大阪高等裁判所 平成26年(行コ)79号 判決 2014年9月11日
主文
1 本件控訴をいずれも棄却する。
2 本件附帯控訴に基づき,原判決主文3項を取り消す。
3 原判決主文3項に係る請求を棄却する。
4 原審における訴訟費用の負担については,原判決別紙5の「訴訟費用等負担一覧表」のとおり定め,当審における訴訟費用の負担については,全部控訴人らの負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1 原判決を次のとおり変更する。
2 第1事件
(1) 被控訴人は,補助参加人Aに対し,1億5116万5808円及びこれに対する平成21年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
(2) 被控訴人は,補助参加人Bに対し,6716万5296円及びこれに対する平成21年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
(3) 被控訴人は,補助参加人Cに対し,7649万3925円及びこれに対する平成21年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
(4) 被控訴人は,補助参加人Dに対し,7831万0911円及びこれに対する平成21年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
3 第2事件
(1) 被控訴人は,補助参加人Aに対し,1億3577万1457円及びこれに対する平成22年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
(2) 被控訴人は,補助参加人Bに対し,7547万6573円及びこれに対する平成22年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
(3) 被控訴人は,補助参加人Cに対し,7169万0891円及びこれに対する平成22年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
(4) 被控訴人は,補助参加人Dに対し,7179万6187円及びこれに対する平成22年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。
4 仮執行宣言
第2附帯控訴の趣旨
主文2,3項同旨
第3事案の概要
1 事案の骨子
本件は,大阪市の住民である第1事件及び第2事件の1審原告ら(その一部が控訴人らである。)が,大阪市会の会派である補助参加人A,同B,同C及び同Dは,大阪市からそれぞれ交付を受けた平成20年度の政務調査費(第1事件に係るもの)及び平成21年度の政務調査費(第2事件に係るもの)の一部を大阪市が定めている政務調査費の使途基準に違反する支出に充当しており,かつ,そのことについて悪意であるから,大阪市は上記各補助参加人に対する不当利得返還請求権又は不法行為に基づく損害賠償請求権を有するにもかかわらず,大阪市の執行機関である被控訴人はその行使を怠っていると主張して,被控訴人に対し,地方自治法242条の2第1項4号に基づき,上記各補助参加人を相手方として,①不当利得金及びこれに対する悪意による利得の日(平成20年度の政務調査費に係る請求については平成21年5月1日,平成21年度の政務調査費に係る請求については平成22年5月1日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による利息の支払ないし上記不当利得金に対する上記各補助参加人への訴訟告知書の送達日の翌日(平成20年度の政務調査費に係る請求については平成22年7月7日,平成21年度の政務調査費に係る請求のうち,補助参加人B,同C及び同Dに係るものについては平成23年7月5日,同Aに係るものについては平成24年10月2日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払又は②損害金及びこれに対する不法行為の日(平成20年度の政務調査費に係る請求については平成21年5月1日,平成21年度の政務調査費に係る請求については平成22年5月1日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求することを求める住民訴訟である(なお,前記第1の2,3の被控訴人の各補助参加人に対する請求の元本額は,各補助参加人が政務調査費を諸経費に充当した額の合計額〔原判決「事実及び理由」第2の3(2)の各補助参加人に係る原判決別紙3の1~4の4の「政務調査費の充当額」欄記載の金額の合計額。ただし,被控訴人の補助参加人Cに対する請求の元本額については,同補助参加人に係る上記合計額から原判決「事実及び理由」第2の3(3)ケの同補助参加人による被控訴人への返還額〔合計15万円〕を控除したもの〕である。)。
原審裁判所は,第1事件及び第2事件の1審原告らの請求について,原判決主文1ないし4項のとおりの判決をしたところ,第1事件及び第2事件の1審原告らのうち控訴人らのみが本件控訴をした。また,補助参加人Cは,原判決主文3項に係る金員の弁済を大阪市に対してしたとして,附帯控訴をした。
