大阪高等裁判所 平成20年(ネ)1825号 判決 2008年11月20日
主文
1 原判決中、被控訴人X1の控訴人に対する請求に係る部分を次のとおり変更する。
(1) 控訴人は、被控訴人X1に対し、55万5665円及びうち55万3021円に対する平成16年5月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2) 被控訴人X1のその余の請求を棄却する。
2 原判決中、被控訴人X2の控訴人に対する請求に係る部分のうち控訴人敗訴部分を取り消す。
3 上記取り消された部分に係る被控訴人X2の請求を棄却する。
4 控訴人のその余の控訴を棄却する。
5 訴訟費用は、第1、2審を通じ、被控訴人X1と控訴人との間で生じた費用は、これを3分し、その1を控訴人の、その余を被控訴人X1の各負担とし、被控訴人X2と控訴人との間で生じた費用は、被控訴人X2の負担とする。
6 この判決の第1項(1)は、仮に執行することができる。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。
2 被控訴人らの請求をいずれも棄却する。
第2被控訴人らの請求の趣旨
1 控訴人は、被控訴人X1に対し、173万1969円及びうち172万3045円に対する平成16年5月24日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 控訴人は、被控訴人X2に対し、85万2910円及びうち85万1165円に対する平成16年1月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第3事案の概要
本件は、平成12年6月30日に東京地方裁判所で会社更生手続開始決定を受け、平成13年3月29日に更生手続終結決定を受けた控訴人との間で、上記開始決定の前後を通じて、利息制限法の制限利率を超える利息約定のもと、金銭消費貸借取引を継続した被控訴人らが、上記制限超過利息を順次元本に充当すると過払金が生じているとして、不当利得返還請求権に基づき、被控訴人X1(以下「被控訴人X1」という。)については173万1969円及びうち172万3045円に対する平成16年5月24日から支払済みまで年5分の割合による金員の、被控訴人X2(以下「被控訴人X2」という。)については85万2910円及びうち85万1165円に対する同年1月14日から支払済みまで年5分の割合による金員の各支払を求めるとともに、上記開始決定までに発生した過払金返還請求権が上記会社更生手続において失権したのであれば、それは、控訴人が被控訴人らの更生債権届出を妨害したためであるとして、また、被控訴人らが上記開始決定の後に支払った弁済金は、控訴人の欺罔行為によって支払ったものであるとして、控訴人に対し、不法行為に基づく損害賠償請求権に基づき、前記と同額の損害賠償を求めた事案である。
原審は、被控訴人らが会社更生手続開始決定までに取得した過払金請求権のうち、届出をした一般の更生債権者が弁済を受けた54.298%に相当する部分については、控訴人が会社更生手続による失権を主張することは権利の濫用であって許されないとして、被控訴人らの過払金請求を、被控訴人X1については106万3983円及びうち55万3021円に対する平成16年5月24日から支払済みまで年5分の割合による金員の、被控訴人X2については18万4349円の各支払を求める限度で一部認容し、被控訴人らの不法行為に基づく損害賠償請求はいずれも棄却したところ、控訴人が、その敗訴部分を不服として控訴した。
なお、被控訴人らは、原審において控訴人の更生管財人であったY2に対しても平成14年12月13日法律第154号による改正前の会社更生法(以下「旧会社更生法」という。)98条の4等に基づく損害賠償請求をしていたが、同請求は原審において棄却され、原判決の同請求に係る部分は確定した。
1 前提事実及び当事者の主張の骨子
被控訴人らの当審における新たな主張を次頁において付加するほかは、原判決「第2 事案の概要」の1及び2(1)に記載されているとおりであるから、これを引用する(ただし、11頁1行目の「権利濫用」の前に「信義則違反・」を、2行目「主張をするのは、」の次に「信義則に反し、あるいは」を、それぞれ加える。)。
2 被控訴人らの当審における新たな主張
(1) 本件開始決定前過払金返還請求権が失権したか否かについて
ア 本件X1取引及び本件X2取引においては、更生手続開始決定時点でもその後の継続的な貸付けが予定、想定されており、更生手続開始決定前の過払部分はその後の貸付けによる充当が予定されているため過払金返還請求権としては顕在化しておらず、被控訴人らの控訴人に対する過払金請求権は、最終取引時に初めて確定し顕在化するものである。したがって、本件開始決定前過払金の返還請求権が独立して失権することはない。
