大判例

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大阪高等裁判所 昭和26年(う)1422号 判決

凡そ他人所有の未登記不動産を適法な権原に基いて現実に支配をなすときは刑法第二五二条第一項にいわゆる占有に該当するものといわなければならない。従つて、数名の共有に属する未登記建物について、そのうちの一部の者が他の者の合意の下にその全部を現実に使用支配している場合に、右の一部の者が他の持分権利者を無視排除して同人等のみの共有とし同人等が設立した有限会社にこれを現物出資とし、同会社のため会社名義を以て所有権の保存登記を為すときは該登記の効力如何に拘らず、右共有の建物につきこれを不法に領得する意思を顕現せしめる行為に外ならないのであるから、橫領罪を構成するものといわねばならない。原判決は起訴状記載の公訴事実すなわち被告人等が同人等両名後藤ミキ、後藤松次郞及び宮川泰三の五名の共有に係る本件建物を右後藤ミキと三名で占有使用して右五名共同の下に米原食堂と称する飮食店を経営していたところ、右共同経営者である後藤松次朗及び宮川泰三を排除して被告人等及び後藤ミキの三名のみで右共有建物を使用し、会社組織を以て食堂を経営しようと企図し、後藤ミキと共謀の上同人等が現実に使用して占有する右建物を擅に被告人両名及び後藤ミキ三名現物出資として有限会社米原食堂を設立した上、大津司法事務局米原出張所において同会社のため同会社名義を以てこれが所有権保存登記を為した事実を認めながら、右登記の有効でないことを理由として橫領罪の成立なしと断じ無罪の言渡をしているのであるが、被告人等の右所為が橫領罪を構成すること前記説示により明らかであるから、原判決には判決に影響を及ぼすべきこと明らかな法令適用の誤があるものといわなければならない。それ故論旨は理由あり原判決は到底破棄を免れない。

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