大阪高等裁判所 昭和24年(を)3724号 判決 1950年10月07日
被告人
西川清
主文
本件控訴はこれを棄却する。
理由
弁護人当別隆治の控訴趣意第二点について。
原判決が法律の適用において、まづ刑法第四十五条とのみ記載し同条前段か後段かを記載してないが、原判示事実と対照してみれば同条前段を適用したこと極めて明瞭であるし、又同法第四十七条、第十条と記載しながら、どの罪の刑を最も重いと認めたかを説示していないが、これは同一の法定刑である竊盜の数罪であるから、そのいずれの罪の刑を最も重いと認めても、結局同一の併合加重の刑期を算定されるので、特段にある窃盜罪を抽出しなかつたまでのもので、かかる場合に併合加重の基本刑が説示されないからといつて何らの違法はない。すなわち所論の法律適用上の理由不備はないから、この論旨も理由がない。