2 関係法令等の定め
原判決「事実及び理由」第2の2を引用する。
3 前提事実
原判決「事実及び理由」第2の3を引用する。
4 本件の争点
原判決「事実及び理由」第2の4を引用する。
5 争点についての当事者らの主張
(1) 原判決の引用
後記(2)のとおり付加するほか,原判決「事実及び理由」第2の5を引用する。
(2) 控訴人らの当審付加主張
ア 会派控室における人件費と事務・事務所費
会派控室における業務について政務調査活動と他の活動は渾然一体となっているから,会派控室における活動ということ自体で本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の立証がなされている。
なお,Bについては弁護士による無料法律相談が実施され,政務調査活動以外の活動に使用されていることが具体的に立証されている。
イ 議員の事務所における人件費と事務・事務所費
議員の事務所における活動は,会派控室における活動以上に,政務調査活動と他の活動の両面を有し,渾然一体となっているから,議員の事務所運営に支出された費用ということ自体で使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の立証がなされている。
なお,議員の事務所に自己や所属政党等のポスター等が貼られており,政務調査活動以外の活動に使用されていることが具体的に立証されている。
第4当裁判所の判断
1 原判決の引用
後記2のとおり付加するほか,原判決「事実及び理由」第3の1ないし4,同5(1)を引用する。
2 付加説明
(1) 会派控室の職員の人件費
控訴人らは,会派控室における業務について政務調査活動と他の活動は渾然一体となっているから,会派控室における活動ということ自体で本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の立証がなされていると主張する。
しかし,前記1引用の原判決説示のとおり,平成20年度及び平成21年度当時,大阪市会の各会派の控室には,大阪市の職員も配置され,同職員は来客や電話への対応など政務調査活動以外の活動に係る事務も担当していたことが認められ,このような事情に照らすと,会派控室に勤務する職員であるからといって,そこに配置された職員の業務について政務調査活動と他の活動が渾然一体となっているとは即断し難いところ,人件費の額が相当でないことを疑わせる証拠もないから,人件費が本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の主張立証はないものといえる。
したがって,控訴人らの主張を採用することができない。
(2) 議員の事務所における人件費
ア 補助参加人Aに係る上記費用支出
前記1引用の原判決説示のとおり,補助参加人A及び補助参加人Eほか9名及び補助参加人Fは,同補助参加人所属の各議員が雇用し,その事務所に勤務している職員らの中には,政務調査活動に係る業務に専従している者と政務調査活動以外の活動に係る業務にも従事している者とがおり,各議員は,前者の人件費については政務調査費を全額充当する一方,後者の人件費については各職員の業務中に占める政務調査活動の割合等を勘案し,これを超えない原判決別紙3・4の各1の原判決「事実及び理由」第3の2(8)イ(イ)aの各番号に対応する「按分率」欄記載の割合で政務調査費を按分充当したり,政務調査活動の対価に当たる部分にのみ政務調査費を充当している旨主張するところ,その主張内容に格別不合理な点はないし,費用の額や按分率が相当でないことを疑わせる証拠もなく,上記費用が本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の主張立証はない。
イ 補助参加人Bに係る上記費用支出
前記1引用の原判決説示のとおり,補助参加人Bは,上記費用について,各議員の事務所においては政務調査活動以外の業務は行われないため,同所に勤務する職員らも政務調査活動の補助業務以外には従事していない旨主張するところ,その主張内容に格別不合理な点はないし,費用の額が相当でないことを疑わせる証拠もなく,上記費用が本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の主張立証はない。
ウ 補助参加人Cに係る上記費用支出
前記1引用の原判決説示のとおり,補助参加人Cは,同補助参加人所属の各議員が雇用し,その事務所に勤務する職員らの中には,政務調査活動に係る業務に専従している者と政務調査活動以外の活動に係る業務にも従事している者とがおり,各議員は,前者の人件費については政務調査費を全額充当する一方,後者の人件費については各職員の業務中に占める政務調査活動の割合等を勘案し,これを超えない原判決「事実及び理由」第3の2(8)エ(イ)の原判決別紙3・4の各3の各番号に対応する「按分率」欄記載の割合で政務調査費を按分充当したり,別途政務調査活動以外の業務に係る報酬を支払い,政務調査活動に係る報酬分について政務調査費を充当している旨主張するところ,その主張内容に格別不合理な点はないし,費用の額や按分率が相当でないことを疑わせる証拠もなく,上記費用が本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の主張立証はない。
