大判例

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大阪高等裁判所 昭和25年(う)3496号 判決

起訴状に掲げる公訴事実は「被告人は第一、外一名と共謀の上昭和二十四年九月五日頃兵庫県武庫郡鳴尾村州先米軍第百九十二兵器大隊自動車発着場において連合国占領軍の財産である自動車クイヤ二本を窃盜し、第二、外二名と共謀の上同年十一月二十五日頃前同所において連合国占領軍の財産である乗用車タイヤ六本を窃取し」とあるを原審第四回公判期日において検察官は論旨摘記のように訴因及び罰条を予備的に追加したことは所論の通りである。弁護人は訴因の追加変更は公訴提起に当つては格別最早公判廷においては許されないと主張するけれども、その否なることは刑事訴訟法第三一二条第二項第四項及び刑事訴訟規則第二〇九条第五項の規定に照し極めて明白であつて、所論はこれらの規定を正解せざるに出ずるおろかな主張と云うの外はない。それゆえに問題の焦点は右の訴因罰条の予備的追加が公訴事実の同一性を害するや否やの一点に係るのである。ところで起訴状による公訴事実(窃盜)と予備的追加の事実(賍物牙保及び賍物寄蔵教唆)とを対照するに犯罪の容体は共に同一である上犯罪の時及び場所は互に近接し、しかも窃盜罪と賍物罪はいずれも他人の所有に係る賍物の領得に関する犯罪であつて、互に密接な関係いわゆる事後従犯の関係があるので、犯罪の方法において相違するところがあるけれども、その間基本たる事実関係は何等異るところはないものと云わねばならない。すなわち右の訴因罰条の予備的追加は公訴事実の同一性を害しないから之を許容した原審の措置は誠に正当であつて、論旨は理由がない。

(註。本件は量刑不当により破棄自判)

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