大判例

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大阪高等裁判所 昭和29年(う)1697号 判決

論旨摘録の各書類が二葉以上になるものについては、毎葉に作成者の契印があることは記録上明らかであるが、右各書類間の各葉に裁判所書記官の契印のないことも所論のとおりである。刑事訴訟規則第五十八条は官吏その他の公務員の作るべき書類に関する規定であつて、公判調書についていえば、各回の公判調書(添附書類としたものを含む)毎にその毎葉に契印を要求する趣旨であつて、記録として繰り込まれた書類全部の毎葉に裁判所書記官の契印を要求する趣旨ではない。公判期日において取調べた証拠書類は遅滞なく裁判所に提出せられるもの(刑事訴訟法第三百十条)で通常記録中に綴り込まれているが、公判調書の添附書類ではないから、公判調書との間に契印の必要はない。又裁判所書記官の作成したものでもないから、その各証拠書類間に同書記官の契印をなすべきものでもない。記録の正確性については、各書類の作成者の契印の外公判調書中の証拠調に関する記載、証拠一覧表、或は丁数の記入等によりてこれを保障せられるところである。その他かくの如き各書類間に裁判所書記官の契印を必要とする何等の法規もないから、本論旨は理由がない。

(裁判長判事 岡利裕 判事 国政真男 判事 石丸弘衛)

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