大判例

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大阪高等裁判所 昭和28年(う)810号 判決

所論は原判決は本件四十九万五千枚の印刷は二個の別個独立した犯罪行為と解すべきにかかわらず、これを一括して一罪として処断し、かつ一罪なりや二罪なりやの判示が不十分であると主張するのである。しかし原判決は一罪の構成要件を充足する程度に判示してあるのみならず、右二罪なる旨の主張は結局において本件を併合罪として処断すべしというに帰し、明らかに被告人に不利益な主張というべく、被告人のための控訴理由としては不適法である。

同第一点(三)について

原判決挙示の証拠及び当審における証拠調の結果によると、(一)本件偽造物件と酷似し偽造の対象となつている真正物品税表示証は物品税を課せらるべき物品なることを表示するため商品に貼布させ、もつて物品税課税物件を適確に把握し同税の逋脱を防止することを目的とするものであつて、長方形の紙片中央部に「日本政府」「物品税の証」なる円形印影様の印刷がなされてあり、その両端にはそれぞれ「近畿清凉飲料協同組合連合会」「清凉飲料物品税納税証紙」と印刷されてあること。(二)清凉飲料製造業者は物品税法第一六条の二第一項等の規定に基き物品税証紙の貼布等を命ぜられているのであるが、近畿地方所在のこれら業者をもつて組織する近畿清凉飲料協同組合連合会から同条第四項による組合証紙等に同条第一項の表示申請があつた場合、大阪国税局において厳重な監督のもとに証印をあらわす印刷表示の加刷ができることになつており、前記物品税表示証はかかる手続によつて作成され所轄税務署を通じて業者に交付されるものであつて、要するに右印刷紙片は同時に印刷されたとしても観念上は前記連合会の作成部分と国の作成部分とがあるわけであり、中央円形印影様印刷部分の作成者は大阪国税局が代表する国であることがそれぞれ窺われるのである。従つて右「日本政府」なる記載はまさに所論現実の作成者を表示するものというべく、原審が右印影様印刷部分をもつて刑法第一六五条第一項にいわゆる公務所の印章と解したのは相当である。論旨はいずれもその理由がない。

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