エ 補助参加人Dに係る上記費用支出
前記1引用の原判決説示のとおり,補助参加人Dは,同補助参加人所属の各議員が雇用し,その事務所に勤務する職員らが勤務時間内に政党活動を行うことを禁止しており,上記職員らは政務調査活動に係る業務に専従している旨主張するところ,その主張内容に格別不合理な点はないし,費用の額が相当でないことを疑わせる証拠もなく,上記費用が本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の主張立証はない。
(3) 会派控室における事務・事務所費
ア 補助参加人Aに係る上記費用支出
前記1引用の原判決説示のとおり,上記費用は,補助参加人Aの会派控室において使用されたコピー機及びパソコンの購入費,リース料,メンテナンス料等であること,同補助参加人は,上記費用について,上記事務機器類は,議員が個人的に使用することはなく,政務調査活動に係る業務のみに使用されているが,自制的に70%の按分率により政務調査費を充当している旨主張するところ,上記主張内容に格別不合理な点はないし,費用の額や按分率が相当でないことを疑わせる証拠もなく,上記費用が本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の主張立証はない。
イ 補助参加人Bに係る上記費用支出
前記1引用の原判決説示のとおり,上記費用は,補助参加人Bの会派控室において使用されたFAX,コピー機,印刷機及びパソコンの購入費,リース料,メンテナンス料やコピー用紙,印刷機のインクの購入費等であること,同補助参加人は,上記会派控室においては,政務調査活動以外の活動は行われていない旨主張するところ,上記主張内容は格別不合理なものとまではいえないし,費用の額が相当でないことを疑わせる証拠もなく,上記費用が本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の主張立証はない。
なお,会派控室において弁護士による無料法律相談が実施されているものの,その実施のために,上記事務機器や事務用品が使用されていることをうかがわせる証拠はないから,上記法律相談の実施を考慮しても,上記判断を左右しない。
ウ 補助参加人Dに係る上記費用支出
前記1引用の原判決説示のとおり,上記費用は,補助参加人Dの大阪市会の会派控室に備え付けられ,使用されたパソコン及びコピー機等の事務機器やこれに関連する事務用品等の購入費,リース料等であること,同補助参加人は,上記事務機器や事務用品等は,政務調査活動にのみ使用された旨主張するところ,その主張内容に格別不合理な点はないし,費用の額が相当でないことを疑わせる証拠もなく,上記費用が本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の主張立証はない。
(4) 議員の事務所における事務・事務所費
ア 補助参加人Aに係る上記費用支出
前記1引用の原判決説示のとおり,上記費用は,補助参加人A所属の各議員の事務所の賃借料,各事務所で使用されている電話機やコピー機等の事務機器のリース料,事務用品の購入費等であること,同補助参加人及び補助参加人Eほか9名及び補助参加人Fは,上記各事務所には,政務調査活動に係る業務のみが行われているものと政務調査活動以外の活動に係る業務も行われているものとがあり,各議員は,前者に係る事務所賃借料,事務機器・事務用品関連の費用については政務調査費を全額充当する一方,後者に係る事務所賃借料,事務機器・事務用品関連の費用については各事務所において行われている業務中に占める政務調査活動に係る業務の割合,各機器等の使用のうち政務調査活動に係る業務に使用する割合,賃借場所全体の面積のうち政務調査活動に係る業務に専用している面積の割合等を勘案し,それらの割合を超えない原判決別紙3・4の各1の原判決「事実及び理由」第3の2(9)イ(イ)aの各番号に対応する「按分率」欄記載の割合で政務調査費を按分充当したり,賃料額や事務機器・事務用品の費用額のうちの相当額について政務調査費用を充当した旨主張するところ,その主張内容に格別不合理な点はないし,費用の額や按分率が相当でないことを疑わせる証拠もなく,上記費用が本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の主張立証はない。
イ 補助参加人Bに係る上記費用支出
前記1引用の原判決説示のとおり,上記費用は,補助参加人Bの所属議員の事務所の賃料やそこで使用された事務機器等の購入費,リース料や事務用品の購入費であること,同補助参加人は,上記費用について,所属議員は,政党活動をG党H本部等で行い,後援会活動は自宅等で行っており,議員の事務所においては政務調査活動以外の業務は行われない旨主張するところ,その主張内容に格別不合理な点はないし,費用の額が相当でないことを疑わせる証拠もなく,上記費用が本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の主張立証はない。
