録済である。〕、また、第一物件は同判決にいうイ号物件、第二物件は同ロ号物件、第三物件は同ハ号物件、第四物件は同ニ号物件、第五物件は同ホ号物件(一)に該当する。)。
二 従って、申請人の本件仮処分申請は理由がある。
(裁判長裁判官 庵前重和 裁判官 長井浩一 裁判官 辻川靖夫)
別紙目録一
角筒面に、本目録添付の展開図面一のひらがな文字等を印刷したシールを貼付した、別紙図面の形状をした五角筒面を、その上端面2に設けた円弧状突起3、鈎部4、係止杵5、下端面8に設けた円形凹部9、リング状溝10、リブ11で構成された、可回転にして角筒面が一致したところで停止するスナップ機構で、互いに結合するように構成した、五角筒柱連結知育玩具.五角筒柱ブロックの構造は別紙図面及びその説明書のとおり.
展開図面一
<省略>
別紙目録二
角筒面に、本目録添付の展開図面二の算用数字等を印刷したシールを貼付した、別紙図面の形状をした五角筒面を、その上端面2に設けた円弧状突起3、鈎部4、係止杵5、下端面8に設けた円形凹部9、リング状溝10、リブ11で構成された、可回転にして角筒面が一致したところで停止するスナップ機構で、互いに結合するように構成した、五角筒柱連結知育玩具.五角筒柱ブロックの構造は別紙図面及びその説明書のとおり.
展開図面二
<省略>
別紙目録三
角筒面に、本目録添付の展開図面三の絵模様(とけい、ばった、うさぎ、さかなの一部および椅子、にんじん、さくら、鹿、御飯、ロケット、なすび、はさみ、くらげ、十字)あるいは記号(+、-、=)等を印刷したシールを貼付した、別紙図面の形状をした五角筒面を、その上端面2に設けた円弧状突起3、鈎部4、係止杵5、下端面8に設けた円形凹部9、リング状溝10、リブ11で構成された、可回転にして角筒面が一致したところで停止するスナップ機構で、互いに結合するように構成した、五角筒柱連結知育玩具.五角筒柱ブロックの構造は別紙図面及びその説明書のとおり.
展開図面三
<省略>
別紙目録四
角筒面に、本目録添付の展開図面四の絵模様(かさ、すいか、あひる、えんとつ、けんんびきょう等)およびかな文字等を印刷したシールを貼付した、別紙図面の形状をした五角筒面を、その上端面2に設けた円弧状突起3、鈎部4、係止杵5、下端面8に設けた円形凹部9、リング状溝10、リブ11で構成された、可回転にして角筒面が一致したところで停止するスナップ機構で、互いに結合するように構成した、五角筒柱連結知育玩具.五角筒柱ブロックの構造は別紙図面及びその説明書のとおり.
展開図面四
<省略>
別紙図面
<省略>
図面の説明書
第1図は五角筒柱ブロック二個を組みつけた状態を示す正面図、第2図はその側面図、第3図は縦断面図である.
五角筒柱の両側面の一辺の長さは約三・八センチメートルである.
1 組み木本体 2 上端面
3 円弧状突起 4 鈎部
5 係止杆 6 間隙
7 U字形抜き孔 8 下端面
9 円形凹部 10 リング状溝
11 リブ
別紙目録五
角筒面に、別紙目録二乃至四添付の展開図二乃至四の算用数字、絵模様、記号、かな文字等を印刷したシールを貼付した、別紙図面二の形状をした、五角筒面を、その上端面2に設けた円弧状特記3、鈎部4、下端面7に設けた円形凹部8、リング状溝9、リブ10、縦溝5で構成された、可回転にして各筒面が一致したところで停止するスナップ機構で互いに結合するように構成した、五角筒柱連結知育玩具.五角筒柱ブロックの構造は別紙図面二及びその説明書のとおり.
別紙図面二
<省略>
図面の説明書
第1図は五角筒柱ブロック二個を組みつけた状熊を示す正面図、第2図はその側面図、第3図は縦断面図である.
五角筒柱の両側面の一辺の長さは約三・八センチメートルである.
1 組み木本体 2 上端面
3 円弧状突起 4 鈎部
5 縦溝 6 U字形拔き孔
7 下端面 8 円形凹部
9 リング状溝 10 リブ