大阪高等裁判所 昭和24年(を)3026号 判決 1950年5月13日
被告人
出射利喜男
主文
本件控訴は之を棄却する。
理由
弁護人上辻敏夫の控訴趣意第一点について。
弁護人は原判決は数名の共同被告人に対し一つの判決をなし主文で沒收の言渡をしているのであるが何人に対して科せられたのか明らかでないと主張するけれども判決主文に於ける沒收の言渡は特に主文で何人に対し科せられたものであるかということを明示する必要はなくその主文と理由を対比して容易に何人に対して言渡されたか明らかであればよいのである原判決を調査するに所論の通り主文に於て匕首一挺を沒收しているがその判決理由を読めば容易に右沒收が本件被告人に科せられたことが判明するから反対の見解に立つ論旨は採用できない。