大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪高等裁判所 昭和27年(く)7号 決定 1952年2月23日

○○少年刑務所附設少年院在院

抗告人 A

右の者に対する覚醒剤取締法違反保護事件について、昭和二六年一二月二六日京都家庭裁判所が言渡した特別少年院送致の決定に対し抗告人から抗告の申立があつたので当裁判所は左のとおり決定をする。

主文

本件抗告はこれを棄却する。

理由

本件抗告理由の要旨は、原裁判所は抗告人に対し特別少年院送致の決定をしたのであるが、抗告人の覚醒剤取締法違反は初犯であり現在悔悟しているのみならず、抗告人は現在健康を害し院外において静養を必要とし母また現状を心痛の極臥床している実状にあるから、原決定の取消を求めるというのである。

しかし記録を精査してみると、原裁判所が抗告人に対し特別少年院送致の決定をしたのは、同人の性行等にてらしまことに適切な措置であつて何らこれを不当とすべき理由を発見し難いから、本件抗告はその理由がないものと認め少年法第三十三条第一項により主文のとおり決定をする。

(裁判長判事 荻野益三郎 判事 梶田幸治 判事 井関照夫)

日記刑訟第一一八号

昭和二七年四月十日

大阪高等裁判所長官 松本静史

最高裁判所事務総局家庭局長 宇田川潤四郎殿

保護処分決定に対する抗告事件の決定書写送付について

昭和二五年五月二六日附貴庁家庭甲第一六九号の通達に従い左記の決定書写一通送付します。

一、少年 A

抗告申立人 右同人

決定年月日 昭和二七年二月二三日

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例