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大阪高等裁判所 平成9年(行コ)28号 判決 1998年3月10日

京都市北区紫竹竹殿町八番地の八

控訴人

京洛観光企画株式会社

右代表者代表取締役

佐藤喜久子

右訴訟代理人弁護士

村田敏行

水野武夫

籠池信宏

京都市上京区一条通西洞院東入元真如堂町三五八番地

被控訴人

上京税務署長 吉田知義

右指定代理人

種村好子

長田義博

荒尾彰典

森和雄

主文

一  原告の請求を棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

理由及び事実

第一控訴の趣旨

一 原判決を取り消す。

二 被控訴人が、控訴人の平成元年一一月一日から平成二年一〇月三一日までの事業年度の法人税について、平成三年一〇月三一日付けで控訴人に対してしてた法人税の更正処分のうち、所得金額七四七二万九三四三円(納付すべき税額二八〇三万三八〇〇円)を超える部分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分を取り消す。

第二事案の概要

請求の類型(訴訟物)、前提事実(争いのない事実)、争点は、原判決「事実及び理由」の第二(事案の概要)記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決五頁三行目に「乙1の1」とあるのを「乙一の一」と、同行に「乙1の2」とあるのを「乙一の二」と各訂正する。

第三 争点に関する当事者の主張は、原判決「事実及び理由」の第三(争点に関する当事者の主張)記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、原判決一二頁三行目に「固定資産税売却益」とあるのを「固定資産売却益」と訂正し、同頁七、八行目の「別紙3のとおり」の次に「(なお、別紙3にある「本件建物」とは、右建物等、すなわち、本件不動産等(別紙1記載の各土地建物等)のうちの建物等をいう。)」を、同一三頁末行の「譲渡価額」の次に「の一部である」を各加える。

第四当裁判所の判断

当裁判所も控訴人の本訴請求は理由がないから棄却すべきものと認定判断するが、その理由は、次に削除、訂正、付加するほか、原判決「事実及び理由」の第四(争点に対する当裁判所の判断)記載のとおりであるから、これを引用する。なお、控訴人の主張に沿う甲二四(山腰修三の陳述書)及び当審における証人山腰修三の証言は、要約すると、本件売買契約書が締結された平成元年一一月二八日の直前頃以降、加藤税理士(控訴人及び古知谷の会計、税務事務処理に関与)から本件売買契約を仲介した三協リベラルの代表者山腰に対して、本件売買契約の契約内容を変更したいとの話が伝えられ、契約締結後の同年一二月八日頃、山腰のもとに控訴人側の変更案の要旨を記載した文書(甲第一八号証)が送付され、山腰はその写しを買主であるサン・コウエイの代表者東一に示したが、山腰も東一も右変更案の内容を理解することができないため、両名同道のうえ、加藤税理士事務所に赴いて加藤税理士から変更案の内容について説明を受けた、その頃以降、山腰は、変更契約の内容をどのように確定するかについては加藤税理士にまかせ切りにしていたが、本件取引日の平成二年一月二六日に取引関係者がサン・コウエイ事務所に集まった際に、加藤税理士が改めて東一に変更案の内容を説明し、東一もその説明を了承し、山腰としては、右の結果、本件変更合意の内容どおりの変更契約が締結されたと認識している、ただし、その後、同年四月一七日に、加藤税理士から山腰宛に本件変更合意の条項の骨子の一部を記載した文書(乙一三(税務職員の東一に対する質問てん末所)添付の文書)が送付され、山腰がその写しを東一に交付したことはあるが、本件変更合意どおりの内容の契約書は作成されないままであった、という趣旨のものである。このうち、山腰の行動及び山腰が当時本件変更合意の内容を十分理解していなかったことについての記載及び供述部分は、客観的資料にほぼ沿うものであって、概ね措信することができる。しかし、東一が本件変更合意どおりの内容の合意をしたことを窺わせる趣旨の記載及び供述部分は、それ自体かなりあいまいなものを含むうえ、東一が本件変更合意に応じたことはない旨一貫して明確にいう原審における証人東一の証言、及び、本件売買契約と比べてきわめて重要な事項を変更した本件変更合意について、本件取引日に東一がその内容どおりの合意をすることに応じたといいながら、本件取引日ないしそれに直近した時期に契約書が作成されなかったばかりか、その後数か月を経ても契約書が作成されなかったことについて、これを合理的に説明し得る証拠がない(加藤税理士は、平成二年六月頃まで契約書を作成しなかったのは多忙のゆえであった旨をいうが、とうてい合理的な説明とはいえない。)こと、また、本件変更合意に伴ってされたというサン・コウエイの古知谷に対する一億七〇〇〇万円もの貸付についても、契約書、借用書等が作成されていない(古知谷の同金額の領収証・乙一五にも、借受金として受領したことを示す文言が一切記載されていない。)ことなどに照らすと、措信し難いものであり、したがって、引用に係る原審の認定は、甲二四及び右証言によって左右されない。その他、控訴人の準備書面の記載に徴して証拠を精査検討しても、原審の認定判断を左右するほどのものはない。

1 原判決三〇頁一行目に「本店」とあるのを削る。

2 原判決三三頁六行目に「サンコ・ウエイ」とあるのを「サン・コウエイ」と訂正する。

3 原判決三三頁末行に「三協リベラルあて」とあるのを「三協リベラル代表取締役山腰宛」と訂正し、同三四頁二行目の「送られ、」の次に「これを山腰がサン・コウエイ事務所に持参し、」を加える。

4 原判決四一頁七行目に「本件全証拠によっても、」とあるのを削り、同八行目の「事実は認められない」とあるのを「事実を認めるに足りる的確な証拠はない」と訂正する。

5 原判決四二頁七行目に「サンコ・ウエイ」とあるのを「サン・コウエイ」と訂正する。

6 原判決四四頁一〇行目に「固定資産税売却益」とあるのを「固定資産売却益」と訂正する。

7 四四頁末行に「譲渡価格」とあるのを「譲渡価額」と、同四五頁一、二行目に「本件土地」とらるのを「別紙1記載の各土地、すなわち本件不動産等のうちの土地」と、同頁三行目に「本件建物等及び古知谷の建物等の」とあるのを「控訴人及び古知谷が本件不動産等(別紙1記載の各土地建物等)のうちの建物等を同価格で譲渡することではあるものの、控訴人及び古知谷それぞれに帰属する」と、同頁九行目に「これが」とあるのを「うち控訴人に帰属する建物等の譲渡価額である五一六一万〇二〇八円が」と訂正する。

8 原判決四五頁末行に「価格」とあるのを「譲渡価額」と訂正する。

9 原判決五一頁三行目に「譲渡価格」とあるのを「譲渡価額」と訂正する。

第五結語

よって、控訴人の本訴請求は理由がないから、これを棄却すべきであり、これと同旨の原判決は相当であって、本件控訴は理由がないから棄却することとし、控訴費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民訴法六七条一項、六一条に従い、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 岨野悌介 裁判官 杉本正樹 裁判官 納谷肇)

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