イ 被控訴人らの控訴人に対する本件開始決定前過払金返還請求権は、これを顕在化させると事業の継続が不可能になるため、控訴人は、会社更生手続を利用するに当たり、あえてこれを無視し、被控訴人らに対する過払金返還債務をないものとして手続を進めたものである。したがって、控訴人の被控訴人らに対する過払金返還債務は、控訴人にとって、会社更生手続上避けることのできないやむを得ない費用負担というべきであり、被控訴人らの本件開始決定前過払金返還請求権は、旧会社更生法208条2号又は8号の共益債権に当たると解すべきである。
(2) 本件開始決定前過払金返還請求権が失権した場合の充当計算について
仮に本件開始決定前過払金返還請求権が失権したとしても、控訴人は、その後も被控訴人らに貸付けを続けることにより、任意に本件開始決定前過払金を返還した。したがって、充当計算においては、上記貸付金を本件開始決定前過払金に充当すべきである。また、仮にそのように解することができないとしても、失権した本件開始決定前過払金の返還請求権に係る債務は自然債務となるにすぎないところ、自然債務であっても充当合意に基づく充当は認められるべきである。
3 主たる争点
(1) 被控訴人らの各本件開始決定前過払金返還請求権が本件認可決定により失権したか。
(2) 控訴人は、本件会社更生手続で被控訴人らが債権届出をすることを妨害したか。
(3) 本件開始決定後、控訴人が、被控訴人らに対し、貸金の返還を請求し、あるいは返還金を受け取ったことが、被控訴人らに対する不法行為になるか。
(4) 控訴人の失権の主張が、信義則に反し、あるいは権利の濫用として許されないか。
(5) 控訴人が本件開始決定後、本件開始決定前過払金を任意に返還したか。また、本件開始決定後の貸付けを本件開始決定前過払金の弁済に充当することは許されるか。
(6) 控訴人の相殺の主張の可否
第4当裁判所の判断
1 被控訴人らの各本件開始決定前過払金返還請求権が本件認可決定により失権したか(争点(1))
当裁判所も、被控訴人らの各本件開始決定前過払金返還請求権は、本件会社更生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権であり、更生債権であって(旧会社更生法102条)、更生債権届出期間内に上記各債権を届け出なかった被控訴人らは、本件更生計画認可決定により失権したものと解する。その理由は、次のとおり補正するほかは、原判決「第3 当裁判所の判断」の1の(1)ないし(3)(13頁下から7行目から15頁下から6行目まで)に記載されているとおりであるから、これを引用する。
(1) 13頁下から2行目「もっとも、」から14頁4行目までを次のとおり改める。
「この点につき、被控訴人らは、基本契約に基づいて継続的に貸付けと弁済が繰り返される金銭消費貸借取引によって生じる過払金返還請求権が発生するのは取引終了時であり、本件開始決定前過払金返還請求権は、本件開始決定がされた時点では潜在的な権利として存在していたに過ぎないから、更生債権に当たらず、失権することはないと主張する。」
(2) 15頁下から6行目と5行目の間に、次を挿入する。
「(4) さらに、被控訴人らは、被控訴人らの本件開始決定前過払金返還請求権が旧会社更生法208条2号又は8号の「共益債権」に当たると主張する。
しかしながら、本件開始決定前過払金の返還債務は、控訴人が更生手続開始前に事業を遂行する過程で生じた不当利得返還債務であって、旧会社更生法208条2号に当たらないことは明らかであるし、これを弁済しなければ今後の事業の継続が困難になるとか、事業の継続のためにその弁済が必要であるとも認められないから、同条8号にも当たらない。また、必ずしも事業の継続のために必要不可欠な費用でなくとも、管財人が必要であると認め、裁判所が許可したものについては、同条8号の共益債権と扱って弁済することが許されると解されるが、本件開始決定前過払金返還請求権については、このような取扱いはされていない。
したがって、被控訴人らの上記主張は採用することができない。」
2 控訴人は、本件会社更生手続で被控訴人らが債権届出をすることを妨害したか(争点(2))
当裁判所も、控訴人が本件会社更生手続において被控訴人らの債権届出を妨害したとはいえないと判断する。その理由は、原判決「第3 当裁判所の判断」の2の(1)ないし(5)(15頁下から3行目から19頁14行目まで)に記載されているとおりであるから、これを引用する。
3 本件開始決定後、控訴人が、被控訴人らに対し、貸金の返還を請求し、あるいは返還金を受け取ったことが、被控訴人らに対する不法行為になるか(争点(3))
当裁判所も、控訴人が、被控訴人らに対し、貸金の返還を請求し、あるいは返還金を受け取ったことが、被控訴人らに対する不法行為を構成するとはいえないと判断する。その理由は、原判決「第3 当裁判所の判断」の4の(1)ないし(3)(20頁7行目から21頁下から6行目まで)に記載されているとおりであるから、これを引用する(ただし、21頁(3)の5行目「したがって、」から6行目末尾までを削る。)。
4 控訴人の失権の主張が、信義則に反し、あるいは権利の濫用として許されないか(争点(4))
(1) 本件会社更生手続の経過については、原判決「第3 当裁判所の判断」の5(1)の記載(原判決21頁下から4行目から23頁10行目まで)を引用する。
