大判例

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大阪高等裁判所 昭和25年(う)686号 判決

原判決がその摘示の事情を認定する証拠として司法警察官作成の小西正夫に対する第一回供述調書を引用していること及び同供述調書は刑事訴訟法第三百二十一条第一項第三号に該当するものとしてその証拠調をしたものであることは所論のとおりである。而して記録によると原審が検察官の請求により小西正夫を証人として喚問する旨の決定をなし検察官から申し出た前記供述調書記載の同人の住所に宛て郵便により同人に対する召喚状の送達手続を採つたところ送達不能となつたので、検察官において豊中市警察署長に対し同人の所在捜査を指揮し復命を受けた同警察署名義の検察官宛小西正夫なる者は同所及びその近隣に居住しない旨の復命書を裁判所に提出するとともに前記供述調書の証拠調を請求し原審裁判官はこれを採用したことが明らかであつて、かかる場合は前記法条にいわゆる供述者が所在不明のため公判期日において供述することができない場合に該当するものと解すべきであり、しかも同人は本件犯行を目撃した者であつてその供述は犯罪事実の存否の証明に欠くことができないことも亦明白である。更に同人は前記の如く被告人の本件犯行を目撃したにすぎず本件とは何等利害関係を有しないばかりでなく、進んで交番に赴き司法警察員に供述したものである事情に照らすとともにその供述の内容自体に徴するときは、その供述は同法条但書にいわゆる特に信用すべき情況の下にされたものであることを認めることができる。然らば原審が同人の署名及び拇印のある前記供述調書を証拠として取調をなしこれを原判決の事実認定の証拠として採用したのは適法であつて、原判決には所論のような違法はない。従つて論旨は理由がない。

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