大判例

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大阪高等裁判所 昭和25年(う)1942号 判決

又弁護人は本件のような拳銃不法所持を処罰するためにはその物の存在が前提でなければならないのに、原審はその存在を仮定して被告人の不法所持を認定した。原判決挙示の証拠のどこにも現物の示された記載がないから原審の認定は違法であると主張するけれども、拳銃の不法所持を認定するために現実に被告人が拳銃を所持した事実がなければならないのはもとより当然のことではあるが現物を常に公判廷に顕出して被告人に示さなければ有罪の認定ができないというような採証法則はない。適法な証拠によつて右事実が認定できれば充分である。原判決挙示の証拠には所論の通り拳銃を示した記載はないが本件拳銃の移動の経過が詳細に供述されているので、本件拳銃が架空のものでないこと即ち現実に存在することを認めるに充分であつて、右供述が具体性を欠くという非難は当らない。加うるに原審で適法な証拠調を経た坂豊一に対する司法警察員の第一回供述調書によれば同人は本件拳銃を保管中警察に押收せられこの拳銃を見せられて供述してることが明らかである。更に当審弁護人は自ら原審弁護人として本件の弁護に当りながら原審において何等かかる主張もせず反証の提出もなさず且つ原判決挙示の証拠について異議をも述べていないのである。ただ漫然と原審公判を見送り当審においてかかるいわれなき主張によつて原審判決を非難する論旨の採用できないのは当然のことである。原審の認定に少しも違法審理不尽の疑はない。

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