(2) 会社更生手続は、企業を破産により解体清算させることが、単に債権者、株主等の損失になるにとどまらず、広く社会的、国民的経済の損失をもたらすことがあるのにかんがみ、窮境にはあるが再建の見込みのある株式会社について、債権者、株主その他利害関係人の利害を調整しつつ、その事業の維持更生を図ることを目的とするものである。そして、旧会社更生法は、上記目的を達成するため、更生債権については、更生手続によらなければ弁済等のこれを消滅させる行為をすることができないこと、更生計画認可の決定があったときは、計画の定め又は旧会社更生法の規定によって認められた権利を除き、更生会社は、すべての更生債権につきその責を免れることを定めるとともに、更生計画の内容が公正かつ衡平なものとなるよう、更生手続が裁判所の監督の下に法定の厳格な手続に従って行われるべきことを定めている。また、会社更生手続は、債務者が事業の経営権を失わないいわゆるDIP型の会社再建手続ではなく、第三者である管財人によって手続が進められ、組織のあり方をも変更して事業の維持更生を図ることが予定されている手続であり、スポンサー企業等、その更生計画の根幹に第三者が関与することも当然に予定されている。このように、更生計画に従って更生債権が弁済されること、更生計画に記載のない権利がすべて失権することは、会社更生手続の根幹をなす根本原則であり、これに例外を設けることは、更生計画に従った会社再建に重大な影響を与える上、会社更生手続に関与した第三者に不測の損害を与えるおそれが高く、極めて慎重でなければならないと考えられる。
(3) また、他の倒産関連法規の規定を見てみると、破産法は、債権者以外の者が破産手続開始の申立てをするときは、債権者一覧表の提出を義務づけ(破産法20条2項)、破産者が虚偽の債権者名簿を提出したことを免責の不許可事由とし(破産法252条1項7号)、破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権を非免責債権と定めており(破産法253条1項6号)、民事再生法(民事再生規則を含む。)は、再生手続開始の申立書に債権者の一覧表を添付するものとし(民事再生規則14条1項3号)、再生債務者等は、届出がされていない再生債権があることを知っている場合には、当該再生債権を認否書に記載しなければならず(民事再生法101条3項)、再生債務者が届出がされていない再生債権があることを知りながら認否書に記載しなかった債権や、再生債権者の責めに帰することができない事由により債権届出期間内に届出をすることができなかった債権については、再生計画認可の決定の確定後も失権しない例外規定を設けている(民事再生法181条)。これに対し、旧会社更生法は、会社更生手続開始の申立てに際し債権者一覧表等の提出を義務づけておらず、更生会社が届出がされていない更生債権があることを知っていた場合にその存在を告知すべき旨の規定もなく、そのような更生債権についての免責の例外規定も一切設けていない。また、旧会社更生法においては、更生債権者がその責めに帰することができない事由により届出期間内に届出をすることができず、追完もできなかった更生債権についての免責効の例外も一切設けられていない(なお、これらの点は、現行の会社更生法において若干の改正がされたが、免責効に例外が認められていない点に変更はない。)。
(4) 以上のような会社更生手続の目的や構造、旧会社更生法の規定の内容等に照らすと、旧会社更生法は、会社更生手続が、他の倒産関連手続と異なり、利害関係人が多数に上り、社会的、国民的経済に広く影響を及ぼすものであること等を考慮し、会社更生手続への参加を専ら更生債権者の自己責任に委ねるとともに、更生債権者の個別事情による救済を犠牲にしても、更生計画に定めのない債権についての失権効を確実なものとして、その迅速かつ画一的な処理を優先させたものということができる。
このように考えると、更生会社又は管財人が、届出をされていない更生債権があることを知りながらこれを放置したというだけで、当該債権について免責の主張を許さないものとすることは、旧会社更生法の基本構造と相容れないものといわざるを得ない。したがって、更生会社が会社更生手続による免責を主張することが信義則上許されないとされるのは、上記のような更生債権者の自己責任の原則を貫徹することが信義則上不当な場合、すなわち、更生会社が更生債権者に対し、詐術・強迫等を用いて更生債権の届出を妨害し、その結果当該更生債権者が会社更生手続に参加する機会を奪われたと評価することができるような場合や、多数の債権者がその責めに帰することができない事情により債権届出をすることができない状態にあることを奇貨として、専ら当該債権につき免責を得るために会社更生手続を利用したと評価できるような例外的な場合に限られると解すべきである。
(5)ア 以上の見地からみると、①被控訴人らは、いずれも、新聞報道等により、比較的容易に控訴人について会社更生手続が開始されたことを知ることができたものと考えられ、本件開始決定前過払金返還請求権を届出期間内に更生債権として届け出ることができない状態にあったとは認められず、②争点(2)についての判断において引用した原判決が説示するとおり、控訴人及び管財人が、被控訴人らが債権届出をするのを妨害したとも認められないのであるから、被控訴人らの本件開始決定前過払金返還請求権が、債権の届出をしなかったことにより失権するのは、正に旧会社更生法が定める会社更生手続の構造上やむを得ないものといわざるを得ず、控訴人が会社更生手続による失権の主張をすることが信義則に反するような事情は認められないというべきである。
