大阪高等裁判所 昭和27年(う)2296号 判決
しかし原判示事実は挙示の証拠により認定するに充分であり、同一物件を目的とし田中晴夫のためになされた前登記が所在場所表示の相違から裁判において無効となり、結局においてヒラリーの仮登記に基ずく本登記が有効となつて担保物件を確定的に取得し実害を被らないことになつたとしても、いやしくも同一物件を二重に譲渡担保の目的として仮登記を経由し、前登記事実等をかくして金員を交付したものである以上、この種不告知と金員交付との間に因果関係があるものと認むべきこともちろんであるから、詐欺罪の刑責を免れ難いのは当然であつて記録を精査しても原判決の認定が誤つているとは思われないから論旨はその理由がない。