大判例

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大阪高等裁判所 昭和29年(う)1684号 判決

所論は要するに原判決が被告人等の所為を選挙妨害と認定したのは事実誤認である旨主張する。しかし選挙演説に際しその演説の遂行に支障を来さない程度に多少の弥次を飛ばし質問をなす等は許容せらるべきところであるが演説の妨害となることを認識しながら他の弥次発言者と相呼応し一般聴衆がその演説内容を聴き取り難くなるほど執拗に自らも弥次発言或は質問等をなし一時演説を中止するの止むなきに至らしめるが如きは公職選挙法第二百二十五条第二号に該当すると解すべきである。本件について、みるに原判決挙示の証拠(原判決の掲げる証拠の標目中には「証人大久保源太郎、寺川福三郎、夜久全宏、長谷川亀次郎、久保豊武、倉田又三、小出平三、松野秋夫、大木辰三、田畑久次、木村宗一、上本甚七、近藤良朋の検察官に対する供述調書」とあつて甚しく粗漏であるがその趣旨は近藤良朋の検察官に対する供述調書の外爾余の右の者等につきその者等の原審における証人としての各証言を引用したものと認める)を綜合すれば、被告人両名及び原審相被告人津田駒吉は原判示選挙演説会に聴衆として出席し、原判示寺川福三郎の演説中その演説の妨害となることの認識があつたに拘らず共同して他の弥次発言者に相呼応し原判示の如く執拗に弥次の発言をしたり、どなつたり、質問々々と繰返していう等の所為に出た結果(主として右三名が弥次つたことにつき原審証人小出平三、同松野秋夫、同大木辰三、同田畑久次の原審公廷における各証言参照)当時の一般聴衆をして該演説内容の聴取を困難ならしめそれがため遂に右寺川福三郎はその演説を一時中止するに至つた事実を肯認することができるのであつて原判決の判示も亦右と同様事実を認定した趣旨なることが明かである。然らば被告人等の所為は正に前示法条に該当する選挙妨害というべく記録を精査しても原判決には所論のような事実誤認なく論旨は理由がない。

(裁判長判事 吉田正雄 判事 山崎寅之助 判事 大西和夫)

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