ウ 補助参加人Cに係る上記費用支出
前記1引用の原判決説示のとおり,上記費用は,補助参加人Cの所属議員の事務所に係る賃借料・地代・警備費や新たな事務所の設置に伴う費用,事務所の水道・光熱水費,事務所で使用された機器等の購入費・リース料や事務所で使用された事務用品・備品等の購入費,事務所での業務に係る通信費,事務所での業務に使用された車両のリース料であること,補助参加人Cは,上記各事務所には,政務調査活動に係る業務専用のものと政務調査活動以外の活動に係る業務にも用いられたものがあり,また,各事務所で使用された物品等には政務調査活動専用のものとそれ以外の活動にも使用されたものがあるところ,各議員は,政務調査活動専用の事務所・物品等に係る費用については政務調査費を全額充当する一方,それ以外の活動をも対象とする事務所,物品等に係る費用については,各事務所において行われている業務中に占める政務調査活動に係る業務の割合,各機器・物品等の使用のうち政務調査活動に係る業務に使用する割合,賃借場所全体の面積のうち政務調査活動に係る業務に専用している面積の割合等を勘案し,それらの割合を超えない原判決「事実及び理由」第3の2(9)エ(ア)の原判決別紙3・4の各3の各番号に対応する「按分率」欄記載の割合で政務調査費を按分充当したり,賃料額や物品の費用額のうちの相当額について政務調査費用を充当した旨主張するところ,その主張内容に格別不合理な点はないし,費用の額や按分率が相当でないことを疑わせる証拠もなく,上記費用が本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の主張立証はない。
エ 補助参加人Dに係る上記費用支出
前記1引用の原判決説示のとおり,上記費用は,補助参加人Dの所属議員の事務所の賃料や事務所で使用された事務機器・事務用品のリース料,購入費等であること,同補助参加人は,上記各事務所では,基本的に政務調査活動のみが行われ,同事務所の物品も政務調査活動に係る業務にのみ使用されており,例外的に,上記事務所が選挙活動に使用される場合には,その使用期間中の賃料について政務調査費を充当することはないし,上記事務所や物品が政務調査活動以外にも使用される場合には,その使用割合を勘案して,原判決「事実及び理由」第3の2(9)オ(イ)の原判決別紙3・4の各4の各番号に対応する「按分率」欄記載の割合で政務調査費を按分充当している旨主張するところ,その主張内容に格別不合理な点はないし,費用の額や按分率が相当でないことを疑わせる証拠はなく,上記費用が本件使途基準に違反する支出であると疑うに足りる一般的,外形的事実の主張立証はない。
3 まとめ
以上をまとめると次のとおりである。
(1) 大阪市は,補助参加人Aに対し,不当利得金126万4265円の返還請求権並びにうち18万7510円に対する第1事件の訴訟告知書の送達日の翌日である平成22年7月7日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金及びうち107万6755円に対する第2事件の訴訟告知書の送達日の翌日である平成24年10月2日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払請求権を,それぞれ有し,被控訴人はこれらの請求権の行使を怠っているものと認められ,上記各請求権の不行使を正当化するような事情の存在も認められないから,上記各請求権の不行使は違法である。
(2) 大阪市は,補助参加人Cに対し,不当利得金47万8500円の返還請求権及びこれに対する第1事件の訴訟告知書の送達日の翌日である平成22年7月7日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払請求権を,それぞれ有し,被控訴人はこれらの請求権の行使を怠っていたものと認められ,上記各請求権の不行使を正当化するような事情の存在も認められなかったから,上記各請求権の不行使は違法であったところ,証拠(丙C62の1~4)によると,補助参加人Cは,大阪市に対し,原判決言渡日(平成26年3月26日)以降の日である同年6月24日,上記不当利得金(47万8500円)及び遅延損害金(9万4913円)を全額返還したことを認めることができるから,これにより違法状態は解消されたものといえる。
第5結論
以上によれば,控訴人Iを除く控訴人らの訴えのうち,原判決別紙3の1の番号76~87記載の各支出に係る請求に関する部分は監査請求を経ていない不適法な訴えとして却下すべきであり,控訴人らのその余の請求は前記第4の3(1)の各請求権の行使を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないから棄却すべきである。
よって,控訴人らの本件控訴はいずれも理由がないから棄却し,補助参加人Cが被控訴人のためにした本件附帯控訴に基づき,原判決主文3項を取り消し,原判決主文3項に係る請求を棄却することとし,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 林圭介 裁判官 杉江佳治 裁判官 吉川愼一)