大判例

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大阪高等裁判所 昭和25年(う)3013号 判決

論旨は判示第一の外国人登録令違反の事実については、差戻前昭和二十四年十月八日の公判期日において訴因追加請求の手続により追加され、前控訴審において、事実の同一性を欠くものとして差戻されたが、この訴因追加請求は差戻後もなお有効に効力を持続するものと解すべきが故に、これが撤回なくして同一事実について、重ねて起訴された昭和二十五年八月二十一日の公訴提起は不適法として当然棄却さるべきであると主張するのである。しかし、控訴審において原判決破棄差戻の判決があつたときは、訴訟は原判決前の状態に復し、第一審における攻撃防禦の手続はすべて当初より改めて行わるべきこととなるのであるから、原判決前の訴因追加請求も当然その効力を消滅するものと解する。それゆえに検察官が前の訴因追加請求を撤回しないで同一事実について改めて公訴を提起したのは固より適法であつて、二重起訴とはならないのである。論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は外国人登録令第三条は本邦に居住権のない外国人は自由に入国することはできない趣旨であつて、元々本邦に居住し法律により居住権を認められ外国人登録証の交付をも受けておる者の入国をも拒否する法意ではない。被告人は元々肩書地に居住し外国人登録証も所持せるもので一時的に密出国した者であるから過去の点について処罰するは格別、同令第三条の適用外の者であると云うのである。しかし同令第九条によれば「外国人は本邦を退去するときは登録証明書を返還しなければならない」のであるから退去期間の長短を問わず、一旦本邦を退去した外国人は当然その居住権を喪失し、無断入国は許されないのである。

被告人は行為時法による同令第十二条第五号(九条違反)と同条第一号(三条違反)の二重の罪を犯した者に該当する。論旨は理由がない。

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