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大阪高等裁判所 平成10年(ネ)2867号 判決 1999年2月16日

東京都台東区西浅草一丁目一番一八号

控訴人(一審被告)

株式会社 三善堂

右代表者代表取締役

諸田邦義

右訴訟代理人弁護士

竹田章治

小川憲久

池田眞一郎

大阪市東成区東今里二丁目七番三七号

被控訴人(一審原告)

株式会社 八木研

右代表者代表取締役

八木龍一

右訴訟代理人弁護士

福原哲晃

中島清治

松村信夫

和田宏徳

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

第一  当事者の求めた裁判

一  控訴人

1  原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。

2  被控訴人の請求を棄却する。

3  訴訟費用は、第一、二審を通じて被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

主文と同旨

(以下の文中、控訴人を「被告」、被控訴人を「原告」という。)

第二  事案の概要

事案の概要は、原判決「第二 事案の概要」及び「第三 争点に関する当事者の主張」のとおりであるので、これを引用する(ただし、第一審被告株式会社カリタに対する請求に関する部分を除き、「被告カリタ」とあるのを「訴外カリタ」と訂正する。)。

第三  当裁判所の判断

一  当裁判所も、原告の請求を原判決で認容された限度で認めることを相当と考える。その理由は、次に付加、訂正するほか、原判決「第四 争点に対する当裁判所の判断」のとおりであるからこれを引用する(ただし、第一審被告株式会社カリタに対する請求に関する部分を除き、「被告カリタ」とあるのを「訴外カリタ」と訂正する。)。

1  原判決三一頁二行目の「一段目」の前に「上方」を、同頁四行目の「二段目」の前に「上から」を各加える。

2  原判決三三頁八行目の「仏花」の次に「など」を加え、同頁九行目の「や膳」を削る。

3  原判決三四頁五行目の「形態からすれば、」の次に「後記3のとおり」を加え、同三六頁二行目の「ものがなければ」を「ものでなければ」に改める。

4  原判決三八頁六行目の「原告商品が」の次に「原告の先行して販売していた商品に些細な点で変更を加えたに過ぎないという理由のみで」を、同四二頁一〇行目の「折れ曲が」の次に「り、その平面が段階状に異な」を、同四三頁一行目の「角付けられ」の次に「中央寄りに形成された矩形が彫り込まれ」を各加える。

5  原判決四五頁四行目の「並べて」を削る。

6  原判決四九頁九行目の「点であり、」から同頁末行末尾までを次の文に改める。

「点であるが、原判決別紙原告商品目録一及び同被告商品目録一の図面、写真、原審検証調書添付写真一〇及び三六を比較してもわかるように、外欄間、上段部と下段部の位置関係や大きさの比率はほぼ同一であり、その上段部内部の須弥壇、脇棚、背景板についても、その位置関係や大きさの比率はほぼ同一である。その結果、原告商品一と被告イ号商品は、細部を除くとほぼ相似形といいうる。

しかも、これらの共通点は、商品の全体的形状だけでなく、仏壇の重要な部分である正面形状や上段部内部の主要部分において共通しているうえ、前記二3のとおり、従来の家具調仏壇と大きく異なる形態的特徴を構成する重要な部分である。」

7  原判決五〇頁八行目の「端部」の次に「(角落としの有無)」を加える。

8  原判決五五頁六行目の「観察し、総合的に判断すれば、全体として酷似しているから、」を次の文に改める。

「観察すると、原判決別紙原告商品目録二及び同被告商品目録二の図面、写真、原審検証調書添付写真一六、二四、四二、五〇を比較してもわかるように、扉の引手部分、上段部、下段部の位置関係や大きさの比率はほぼ同一であり、上段部内の内欄間、須弥壇、背景板についても、その位置関係や大きさの比率はほぼ同一である(内欄間の太幅の横板の長さの点を除く)。その結果、原告商品二と被告ロ号商品は、細部を除くとほぼ相似形といいうるのであって、両者が酷似しているという印象を与える。しかも、右の共通点は、商品の全体的形状だけでなく、仏壇の重要な部分である正面形状や上段部内部の主要部分において共通しているうえ、前記二3のとおり、従来の家具調仏壇と大きく異なる形態的特徴を構成する重要な部分である。したがって、」

9  原判決五六頁二行目冒頭から同頁四行目末尾までを、次の文に改める。「 しかし、前記二3に述べたとおり、原告商品はいずれも、従来の家具調仏壇と異なる形態を有しており、被告商品が、これらの特徴ある形態に酷似している以上、色合いなどが異なっても、実質的に同一というべきであり、被告の主張及びこれに沿う前掲各証拠は採用できない。

なお、原告商品一の上部前面扉はガラス製、被告イ号商品のそれは透明の硬質プラスチック製、原告商品二の材質はニレ(内欄間はトド松)、被告ロ号商品のそれはナラの材質の相違はあるが、被告イ号商品のプラスチック製扉はガラス製扉と同様に扉を閉じた状態で内部を見透かせる効用を有し、本件商品における機能は同等であり、また、原告商品二と被告ロ号商品の材質は木材として同一というべく、右各材質の差は、本件における商品形態の本質的差異をもたらすものとはいえず、本号の『他人の商品の形態を模倣した商品』の該当性を妨げるものではない。」

10  原判決五六頁八行目の「実施的」を「実質的」に改める。

11  原判決五七頁三行目から四行目の「他の」を「被告が被告商品を独自に開発した」に改める。

12  原判決五八頁二行目の「解釈」の次に「もしくは適用」を加える。

二  結論

以上によれば、原告の請求を金六〇万三〇八八円及び遅延損害金の限度で認容した原判決は相当であるから、本件控訴は理由がない。よって、本件控訴を棄却し、控訴費用の負担につき民事訴訟法六七条、六一条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小林茂雄 裁判官 小原卓雄 裁判官 山田陽三)

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