大阪家庭裁判所 平成17年(少ハ)400072号 決定 2005年12月16日
少年
A (平成2.2.14生)
主文
当裁判所が少年に対して平成17年8月12日にした保護処分決定を取り消す。
理由
少年は,平成17年8月12日当裁判所で窃盗保護事件(当庁平成17年(少)第2376号)により大阪保護観察所の保護観察に付する旨の保護処分決定(同月27日確定)を受けた。
しかし,一件記録(当庁平成17年(少)第2376号,第3187号,第3188号事件記録を含む)によれば,上記窃盗事件の真犯人は,少年の親友であるBで,少年は,Bをかばって保護処分まで受けたが,Bが,少年が少年鑑別所に入所していたことを言いふらしていたことや,被害者から損害賠償の請求がなされたことを知って,母親にこれ以上迷惑を掛けられないと考え,真実を述べるに至ったこと,その後,Bについて,上記窃盗容疑で再捜査がなされ,Bの自白も得られて,窃盗保護事件(当庁平成17年(少)第3188号)として当裁判所に係属し,平成17年11月9日Bに対して保護観察決定がなされたこと,他方,少年についても,犯人隠避等保護事件(当庁平成17年(少)第3187号)として当裁判所に係属し,同月22日少年に対し保護観察(一般短期)決定がなされたこと,そして,上記各決定がいずれも確定したことがそれぞれ認められる。
上記認定事実によると,当裁判所が少年に対して平成17年8月12日にした保護処分決定には,少年法27条の2第1項に定める「本人に対し審判権がなかったこと(非行事実の不存在)を認め得る明らかな資料を新たに発見したとき」に当たる事由があるというべきである。
よって,同保護処分決定を取り消すこととし,主文のとおり決定する。
(裁判官 大西良孝)
<以下省略>