イ 確かに、本件会社更生手続が行われていた当時、控訴人を被告とする過払金返還訴訟が9件係属しており、債権届出をしていた者も2名いたことからすれば、控訴人及び管財人は、控訴人の顧客の中には、過払金返還請求権を有する者が多数いる可能性があることを認識し、あるいは容易に認識することができたと考えられるところ、控訴人及び管財人は、本件会社更生手続において、顧客に対し、過払金返還請求権が発生している可能性があることや更生債権の届出をしないと失権することにつき注意を促すような措置を何ら執らず、かえって、新聞紙上に「ライフカードはこれまでどおりお使いいただけます。」という見出しの社告を掲載し、従前通りの取引を継続するよう求めたことが認められる。
しかしながら、旧会社更生法は、更生手続への参加を専ら債権者の自己責任に委ね、控訴人及び管財人に債権者に対し届出をすべき旨の注意喚起を行う義務を課していないのであって、会社更生手続の構造上、かかる注意喚起を行わなかったことをもって免責の主張が許されなくなると解することはできない。また、上記の社告は、全国632万人のカード会員の脱会を防止して会社再建を円滑に進めることを目的とするものであり、その目的が不当であったとはいえないし、この社告が、顧客に対し債権届出をしなくとも失権することはないとの誤解を与えるような内容のものであったことを認めるに足りる証拠もないから、その掲載が被控訴人ら顧客の債権届出を事実上妨げるようなものであったと評価することもできない。さらに、顧客の中には、過払金返還請求権を有することを認識しておらず、注意喚起を受けない限り債権届出をすることに思いが至らない者も多数あったと推認されるが、現に上記のとおり債権届出をした者が存在していたことからも明らかなように、大多数の顧客にとっておよそ過払金返還請求権を更生債権として届け出ることが不可能であったとか、事実上困難であったとは認められず、本件会社更生手続が、多数の更生債権者がその責めに帰することのできない事情により債権届出をすることができない状態にあることを奇貨として行われたとまでは評価することができない。
したがって、前記のような事情により、控訴人による失権の主張が信義則に反し、あるいは権利の濫用として許されないと解することはできない。
(6) 以上によれば、控訴人の失権の主張が信義則に反し、あるいは権利の濫用として許されないとの被控訴人らの主張は理由がない。
5 控訴人が本件開始決定後、本件開始決定前過払金を任意に返還したか。また、本件開始決定後の貸付けを本件開始決定前過払金の弁済に充当することは許されるか(争点(5))
控訴人が、本件開始決定後に被控訴人らに対し交付した金員は、基本契約に基づく貸付金として交付されたものであって、控訴人が本件開始決定前過払金に対する弁済として交付したものとは認められない。また、控訴人との合意によることなく、新たな貸付けを既に失権した過払金に充当することが認められると解すべき根拠もない(仮に、取引継続中は新たな貸付けを過払金に充当する旨の合意が成立していたと解する余地があるとしても、かかる合意の効力が会社更生手続によって失権した過払金にも及ぶと解することはできない。)。
したがって、この点に関する被控訴人らの主張は理由がない。
6 被控訴人らの控訴人に対する過払金返還請求権の額について
以上によれば、被控訴人らの控訴人に対する本件開始決定前過払金返還請求権は失権しているから、平成12年6月30日現在の残元金をゼロとして本件開始決定後の過払金額を計算すると、被控訴人X1については、原判決別表4のとおり、平成16年5月23日現在、元金が59万2143円、利息が2831円となり、被控訴人X2については、原判決別表5の1、2のとおり、ラ・ヴィータカード取引については、平成15年12月30日現在13万9231円となり、プレイカード取引については、同月29日現在、過払金はなく、なお45万0171円の債務が残存していたことになる。
7 控訴人の相殺の主張の可否(争点(6))
(1) 被控訴人X1について
原判決28頁下から7行目から29頁15行目までの記載を引用する。
(2) 被控訴人X2について
原判決29頁(2)の2行目から9行目までの記載を引用する。
8 結論
以上によれば、被控訴人X1の請求は、控訴人に対し、55万5665円及びうち55万3021円に対する平成16年5月24日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があり、その余は理由がなく、被控訴人X2の請求は、全部理由がないことになる。
そこで、これと異なる原判決を変更することとし、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 永井ユタカ 裁判官 河合裕行 谷口安史)